DNA損傷応答に関連するシグナル伝達経路解析に有用 ATM・ATR シグナリングタンパク質抗体

DNA損傷応答制御に関連するATM・ATR シグナリング経路研究に有用な抗体を幅広くラインアップしております。

DNA は突然変異誘発物質にさらされると、ゲノムの不安定性や有害な形質転換に至ってしまう伝達変異から細胞を防御するために厳しく対処されなければなりませ ん。絶え間ない遺伝毒性ストレスの脅威に対応するため、動物細胞は複雑に、また高度に分岐したシグナルネットワークによる DNAダメージ応答を発達させました。このネットワークはDNA損傷を感知し、DNA修復、細胞死、細胞周期停止といった転写プログラムを活性化させる細胞内シグナル伝達を行います。

生物には、遺伝的損傷が感知された際、DNA合成の停止や遅延を起こすために 3つの細胞周期チェックポイント経路が存在します。G1、S、G2期チェックポイントは始めに ATM (ataxia telangiectasia, mutated) や ATR (ATM and Rad3-related) プロテインキナーゼにより調節されます。ATM と ATR はセリン-スレオニンキナーゼの PI-3ファミリーのメンバーで、DNA ダメージ応答におけるセンサーとエフェクター間のつなぎ役として機能しています。ATM、ATRの役割は部分的に重複し、共同して働きます。しかしそれぞ れDNAダメージから細胞を守るために異なった役割も担っています。ATM は主にATRがUVダメージあるいは複製フォークの停滞に応答している際、放射線によって引き起こされる DSB (double-strand breaks) を感知します。

ATM と ATR はチェックポイントシグナリングを活性化するための特異的基質と同じようにリン酸化することが知られています。報告されているATM 基質のリストはかなり膨大で未だ増え続けています。増え続ける複雑なATM の下流ネットワークが、シグナル伝達の多用途性・複雑性、DNAダメージ応答の解明にはかなりの探索研究が必要であるということを明示しています。DNA ダメージを感知する上流ネットワーク、またどのようにしてATM ・ATR活性化につながっていくのかを理解するには多くの研究が残されています。

ウェスタンブロット・免疫沈降

ヒト・マウス Histone H2AX
サンプル：ヒト293T細胞由来核抽出物、マウス胎児線維芽細胞の野生株 (+/+) 及びH2AXノックダウン (-/-)。抗体：アフィニティ精製したウサギ抗H2AX抗体 A300-082Aを図に記載してある濃度で使用。検出：化学発光法 (露光時間10秒)

リン酸化HdmX/MDM4 (ser403)
サンプル：Mockトランスフェクトした 293T細胞由来全細胞溶解液 (30mcg/lane)、HA タグをつけた野生型 HdmX/MDM4 を発現させた同溶解液、HA タグをつけた変異型 HdmX/MDM4 を発現させた同溶解液 (S403A)。抗体：アフィニティ精製したウサギ抗リン酸化HdmX/MDM4 抗体 (品番A300-392A) を 0.13mcg/ml 使用。検出：化学発光 (露光時間30秒)

免疫化学染色

ヒトHdmX/MDM4
サンプル：ヒトralynx squamous 細胞腫瘍のFFPE切片。抗体：アフィニティ精製したウサギ抗HdmX/MDM4抗体 (品番IHC-00108) を1:250 に希釈して使用。検出：抗ウサギ IHC 抗体 (品番A120-501P) を 1:100 に希釈し使用。DAB染色。

ヒトATM
サンプル：ヒト前立腺 (nodular hypertrophy) のFFPE切片。抗体：アフィニティ精製したウサギ抗ATM抗体 (品番IHC-00034) を1:250 に希釈して使用。検出：DAB染色。

ヒトリン酸化 Chk1 (S317)
サンプル：ヒト結腸癌のFFPE連続切片。Mockホスファターゼ処理切片 (左)、calf intestinalホスファターゼ処理した切片 (右)。抗体：アフィニティ精製したウサギ抗リン酸化 Chk1 (S317) 抗体 (品番IHC-00068) を1:250 に希釈して使用。検出：抗ウサギ IHC 抗体 (品番A120-501P) を 1:100 に希釈し使用。DAB染色。

ヒトリン酸化 SMC1 (S966)
サンプル：ヒト前立腺がんのFFPE切片。Mock処理切片 (左)、ラムダホスファターゼ処理した切片 (右)。抗体：アフィニティ精製したウサギ抗リン酸化 SMC1 (S966) 抗体 (品番IHC-00016) を1:250 に希釈して使用。検出：DAB染色。

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