5-ヒドロキシメチルシトシンをグルコシル化法で測定 BioArray™ 5-hmC 検出キット

BioArray™ 5-hmC 検出キットは、簡単で効果的な反応を利用して、DNA中の5-ヒドロキシメチルシトシン（5-hmC）の配列特異的な検出を可能にします。5-ヒドロキシメチルシトシン（5-hmC）のグルコシル化後、グルコシル-5-ヒドロキシメチルシトシン感受性制限酵素エンドヌクレアーゼ（GSREs）でDNAを分解して検出します。

5-ヒドロキシメチルシトシン（5hmC）

6番目の塩基としても知られる5-ヒドロキシメチルシトシン（5hmC）は、新しく発見されたエピジェネティック修飾です。最初にバクテリオファージで同定されましたが、ホストが誘導する制限酵素エンドヌクレアーゼから、ファージゲノムを保護する機能に限られると考えられていました。興味深いことに、最近になって胚性幹細胞、脳、その他様々な器官で5-ヒドロキシメチルシトシンが発見されました。その存在は確かめられましたが、その生物学的な役割は明確になっていません。5-ヒドロキシメチルシトシンが、DNAの脱メチル化（5-メチルシトシン）において役割を果たしている可能性や、遺伝子発現調節に関わっている可能性が示唆されています。

5-ヒドロキシメチルシトシンの研究は、現在のところ、包括的な定量や性質決定の調査に限定されています。その理由は、5-メチルシトシンを検出する標準的な手法であるバイサルファイト（bisulfite）DNA分析が、5-メチルシトシンと5-ヒドロキシメチルシトシンを効果的に区別することができない点にあります。

• 単一チューブ内の反応
• 各種下流アプリケーションに適用可能
• 各アッセイデザインに対応できるフレキシブルセットアップ

• 5-hmC グルコシルトランスフェラーゼ
• 5-hmC反応バッファー（10×）
• UDPG（ウリジンジホスホグルコース）（10×）
• MspI 制限酵素
• 5-hmC コントロールDNA
• qPCR プライマー1、2
• 5-DNAクリーンナップ濃縮キット（DNA Binding、DNA洗浄バッファー、DNA溶出バッファー、スピンカラム、コレクションチューブ）

5-hmCグルコシルトランスフェラーゼ酵素が、DNA中の5-ヒドロキシメチルシトシンに特異的にグルコース基のタグを付加し、修飾塩基グルコシル-5-ヒドロキシメチルシトシンを生成します（図1）。

図1　
5-hmCグルコシルトランスフェラーゼが、ウリジンジホスホグルコース（UDPG）からグルコース基をDNA中の5-ヒドロキシメチルシトシンに転移する。

5-hmCのグルコシル化の後、「グルコシル-5-ヒドロキシメチルシトシン感受性」制限酵素エンドヌクレアーゼ（GSREs）でDNAを分解することで、GSREsの認識配列（表1）により、5-メチルシトシンと5-ヒドロキシメチルシトシンを区別することが可能になります。GSREsは、その認識領域配列内に、シトシン、5-メチルシトシン、5-ヒドロキシメチルシトシンが存在する場合に、効果的にDNAを分解します。しかし、5-ヒドロキシメチルシトシンがグルコシル化されている場合（グルコシル-5-ヒドロキシメチルシトシン）、GSREsは、DNAを分解することができません（図2）。この感受性を利用することで、多数の下流アプリケーション（例：qPCR、次世代シーケンシング、サザンブロット、アレイなど）を用いて5-ヒドロキシメチルシトシンを容易に検出することができます。

図2　グルコシル化5-hmCがGSRE Csp6Iによる5hmCDNAの切断を阻害
DNA中のシトシン：
レーンC：シトシン無修飾
レーンmC：5-メチルシトシン
レーンhmC：5-ヒドロキシメチルシトシン
レーンGhmC：グルコシル-5-ヒドロキシメチルシトシン
それぞれのDNAをCsp6Iで分解（37℃で2時間）した。
レーンM：1kb DNAラダー

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