樹状細胞に特化した抗体メーカーからの高品質抗体！ 形質細胞様樹状細胞（pDC）研究用抗体

形質細胞様樹状細胞（pDC：plasmacytoid dendritic cells）研究用に最適な抗体を幅広く販売しております。

形質細胞様樹状細胞とは？

形質細胞様樹状細胞（pDC；plasmacytoid dendritic cells）は、ウイルス感染に対抗する主要な番人であると考えられています

pDCの前駆体は、主に1型インターフェロンを産生し、自然免疫と適応免疫を結びつける独特の能力を持っています。病原体の刺激に応答して1型IFNを大量に産生した後、ナイーブT細胞を刺激する能力を持つ樹状細胞（DC）に分化し、適応免疫の応答を調節します。pDCは、IFN産生を専門とする細胞として、他の免疫細胞の機能以外に、いくつかの疾病の発病も調節しています。

pDCは、2つの細胞内トールライクレセプター（TLR）、TLR7及びTLR9（それぞれssRNA及びCpG DNAモチーフを認識する）により、病原体関連分子パターン（PAMPs）を認識することで、病原体に対する免疫応答において重要な役割を果たします。TLRの作動は、特にMyd88及びIRAK4分子を含むシグナル経路を介して高レベルの1型IFN（主にIFNα、IFNβ）の分泌が誘導されます。

ヒトpDCは、細胞表面マーカーとしてCD123、CD303、ニューロピリン1/CD304を発現しますが、CD11c（通常のDCに発現）、CD4（単球に発現）を発現しません。また、マウスのpDCであるB220^highLy6C^highCD11c^low細胞では、BST-2（間質骨髄抗原-2）が高度に発現しています。Dendritics（デントリティクス）社は、形質細胞様樹状細胞の研究に有用なヒト、マウス、イヌのモノクローナル抗体をご提供致します。

【CD303（BDCA-2）】

pDCで特異的に発現し、C型レクチンのデクチン-2ファミリーに属します。このファミリーのメンバー（DCIR、デクチン-2、CD303等）は、複数のmRNAの発現が知られていることから、複数のタンパク質アイソフォームが存在する可能性が示唆されています。

図1　ヒト組織凍結切片のCD303抗体によるIHC染色
左：扁桃腺（品番DDX0042（クローン110H7））
中央：脾臓（品番DDX0040（クローン108H10））
右：扁桃腺（品番DDC0045（クローン109B8））

図2　ヒト組織パラフィン包埋切片のCD303抗体によるIHC染色
左：菊池病リンパ節（品番DDX0041（クローン104C12））
右：腫瘍リンパ節（品番DDX0043（クローン124B3））

図3　CpG処理したヒトpDCにおける各CD303抗体の影響

【BST-2（CD317）】

B220^highLy6C^highCD11c^lowのマウスpDSで高く発現しています。120G8クローン（品番DDX0390）は、BST-2を認識する抗体です。

図4　マウス脾臓凍結切片のBST-2抗体（品番DDX0390（クローン120G8））によるIHC染色

図5　BST-2抗体（品番DDX0390（クローン120G8））処理によるpDC細胞の減少

【CD304（ニューロピリン-1）】

211H6クローン（品番DDX0440）は、生体外でヒトpDCを識別します。血液において、IL3Rα^highCD11c^-pDCsで、211H6抗原が高く発現しています（図6A）。in situで、211H6クローンは、扁桃腺（図6B）、リンパ管、高内皮小静脈（図6C）のT細胞領域の孤立した細胞を認識します。リンパ球、単球、好塩基球、顆粒白血球は染色されません。BDCA-4との二重染色により、BDCA4^-211H6⁺サブセットが明らかになり、211H6が、PDCに選択的に発現しているニューロピリン-1のアイソフォーム（BDCA4とは異なるもの）を認識していることが示唆されました。（Dzionek A and al. ,2000 J. Immunol）

図6　CD304抗体（品番DDX0440（クローン211H6））の使用例
A：フローサイトメトリー
B：ヒト扁桃腺凍結切片 IHC染色
C：ヒト高内皮小静脈凍結切片 IHC染色

【CD123】

正常pDC及び白血病pDCでは、IL3-Rα/CD123を発現し、IL-3の存在下でT細胞の増殖を誘導します。IL3-Rα鎖の過剰発現は、白血病の表現型の発生の一因である可能性があります。（Treilleux et al., Clin Canc Res, 2004）107D2.08クローン（品番DDX0300）は、ヒトpDCでマウスを免疫して得られた抗体です。

図7　CD123抗体（品番DDX0300（クローン107D2.08））のIHC染色
左：ヒト扁桃腺凍結切片
右：ヒト乳癌パラフィン包埋切片

【TLR7】

pDCは、TLR7⁺で、多量のIFN産生による活性化に応答します。66H3クローンは、ヒトTLR7をトランスフェクトした真核生物細胞でマウスを免疫して得られました。

図8　品番DDX0500（クローン66H3）の使用例
右：イヌ細胞フローサイトメトリー
左：ヒト扁桃腺凍結切片IHC染色

【MyD88】

全てのTLRs（TLR3を除く）及びIL1-Rに結合する一般的なアダプタータンパク質で、NF-κBを活性化させます。

図9　MyD88抗体の使用例
右：ヒトHCT116細胞株　サイトメトリー（品番DDX1400（クローン603E10.05））
左：ヒトHeLa細胞　（品番DDX1401（クローン603E10.06））

【IRAK-4】

IL-1R関連キナーゼ（IRAKs）ファミリーに属し、Toll/IR-1R（TIR）ファミリーメンバーのシグナル経路の媒介に重要な役割を果たします。

図10　ヒト扁桃腺凍結切片　IRAK-4抗体（品番DDX0340（クローン6F8））によるIHC染色

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