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研究用

ライセンスフリー!ATUM社のPichia 発現ベクターにそのままご利用いただけます! ATUM社 IPフリー Pichia pastoris発現株

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ATUM社(旧DNA2.0社)では、種々の研究用IP(ライセンス)フリー Pichia pastoris発現株をご用意しています。これらの菌株はライセンシングの制限なくご利用頂ける上、ATUM社の全Pichia発現ベクターにそのままご利用頂けます。

Pichia株により作られたタンパク質とペプチドはIPフリーで、営利団体の方も研究用としてご利用頂けます。ただし、Pichia株またはPichia株由来の何れの菌株も、お客様より第三者への譲渡または転売、変異体の転売、または本製品を使用した第三者への(受託などの)サービス提供は、いかなる場合でも行って頂くことができません。

合法的な契約条件はATUM社WEBページをご参照ください。

* 本株はBioGrammatics Inc.とATUM社の共同開発品です。

Pichia株情報

PPS-9010 (野生型):

Pichia pastoris野生型発現株。本株は、全長ゲノム配列決定および5000以上の遺伝子からなるトランスクリプトームにおける振盪培養や発酵培養など種々の生育条件下におけるデータセットをもとに特性づけられています。BioGrammatics社では、発酵により湿った細胞ペレットで700 g/Lの細胞密度を得ています。

PPS-9011 (aox1Δ (MutS)):

メタノール資化が緩徐なPPS-9010の派生体。AOX1遺伝子の翻訳領域をATGからSTOPコドンまで欠失しています。本株は、炭素源としてメタノールのみを利用する場合は緩徐に生長し、発酵最適化の検討に有用です。

PPS-9016 (pep4Δ, prb1Δ):

PPS-9010由来のプロテアーゼ欠損株。BG16の遺伝子型は pep4Δ, prb1Δ。プロテアーゼ欠損株はいくつかの外来性タンパク質崩壊の軽減に効果的であることが示されています(White et al. 1995; Brierley 1998)。特に、分泌型組換えタンパク質の発酵槽培養において顕著です。これは、高い細胞密度と細胞の可溶化が少ないため、これらの液胞プロテアーゼ濃度が高くなるためです。残念ながら、これらのプロテアーゼ欠損細胞はPEP4に関して野生型ほど活発ではありません。生存率が低い上に生長速度が遅いため、形質転換がより困難であり、振盪フラスコや発酵槽培養での取扱いが困難です。したがって、プロテアーゼ欠損株は、タンパク質分解を低減する他の方法(例:アミノ酸やペプトンを培養培地に添加するなど担体化合物の添加)で充分な収量が得られなかった場合など、特定状況下でのご利用を推奨致します。
特に、発現実験においては野生型 P. pastoris株とプロテアーゼ欠損型ではない菌株を第一選択とされることをお奨めしています。

発現データ

3種のPichia株でそれぞれクチナーゼ(pD-912)を発現させた結果
図1. 3種のPichia株でそれぞれクチナーゼ(pD-912)を発現させた結果
GAPプロモータ(上部パネル)またはAOX1プロモータ(下部パネル)制御下でPPS-9010 (野生型)、PPS-9011 (aox1Δ (MutS)) およびPPS-9016 (pep1Δ, prb1Δ)の3種のPichia株においてクチナーゼ(pD-912)を発現させた。3種の株それぞれのコンピテントセルを作製し、45 µlの細胞に5 µlの開環したDNAを形質転換した。YPDS上で1時間培養後、1 mg/mlのゼオシン添加YPDS上に播種し30℃で培養した。各菌株の形質転換体より2、3コロニーを選択し、BMGY培地(1% 酵母エキス, 2% ペプトン, 13.4 g/L YNB, 0.1 M KHPO4 pH 6, 1% グリセロール, 0.004 mg/L ビオチンおよび300 µg/ml ゼオシン)で培養し、1日当たり1% グリセロールを3日間(GAPコンストラクト)または1日当たり0.5%(v/v)メタノールを2日間(AOX1コンストラクト)補充した。形質転換していない細胞をネガティブコントロールとし、 50 µlのサンプルを毎日採取し、SDS PAGEでクチナーゼ発現を確認した。

株継代方法

菌株はYPD + 1Mソルビトール培地に入れ、環境温度下でご送付致します。入手後は4℃で保存してください。1週間以内に、YPD寒天培地(Teknova, Cat. No. Y1000:1% 酵母エキス, 2% ペプトン, 2% グルコース, 2% 寒天を含む)に単一コロニーを形成させるよう画線して30℃で2日間培養します。

各菌株より単一コロニーをとり、YPD培地(Teknova, Cat. No. Y5000:1% 酵母エキス, 2% ペプトン, 2% グルコース)で一晩培養します。菌体を遠心(500 x gで5分間)後、30%グリセロールを含むYPD培地に再懸濁してマスターストックを作製します。菌体はドライアイス/エタノール槽で凍結後、-80°Cで保存します。

詳細なPichiaの培養と誘導プロトコールはこちらをご参照ください。

Pichia pastoris発現株

品名 メーカー 品番 包装 希望販売価格
Strain kit (3 strains) Pichia strain, Yeast詳細データ DNA PPS-KT 1 KIT
¥263,000
Pep4, prb1 Pichia strain, Yeast詳細データ DNA PPS-9016 200 UL
¥143,000
Aox1 (MutS) Pichia strain, Yeast詳細データ DNA PPS-9011 200 UL
¥94,000
Wild type Pichia strain, Yeast詳細データ DNA PPS-9010 200 UL
¥94,000

【ご注意】
上記商品は、2004年2月19日に施行されました「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」(通称カルタヘナ法)の使用規制対象品です。ご使用に際しては、規則に則し、適切にお取扱いください。

商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。

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