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記事ID : 12509
研究用

骨粗しょう症研究に有用 破骨細胞(ヒト)

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ヒト破骨細胞は、M-CSF とRANKL の存在下で骨髄細胞から破骨細胞へと分化誘導します。また、播種時に象牙質切片上もしくはオステオアッセイプレートで培養することで、骨吸収窩が形成され骨吸収能を評価することができます。

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背景

骨組織は見た目の堅いイメージとは裏腹に骨吸収と骨形成が絶えず繰り返され、常に骨のリモデリング(再構築)が行われています。骨中には骨形成を担当する骨芽細胞と骨吸収を担当する破骨細胞の2種類の細胞が存在しており、両細胞の活性のバランスで骨の恒常性を保っています。破骨細胞が活性化し、骨形成量に対し骨吸収量が相対的に上回った状態が続くと、骨量が減少し、骨粗しょう症になることが知られています。

使用目的

破骨細胞はヒト由来の骨髄単核球から選択的増殖法を用いて調製した破骨前駆細胞です。高い分化効率(図 2, 6)を持ち、象牙質切片を用いたピットフォーメーションアッセイでは明瞭な骨吸収窩を形成します。別売りの専用培地は予め成分調整済みですので、お手元に届きましたらすぐお使い頂けます。

Pit formation assayの図

実験例

図1 M-CSF / RANKL で分化誘導した ヒト破骨細胞<br />(播種4 日目) 図2 TRAP 染色したヒト破骨細胞 
図1 M-CSF / RANKL で分化誘導したヒト破骨細胞
(播種4 日目)
図2 TRAP 染色したヒト破骨細胞
図4 象牙質切片上の吸収窩(Pit)ヘマトキシリン染色(培養2 週間後) 図5 象牙質切片上の吸収窩(Pit) SEM 画像
図3 象牙質切片上の吸収窩(Pit) ヘマトキシリン染色
(培養2 週間後)
図4 象牙質切片上の吸収窩(Pit)
SEM 画像

図5 分化前後の破骨細胞マーカーの発現
図5 分化前後の破骨細胞マーカーの発現
Real Time PCR analysis of major Osteoclast markers (normalized by RPLPO)

図6 β−エストラジオール添加による破骨細胞形成阻害試験  
100 μM 25 μM 0 μM

図6 β−エストラジオール添加による破骨細胞形成阻害試験
(添加濃度:100・25・0 μM) 播種5 日目 TRAP 染色

各種アッセイ方法

象牙質切片は、骨モデルとして長期培養に適しています。取り扱いが簡便なオステオプレートアッセイでは、同一表面上でコッサ染色とTRAP 染色を行うことができます。

1. TRAP 染色法

破骨細胞のマーカー酵素は酒石酸抵抗性酸 性ホスファターゼ(Tartrate-Resistant Acid Phosphatase; TRAP) となり、別売り のTRAP 染色キット(品番: AK04F) で酒石 酸抵抗性酸性ホスファターゼを簡便に検出することができます(図8 参照)。

1. TRAP 染色法

図7(左) オステオアッセイプレート表面上で M-CSF/RANKL で分化誘導した破骨細胞
図8(中央) オステオアッセイプレート表面上で形成された破骨細胞の TRAP 染色
図9(右) オステオアッセイプレート表面上で形成された吸収窩(Pit)のコッサ染色

2. Pit Formation Assay 法

象牙質切片またはオステオアッセイプレート上で形成された破骨細胞は骨基質を溶解し吸収窩(Pit)を形成します。吸収窩の総面積を測定してください(図9、10 参照)

注1: オステオアッセイプレートを使用した場合は播種した細胞密度などにもよって変わってきますが、概ね培養5 日目あたりから吸収窩(Pit)が形成されてきます。必要以上に培養期間を長くすると骨基質をすべて吸収し吸収窩が確認できなくなります。

図10 象牙質切片における(pit)形成のpH 依存性

図10 象牙質切片における(pit)形成のpH 依存性

3.ヒト破骨細胞のピットフォーメーションアッセイ

測定装置: 走査型電気化学顕微鏡

ヒト破骨前駆細胞を象牙質切片上で培養後(2週間)、切片を回収し、5 mLの1 Mアンモニア水中で超音波処理し
細胞を剥離しました。処理した切片をアンモニア水から取り出し、マイヤーのヘマトキシリン液で1分間染色し、
水洗、乾燥させた後、破骨細胞によって形成された吸収窩を観察し、形状の測定を行いました。
※本測定には、特殊専用加工を行った象牙質切片を使用しております。詳細についてはお問い合わせください。

(測定例 1)

形成された骨吸収窩を広い範囲で形状測定を行いました。

PMC_OSC15C_1.jpg

図11 ラット骨芽細胞

PMC_OSC15C_2.jpg

図12 測定結果

 

さらに、図12 内の骨吸収窩の詳細を調べるため、高解像度で測定を行い、深さを解析しました。

PMC_OSC15C_3.jpg
図13 骨吸収窩の深さ解析結果

(測定例 2)

同様に、形成された骨吸収窩形状を測定後、単一の骨吸収窩形状データを抽出して体積を計算しました。

PMC_OSC15C_4.jpg
図14 骨吸収窩の体積測定結果

ヒト破骨細胞(凍結細胞)

品名 メーカー 品番 包装 希望販売価格
ヒト破骨細胞
Human Osteoclasts, Human詳細データ
PMC OSC15C 1 VIAL
[1.5×10^6 cells/vial]
¥160,000
  • お受け取り後 凍結細胞を直ちにご使用にならない場合は液体窒素(または-70℃以下)にて保存してください。
  • 細胞は専用培地とセットでご使用ください

本商品のご注文には、専用の申込みフォームが必要です。
申込みフォーム  商品 購入申込書 Excel

専用培地

  • 破骨細胞培養専用にロットチェック済み血清を含む培地です。
  • 本製品は、骨髄細胞から破骨細胞へと分化できるようにRANKL(receptor activator of NF-κB ligand) とM-CSF(macrophage-colony stimulating factor)を含む培地です。
品名 メーカー 品番 包装 希望販売価格
破骨細胞培養用メディウム(ヒト用)
Osteoclast Culture Medium詳細データ
PMC OSCMHB 30 ML
¥33,000
破骨細胞洗浄用メディウム
Osteoclast Wash Medium, Unlabeled詳細データ
PMC OSCMW 100 ML
¥12,000

【関連商品】 各種因子

  • 培養用メディウム(ラット・ヒト)に含まれるRANKL と同一になります。
  • RANKL 濃度を変更する実験に便利です。
品名 メーカー 品番 包装 希望販売価格
RANKL, Human詳細データ PMC AK30 10 UG
[1 mg/mL]
¥19,000

【関連商品】 TRAP 染色キット

  • 骨量は骨を作る骨芽細胞の活性と、骨を壊す破骨細胞の活性のバランスによってコントロールされています。骨芽細胞の酵素マーカーとしてアルカリ性ホスファターゼを有しているのに対して、破骨細胞は酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ(Tartrate-resistant acid phosphatase)が酵素マーカーとなります。
  • 破骨細胞の酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ染色にご使用ください。

[構成内容]

96 ウェルプレートで10 枚分(10 回分)

  • 50 mM 酒石酸含有緩衝液、pH5.0  50 mL × 1本
  • 発色基質 10本
品名 メーカー 品番 包装 希望販売価格
TRAP染色キット
TRAP Staining Kit詳細データ
PMC AK04F 10 PLATE
[96 well x 10]
¥38,000

商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。

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