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組織染色において、良い抗体の選定は重要事項です。
抗原が合成ペプチドの抗体やモノクローナル抗体は、抗原配列が一部の領域に決まっているため特異性が高いのですが、固定操作や他分子と抗原との結合によりエピトープがマスキングされてしまい反応しなくなる可能性があるので、モノクローナル抗体だからといって良い抗体だと言い切ることはできません。
また、組織染色と並行してイムノブロッティングを行うことも重要です。例えばブロットの結果で予測される位置以外にバンドが検出された場合、組織染色したときの染色像が本当に目的物質だけを染色しているのか判断できません。ただ、ブロット膜上の目的物質は立体構造やS-S結合が外れているため、ケースバイケースでその抗体が組織染色に使えるものかどうか検討する必要があります。