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OxiSelect™ カルボニル化タンパク質 ELISA は、酸化ストレスマーカーであるタンパク質のカルボニル化を検出・定量するためのキットです。タンパク質の濃縮を必要とせず、タンパク質をプレート吸着後 DNPH と反応させ、DNP 抗体で測定します。

背景

タンパク質のカルボニル化と検出方法

タンパク質酸化(Protein oxidation)とは、活性酸素種(ROS)や酸化ストレスの二次的生成産物によって、直接的または間接的に生じるタンパク質の共有結合的修飾と定義されます。タンパク質の酸化的修飾は、in vitro では幅広い酸化促進剤(プロオキシダント)で誘導することができ、in vivo では加齢や特定の疾患状態で発生します。タンパク質の酸化的修飾には、多くの種類があります。最も一般的な修飾は、プロリン(Pro)、アルギニン(Arg)、リシン(Lys)、スレオニン(Thr) 残基のカルボニル化です。カルボニル化タンパク質の誘導体は、化学的に安定であり、 ほとんどの ROS の酸化ストレスマーカーとして有用です。

カルボニル化を解析する多くのアッセイでは一般的に、ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH;dinitrophenylhydrazine)によるカルボニル基の誘導体化を行い、抗 DNP 抗体によるイムノブロット等で検出します。

タンパク質カルボニル化を検出するELISA は、最初 Buss らによって開発され、>4 mg/mL のタンパク質をDNPHと反応させ、ELISAプレートのウェルに吸着後、抗 DNPH 抗体で検出します。しかしながら、タンパク質含有量の低いサンプルでは、TCA沈殿法を用いて最低 4 mg/mL の濃度まで濃縮しなければなりませんでした。また、TCA沈殿では、カルボニル値の20%が影響を受けるとされ、沈殿中のタンパク質のロスも予想されることが難点でした。

使用目的

セルバイオラボ社のカルボニル化ELISAは、最初にタンパク質サンプルを96ウェルプレートに吸着させ、DNPHと反応させます。タンパク質を > 4 mg/mL の濃度に濃縮する必要がなく、10μg/mL のサンプルでも測定可能です。タンパク質サンプル中のタンパク質カルボニル量は、既知の還元型/酸化型 BSA スタンダードカーブと比較することによって算出します。

特長

  • 感度は 10 µg/mL
  • サンプルの濃縮や沈殿ステップ不要(サンプルのロスをなくせます。)
  • 血漿、血清、細胞ライセート、精製済みタンパク質サンプルに対応

構成内容

  • 96ウェルマイクロプレート(タンパク質コート済み)
  • DNP抗体
  • HRP標識二次抗体
  • DNPH
  • DNPH希釈液
  • ブロッキング試薬
  • 洗浄試薬(10×)
  • 基質溶液
  • 反応停止液
  • 還元型BSAスタンダード
  • 酸化型BSAスタンダード

測定例

タンパク質カルボニル化 ELISA のスタンダードカーブ
図1.タンパク質カルボニル化 ELISA のスタンダードカーブ

細胞ライセートおよびBSA中のタンパク質カルボニル化量
図2.細胞ライセートおよびBSA中のタンパク質カルボニル化量
STO (MEF)、 HeLa、MDA-231細胞を超音波破砕した(in 25mM HEPES, pH 7.5, 150 mM NaCl, 10 mM MgCl2, 1 mM EDTA, 2% Glycerol)。細胞ライセートとBSAを1X PBSで10 μg/mL に希釈し、96ウェルプレートにコート後、プロトコールに従い測定を行った。

よくある質問 Q&A

【01】 "Spectrophotometric" (品番:STA-315) フォーマットに比べて Protein Carbonyl ELISA kit (品番:STA-310) を使用する利点はありますか?

CBL 社の Protein Carbonyl ELISA キット (品番:STA-310) は、Spectrophotometric assayよりも 5-10 倍感度が良く、Spectrophotometric フォーマットでは 250μg のタンパク質がアッセイあたり必要であるのに対し、1 アッセイあたり 1μg のみ必要です。ELISA キットでは一度にたくさん測定できるのに対し、Spectrophotometric キットは、個々のチューブでアッセイします。Spectrophotometric キットフォーマットは、ELISA プレートリーダーをお持ちでない研究室で使用できるようにデザインされています。

【06】 血液サンプルをヘパリンやEDTAを使用して調製することはできますか?

CBL 社の Carbonyl ELISA は、カルボニル修飾されたどんなタンパク質(ライセート、血清、血漿など)に対しても使用することができます。血漿を回収する際、ヘパリンまたは EDTA どちらも使用することができます。どちらもアッセイに干渉しません。

【07】 尿サンプルはこのキットに適合しますか?

はい。この ELISA は尿サンプルに使用することができます。BCA または Bradford によるタンパク質アッセイを最初に行い、PBS で 10μg/mL に希釈することが必要です。

【10】 種特異性はありますか?

カルボニルグループタンパク質の構造は種に依存しませんので、どんな種のどんなタンパク質もこのアッセイに用いることができます。

下記よりそのほかのFAQもご覧いただけます。

参考文献
  1. Cadenas, E., Boveris, A., Ragan, CI., and Stoppani, AO. (1977). Archives of Biochemistry & Biophysics 180:248 257.
  2. Wakeyama, H., Takeshige, K., Takayanagi, R., and Minakami, S. (1982). Biochem J. 205:593601.
  3. Talent, JM., Kong, Y., and Gracy, RW. (1998). Anal. Biochem. 263:31 38.
  4. Buss, H, Chan, TP, Sluis, KB, Domigan, NM, and Winterbourn, CC. (1985) Free Radic Biol Med. 23:361-6.
  5. Reznick, AZ., and Packer, L. (1994) Methods Enzymol. 233:263-357.

OxiSelect™ カルボニル化タンパク質測定ELISAキット

品名 メーカー 品番 包装 希望販売価格
OxiSelectTM Protein Carbonyl ELISA Kit (1 plate)詳細データ CBL STA-310 96 ASSAY
¥200,000
OxiSelect Protein Carbonyl ELISA Kit, Trial Size詳細データ CBL STA-310-T 32 ASSAY
販売終了
OxiSelectTM Protein Carbonyl ELISA Kit詳細データ CBL STA-310-5 5*96 ASSAY
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