試薬を変更するだけ！HRP検出をより高感度に！ Fitzgerald社 PolyHRP標識製品

試薬を変更するだけ！HRP検出をより高感度に！

PolyHRPは共有結合性セイヨウワサビペルオキシダーゼポリマーからなる増感された酵素標識です。
PolyHRP複合体は対象分子との1つの結合で多くのシグナル産生酵素を供給します。イムノアッセイの際にはHRPの重合度に正比例してシグナルが増幅されるため、少量のターゲット（pg〜fgの範囲）の検出が容易となります。

図1 SA-PolyHRP40複合体の概略図

ストレプトアビジン-PolyHRP複合体は、多数のストレプトアビジンを共有結合した5個の同等なHRPポリマーブロックで形成されています。現在3種類のポリマーが製造工程で使用されています。PolyHRP20, PolyHRP40, PolyHRP80です。ストレプトアビジン-PolyHRP80はストレプトアビジン-PolyHRP40より、ストレプトアビジン-PolyHRP40はストレプトアビジン-PolyHRP20より高感度です。

図2 標準的な複合体とPolyHRP複合体のHRPモノマー数

技術的に、ストレプトアビジン-PolyHRPを用いた検出は単純です。既存のアッセイ系（工程数、インキュベーション間隔）に影響するほどの大きな改変はありません。必要とするキットの試薬は、本質的には従来のストレプトアビジン-HRPを用いるELISAと変化ありません。
同様にPolyHRPでの検出には増強化学発光を含めた多くのHRP（比色、蛍光）基質現像システムに用いることができます。これは現行あるいは新規のELISAや免疫組織学的手法と完全な適合性があることも意味します。
PolyHRPを用いた検出の他の分析法では、DNA/RNAハイブリダイゼーションやリガンド/受容体アッセイの高感度測定に向いています。

• 高感度 PolyHRPは非常に低レベルのターゲットを検出できます（pg〜fgの範囲）
• 柔軟 発色、蛍光、化学発光基質と互換性があります。
• ロバスト 試薬は高度に精製され非複合体分子を含まないため高感度かつ低バックグラウンドです。
• 安定 直ちに使用可能な液体試薬が4℃で保存できます。
• 費用効果 従来のアッセイに比べ、複合体の使用は少量で済みます。
• 多用途 ELISA、ウエスタンブロット、免疫組織染色およびその他手法に互換性があります。
• 簡便 イムノアッセイやその他検出アッセイでそのまま代用できます。

1. 超純水と研究グレードの試薬を使用してください。常用のバッファーはすべて0.1〜0.2 µmの（準）滅菌フィルターでろ過しますが、過剰なO₂がHRPを失活させないよう泡立たないようご注意ください。
2. 高結合能プレートのみ使用し、低〜中結合能のプレートは使用しないでください。可能なら、クロマトグラフィー精製した特異的なIgGか抗原結合フラグメントを使用します。
3. 1 µg/mLの捕捉抗体でプレートをコートします。抗体フラグメントを用いる場合は、あらかじめ至適濃度を検討します。0.2 µmフィルターでろ過した0.03% BNDを含むpH 9.5の一般的な50 mM炭酸ナトリウムバッファーを使用します。
4. 抗体溶液で満たしたプレートを封じるか清潔で多湿な場所に置き、18時間4℃でインキュベートします。
5. 抗体をコートしたプレートを0.05% Tween-20を含むPBS（PBS-Tween）で5回洗浄します。好ましくは高濃度のオリゴ/多糖（トレハロース、デキストリン、デキストラン）や、天然（BSA、カゼイン）または合成（PVA, PVC等）補助ポリマー等の乾燥試薬安定化剤を含む適切な乾燥バッファーで洗浄した後、放置してプレートを乾燥させます。
6. ストレプトアビジン-PolyHRP複合体はビオチンを含まずタンパク質同士の非特異的な結合に対する効果的なブロッカーを含むバッファーで希釈してください。
   ユニバーサル（SA-PolyHRP）カゼイン希釈/ブロッカー（品番：85R-111）とストレプトアビジン-PolyHRP複合体安定化剤（品番85R-112）を用いてSA-PolyHRPを最終的な使用濃度まで希釈することを強く推奨します。必要に応じ、ビオチン標識抗体の濃度を既存の一般的なストレプトアビジン-HRPを用いたELISA試験で用いる濃度より薄めてください。
7. 最終的なイムノアッセイで用いるキャリブレーションカーブを作成して力価を測定しますが、カーブの点には以下を含む必要があります
   (1) ストレプトアビジン-PolyHRPのみ、抗原とビオチン標識抗体は含まず
   (2) ビオチン標識抗体とストレプトアビジン-PolyHRPのみ、抗原含まず
   (3) 低濃度抗原
   (4) 中濃度抗原
   (5) 高濃度抗原
8. サンプルを450 nm/620 nmで測定します。

SA-PolyHRP複合体は、一般的に使用される希釈剤に含まれる恐れのある微量なビオチンに高い感受性があります。内因性（解離、結合型ともに）のビオチンは当然SA-HRP複合体の検出能を弱める可能性があります。
動物血清由来の希釈剤は一般にストレプトアビジン-PolyHRPに適しません。徹底した透析やその他手法を用いても、中程度以上の分子量を有する物質に結合したビオチンを完全に除去するのは不可能なため、依然ストレプトアビジン-PolyHRP複合体を強力に阻害する可能性があります。

ストレプトアビジン-PolyHRPを用いると超高感度な性能を示すため、標準的なストレプトアビジン-HRPを用いた一般的な手法と比べ検出用の抗体-ビオチン複合体は低濃度で使用します。

※  表示価格について