ページの本文へ移動

記事ID : 14274
研究用

L-グルタミン酸の影響を受けることなく L-グルタミンの測定が可能 L-グルタミンアッセイキット

このエントリーをはてなブックマークに追加

本製品は、L-グルタミン酸オキシダーゼ1)を用いたL-グルタミンの測定キットです。試料中にL-グルタミン酸とL-グルタミンが共存していても、L-グルタミンのみを特異的に定量することが可能です。また、L-グルタミン酸脱水素酵素を用いる方法に比べ、簡単な操作でL-グルタミンを定量できます。必要試薬はすべてセットされおり、R1酵素試薬液およびR2 酵素試薬液はすぐに使える状態です。

【関連商品】

使用目的

簡単にグルタミンを測定できる本製品は、培養細胞を用いた抗体や組換えタンパク質の生産工程における培地中のL-グルタミンの濃度管理、各種食品におけるL-グルタミンの定量分析などに有用です。また、生化学・医学分野の様々なアミノ酸代謝研究における各種試料中のL-グルタミン定量にも応用することができます。

構成内容

  • R1酵素試薬液 1バイアル 30mL
  • R2酵素試薬液 1バイアル 30mL
  • L-グルタミン標準液 1バイアル 凍結乾燥品

測定原理

試料にR1酵素試薬液を添加すると、L-グルタミン酸オキシダーゼの作用により試料中のL-グルタミン酸は酸化され、過酸化水素を生成します。この過酸化水素はカタラーゼの作用により分解されるので、予め試料中に含まれていたL-グルタミン酸が除去されます。続いてR2酵素試薬液を添加すると、グルタミナーゼの作用により試料中のL-グルタミンはL-グルタミン酸に分解されます。このL-グルタミン酸はL-グルタミン酸オキシダーゼの作用により酸化され、過酸化水素を生成します。生成された過酸化水素は、発色基質とペルオキシダーゼの反応により紫色色素が生成されます。この紫色の吸光度(555nm)から試料中のL-グルタミン濃度を定量します。なお、カタラーゼはR2酵素試薬液添加直後にアジ化ナトリウムによってただちに失活します。

測定方法

標準操作法

  1. 試験管に試料または標準液 10µL を分注します。
  2. R1酵素試薬液 450µL を加え20〜30℃で20分間静置します。
  3. R2酵素試薬液 450µL を加え20〜30℃で20分間静置します。
  4. 反応液の 555nm の吸光度を測定します。
  5. 標準液と試料の吸光度から試料中のL-グルタミン量を算出します。

L-グルタミン検量線例
図1 L-グルタミン検量線例
L-グルタミンを10-1500mg/Lの範囲で測定できます。

生化学自動分析装置による測定方法

生化学自動分析装置を用いて、大量の試料中L-グルタミン量を短時間で測定することができます。

自動分析装置TBATM-120FR(東芝メディカルシステムズ株式会社)によるパラメータ設定例
反応モード END UP
主波長/副波長 548
第1回測光ポイント 4.2分
第2回測光ポイント 9.6分
ブランク(水) 2µL
キャリブレータ (250mg/L) 2µL
試料 2µL
R1酵素試薬液 90µL
R2酵素試薬液 90µL

【注意】

上記パラメータは応用例の一つです。自動分析装置で本製品をご利用される場合は、装置に対応したパラメータを設定してください。

使用例

YMS_L_Glutamine_Assay_Kit_2.jpg YMS_L_Glutamine_Assay_Kit_3.jpg
図2 L-グルタミン溶液にL-グルタミン酸を添加して測定した結果

L-アスコルビン酸(ビタミンC)の影響除去について

本品では、試料中に一定量以上のL-アスコルビン酸が含まれていると発色反応が阻害されます。例えば、L-グルタミン 250mg/L の試料中にL-アスコルビン酸が 25mg/L 含まれるとき、L-アスコルビン酸が含まれない場合に比べて吸光度が約10%低下します。したがって、そのような試料のL-グルタミン測定においては適当な前処理をする必要があります。L-アスコルビン酸による発色阻害を除く方法として、アスコルビン酸オキシダーゼによる酵素処理の方法があります。下記にその処理方法例を示します。
なお、本品にはアスコルビン酸オキシダーゼは添付されておりません。

【アスコルビン酸オキシダーゼによる前処理例】

250mg/L のL-グルタミン溶液を試料とした場合の処理例です。アスコルビン酸オキシダーゼはPBSにて 5 U/mL に調整します。

  1. 試料 10μL に アスコルビン酸オキシダーゼ溶液 10μL を加えます。
  2. 10分間室温で静置します。
  3. 処理した液を試料として通常の測定を行います(最初の試料は2倍に希釈されています)。

本処理によりL-アスコルビン酸が 1000mg/L 含まれていてもL-グルタミン測定は影響を受けません。
ただし、試料の前処理の際には念のため、試料に適当量のL-グルタミンを添加したものを同時に測定し、その回収率に問題のないことを確認することをおすすめします。

参考文献
  1. Arima J et al., J Biochem 134, 805-812, 2003

L-グルタミンアッセイキット

品名 メーカー 品番 包装 希望販売価格
L-Glutamine Assay Kit詳細データ YMS 80116 1 KIT
¥160,000

商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。

お問い合わせ


メーカー・代理店一覧

サポート情報

SNSアカウント

オウンドメディア

※当社のWEBサイトはユーザーの利便性を最適にし、それを保証するためにクッキーを使用しています。
 このWEBサイトの利用を継続することで、クッキーの使用に同意することになります。

© COSMO BIO