DNA複製に関係するヘリカーゼMCMの解析に有用 MCM 抗体

DNA複製に関係するヘリカーゼ MCM（Minichromosome maintenance）の解析に有用な、各種MCM（MCM2、MCM3、MCM4、MCM6、MCM7、MCM8、MCM10）検出抗体をラインアップしております。

DNA複製とMCMタンパク質

細胞は正確に発達し、細胞周期にのみDNA複製が忠実に実行されるよう高度に組織化されたメカニズムを有しています。このメカニズムは多数の細胞周期調節因子とゲノム安定性を確かなものとするDNA結合複合体との複雑な相互作用により成り立っています。

MCM複合体（Minichromosome maintenance complex）はこの過程において重要な役割を担う要素の一つです。MCM2、3、4、5、6、7から成るヘテロ6両体は複製へリカーゼとして機能します。MCM2複合体はpre-replicative complex (pre-RC) のなくてはならない構成要素で、M期後半・G1期に origin recognition complex (ORC)、cdt1、cdc6により複製起点にリクルートされます。

MCM複合体コンポーネントのリン酸化が調節の重要部分で、cdk1、cdk2、cdc7 (DDK7) セリン・スレオニン キナーゼのコントロール下で起こります。Cdks や Cdc7 によるPre-RC コンポーネントのリン酸化が、Cdc45、GINS複合体、複製初期、S/M期における起点の re-firing を活性化します。MCM2 のリン酸化は広く研究されています。Cdk2 は特にSer-13、Ser-17、Ser-41 をリン酸化し、Cdc7 は特に Ser-40、Ser-23、Ser-108 をリン酸化します。ATR もまた Ser-108 をリン酸化します。従って S期細胞周期チェックポイントに MCM複合体が関与していることがわかっています。MCM4 もまた Cdc7 の基質として知られており、Cdk1 は MCM3 を Ser-112、Ser-611、Thr-719 位置でリン酸化ことがわかっています。

Cdc7 はDNA複製の開始に必要で、MCM2 のSer-40、Ser-53 位置のリン酸化は Cdc7 キナーゼ活性に強く依存しているようです。Cdc7 や MCM複合体の極めて重要な役割は、腫瘍形成のほかに、複製のライセンス・開始です。またCdc7・MCM活性の阻害剤はガンの化学療法薬として研究され ています。

ウェスタンブロット

ウェスタンブロットよるヒトリン酸化 MCM2 (Ser108) の検出
サンプル：未処理、または8 Gy RI を 1時間照射、50 J/m2 を2時間照射したHeLa細胞溶解液を使用。抗体：アフィニティー精製したウサギ抗phospho MCM2 (Ser108) 抗体 A300-094A を0.2μg/ml 使用。その後、トータルMCM2 を確認のため検出した。検出：化学発光 (露光時間5秒) にて検出。

ウェスタンブロットよるヒトリン酸化 MCM2 (Ser27) の検出
サンプル：未処理、またはアルカリホスファターゼ (AP) 処理したHeLa細胞溶解液 (30μg) を使用。抗体：アフィニティー精製したウサギ抗phospho MCM2 (Ser27) 抗体 A300-116A を0.07μg/ml 使用。リン酸化特異的抗体で処理した後、ウサギ抗MCM2 抗体 A300-191A を0.2μg/mlを使用し、トータルMCMを検出した。検出：化学発光 (露光時間1分間) にて検出。

ウェスタンブロットよるヒトリン酸化 MCM2 (Ser41) の検出
サンプル：未処理、またはアルカリホスファターゼ (AP) 処理したHeLa細胞溶解液 (30μg) を使用。抗体：アフィニティー精製したウサギ抗phospho MCM2 (Ser41) 抗体 A300-117A を0.1μg/ml 使用。リン酸化特異的抗体で処理した後、ウサギ抗MCM2 抗体 A300-191A を0.2μg/mlを使用し、トータルMCMを検出した。検出：化学発光 (露光時間1分間) にて検出。

免疫化学染色

IHC-IFによるヒト MCM2 の検出 サンプル：ヒト精上皮腫のFFPE切片。抗体：アフィニティー精製したウサギ抗MCM2抗体 (品番IHC-00009) を 100倍希釈して使用。検出：赤蛍光標識ヤギ抗ウサギ IHC抗体 (品番A120-501E) を使用。	免疫化学染色によるヒト MCM6 の検出 サンプル：ヒト結腸腺癌のFFPE切片。抗体：アフィニティー精製したウサギ抗MCM6 抗体 (品番IHC-00047)を 250倍希釈して使用。検出：DA
免疫化学染色によるヒト リン酸化MCM2 (S40/S41) の検出 サンプル：ヒト結腸腺癌のFFPE切片。Mock脱リン酸化酵素処理 (左)、ウシ結腸脱リン酸化酵素処理 (右)。抗体：アフィニティー精製したウサギ抗リン酸化MCM2 (S40/S41) 抗体 (品番IHC-00079) を 250倍希釈して使用。検出：抗ウサギ IHC抗体 (品番A120-501P) を100倍希釈して使用しDAB染色した。	免疫化学染色によるヒト リン酸化MCM2 (S53) の検出 サンプル：ヒト結腸腺癌のFFPE切片。Mock 脱リン酸化酵素処理 (左)、ウシ結腸脱リン酸化酵素処理 (右)。抗体：アフィニティー精製したウサギ抗リン酸化MCM2 (S53) 抗体 (品番IHC-00069) を 500倍希釈して使用。検出：抗ウサギ IHC抗体 (品番A120-501P) を100倍希釈して使用しDAB染色した。

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