Advanced Cell Diagnostic(ADC)社のRNAscope™やBaseScope™などを用いたIn situ hybridization(ISH)では、ドット状のシグナルを生成します。これらのシグナルは、1RNA分子が1ドットとして検出されるため、目視でシグナルをカウントすることで半定量的な解析が可能です。また、画像解析ソフトを使用することで定量的な解析が可能となります。
定量方法
半定量的解析
半定量的手法では、細胞あたりの平均ドット数に基づいて、サンプルにスコアを付けます。
解析の際は、ADC社が作成した、以下のRNAscopeアッセイ用半定量的スコアリングシステムに従ってスコアリングを行ってください。
スコア | 判定基準 |
---|---|
0 | シグナルが全くない、あるいは1 dot/10 cellsより少ない |
1 | 1-3 dots/cell |
2 | 4-9 dots/cell、ドットのクラスターが存在しない、または非常に少ない |
3 | 10-15 dots/cellで10%未満のドットがクラスター化している |
4 | >15 dots/cell で10%以上のドットがクラスター化している |
データの解析の詳細に関しては、こちらをご覧ください。
また、蛍光シグナルの解析については、こちらの資料をご参照ください。
定量解析
定量解析にはIndica Labs社のHALO®やLeica Biosystems社のAperioといった解析ソフトが使用可能です。また、QuPathなどのフリーソフトもご使用いただけます。
Indica Labs社 HALO® image analysis platform
HALO® image analysis platformは、全てのRNAscope, BaseScopeアッセイの解析が可能で、高度な組織分類、AIによる核分割などの機能があり、各細胞の遺伝子発現プロファイルを迅速に把握することができます。HALO®による解析はADC社が推奨するRNAscopeのHisto score(H-score)を用いた解析にも対応しています。
マニュアル・自動染色ともに全てのRNAscope, BaseScopeアッセイのシグナルを定量可能です。
特長
- 定量的かつ再現性の高いRNAscopeスポットカウンティング
- 単染色および多重染色のシグナル定量化
- 明視野と蛍光のどちらにも対応
- 細胞ごとの発現プロファイル
- H-scorおよびヒストグラムの自動生成
- 迅速なホールスライド解析
- 異なる細胞集団の手動および自動選択
HALO®を用いた解析の詳細は、こちらをご参照ください。
Leica Biosystems 社 Aperio RNA ISH Algorithm
Aperio RNA ISH Algorithは、組織全体の個々のシグナルを正確にカウントし、標準化された再現性の高い結果を提供します。バリデーションテストでは、Aperioと専門家の手動解析との間に高い相関性があることが実証されており、ルーチンでのカウンティング作業を自動化したい研究者にお勧めのツールです。
特長
- 単染色または二重染色シグナルの定量化
- シグナルの細胞内位置(核、細胞質)の特定
- 個々の細胞またはクラスターをカウント可能
- 定量的および半定量的な解析
Aperioを用いた解析の詳細は、こちらをご参照ください。
フリーソフトを用いた解析
QuPathやImageJを使用した解析方法は以下の資料をご覧ください。
使用ソフト名 | 資料(Tech Note) |
---|---|
QuPath | |
ImageJ |
QuPath
QuPathはQuantitative Pathologyの略で、スライド画像全体の自動定量・半定量解析を行うオープンソースのソフトウェアです。内蔵されたアルゴリズムにより、QuPathは空間RNA解析のための完全なワークフローを提供します。カラーデコンボリューションから始まり、細胞検出、サブセルプローブ識別、分類の段階を経て、最終的に細胞ごとのRNA定量化まで行います。
ImageJ
ImageJ はRNAscope™ または Basecope™ アッセイを用いた in situ Hybrid スライドを半定量的に解析可能なオープンソースのソフトウェアです。解析にはImageJ Fiji を使用しますので、画像処理パッケージであるFijiのダウンロードが必要となります。
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商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。
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