記事ID ： 43151

SARS-CoV-2のスパイクタンパク質（S1）を検出するELISAキット
SARS-CoV-2 スパイクタンパク質 S1 ELISA キット

カテゴリから探す > バイオメディカル（環境・食品） > ウイルス感染症の検査・研究

メーカー名：Cell Biolabs, Inc.

SARS-CoV-2 Spike Protein S1 ELISA Kitは、SARS-CoV-2のスパイクタンパク質（S1サブユニット）を検出し定量するELISAキットです。

本商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。

背景

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2（SARS-CoV-2）は、副鼻腔、鼻、および喉（上気道）だけでなく肺や気管（下気道）にも影響を及ぼします。SARS-CoV-2はII型肺胞細胞に大量に存在するアンジオテンシン変換酵素2（ACE2）に結合することで宿主細胞に入るため、このウイルスが最も影響を与える器官は肺とされています。本ウイルスは、その表面スパイク糖タンパク質（スパイクタンパク質）を用いて宿主細胞表面上のACE2に結合することでヒト細胞に結合し侵入します。病気が肺で発症すると、呼吸不全が生じ死に至ることもあります。類似するコロナウイルスが中枢神経系（CNS）に侵入することが確認されていることから、SARS-CoV-2もまた脳幹に侵入して呼吸不全の原因となる可能性があります。SARS-CoV-2は死者の脳脊髄液から検出されているものの、CNS侵入の正確な機序はわかっていません。ACE2は、胃、十二指腸、および直腸の上皮腺細胞や小腸の内皮細胞に発現していることから、本ウイルスは胃腸器官の細胞にも侵入することができます。さらに、SARS-CoV-2は心筋損傷や循環器への損傷の原因にもなり得ます。

SARS-CoV-2はSARS-CoVとして知られる最初のウイルスと密接に関連しています。SARS-CoV-2を構成するタンパク質には、膜糖タンパク質（M）、エンベロープタンパク質（E）、スパイクタンパク質（S）、およびヌクレオカプシドタンパク質（N）などがあります。スパイクタンパク質は２つの部分（S1とS2）に分けられる糖タンパク質です。スパイクタンパク質S1サブユニットは哺乳動物細胞表面への付着を触媒し、S2サブユニットは標的膜との融合を促進します。

構成内容

抗 SARS-CoV-2 Spike S1 抗体コート済プレート（ストリップタイプ）
ビオチン標識抗スパイクタンパク質S1抗体（1000ｘ）
ストレプトアビジン-酵素コンジュゲート
アッセイ希釈液
Triton X-100
洗浄バッファー
基質溶液
停止液
SARS-CoV-2 スパイクS1 標準物質

参考文献

Andersen KG, Rambaut A, Lipkin WI, Holmes EC, and Garry RF (2020). Nature Med. 26: 450?452.
Verdecchia P, Cavallini C, Spanevello A, and Angeli F (2020). Euro. J. Int. Med. 76: 14?20.
Letko M, Marzi A, and Munster V (2020). Nature Microbiol. 5: 562?569.
Li YC, Bai WZ, and Hashikawa T (2020). J. Med. Vir. 92: 552?555.
Gu J, Han B, and Wang J (2020). Gastroenterology. 158: 1518?1519.
Zheng YY, Ma YT, Zhang JY, and Xie X (2020). Nature Rev. Cardiol. 17: 259?260.
Du L, Zhao G, Lin Y, Chan C, He Y, Jiang S, Wu C, Jin D-Y, Yuen K-Y, Zhou Y, Zheng B-J (2008) Vaccine 26: 1644-1651.
V'kovski P, Kratzel A, Steiner S, Stalder H, and Thiel V (2021). Nature Rev. Microbiol. 19: 155?170.
Wu C, Liu Y, Yang Y, Zhang P, Zhong W, Wang Y, Wang Q, Xu Y, Li M, Li X, Zheng M, Chen L, and Li H (2020). Acta Pharm. Sinica. B. 10: 766?788