食品サンプル中のデンプンを蛍光測定するキット デンプン定量キット（蛍光）

米、小麦、トウモロコシ、ジャガイモなどの食品サンプル中のデンプンを蛍光測定するキットです。
本製品は、グルコースオキシダーゼがグルコースを酸化して生じる過酸化水素を、蛍光プローブを用いて検出します。96ウェルプレートフォーマットで100アッセイ分の試薬を含みます。

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デンプン（スターチ）とは

デンプンは、共有結合のグリコシド結合により繋がったグルコース長鎖で形成される高分子炭水化物です。多くの植物がエネルギー貯蔵の形態として、この高分子体を産生します。植物中では、グルコース-1-リン酸アデニリルトランスフェラーゼと呼ばれる酵素によって、グルコース-1-リン酸がADP-グルコースに変換されます。このときエネルギー源としてATPが必要となります。ADP-グルコースはデンプン合成酵素によって、伸長中のグルコース残基に付加されます。この段階でADPは遊離し、アミロースが産生されます。デンプン分枝酵素はこれらの鎖を1,6-αグリコシド結合し、分岐したアミロペクチン分子を産生します。

デンプンはヒトの食物中で最も一般的な炭水化物であり、ジャガイモやトウモロコシ、小麦、米など多くの食材に含まれています。ジャガイモなど可消化性のデンプンを多く含む食材を食べすぎると、グリセミック指数が高くなり、2型糖尿病や心血管疾患に罹患するリスクが増加します。食品デンプンは、スープやプリンなどに増粘剤や安定化剤として使用されたり、様々なタイプの麺類に加工されたりします。また糖に変換されて加工食品に使用される場合もあります。製紙業における接着剤として使用されたり、アイロンがけの際の糊付けに使用されたりもします。

• 食品サンプルに使用可能
• 検出限界：0.625 µg/mL
• デンプンスタンダード付属

• デンプンスタンダード
• 10X アッセイバッファー
• 蛍光プローブ
• HRP
• アミログルコシダーゼ
• グルコースオキシダーゼ

本製品は、試料中のデンプンを測定します。

デンプンはアミログルコシダーゼによりグルコース単量体に分解されます。グルコースはグルコースオキシダーゼにより酸化され、D-グルコン酸と過酸化水素を生成します。過酸化水素は特異性の高い蛍光プローブを用いて検出されます。プローブと過酸化水素は1:1で結合し、HRP（Horseradish peroxidase）がその反応を触媒します。
サンプルおよびスタンダードを45分間インキュベートし、次いで、標準的な96ウェル蛍光プレートリーダーで測定します。サンプル濃度は、96ウェルマイクロタイタープレートフォーマット内のグリコーゲンスタンダードと比較して算出されます。

図1. デンプンアッセイの原理

1. 使用前に全ての試薬を調製してください（サンプルおよびスタンダードの各試料は二連または三連でのアッセイを推奨します）。
   ※各サンプルは、アミログルコシダーゼ検証用と内因性グルコースのバックグラウンド測定用の2セットずつ用意してください（後の工程で、バックグラウンド用にはアミログルコシダーゼの代わりにPBSを加えます）。
2. 96ウェルプレートにデンプンスタンダードまたはサンプル 50 µLを添加します。
3. スタンダードのウェルと、サンプルが入ったウェルの半分にアミログルコシダーゼ　10 µLを加え、よく混合します。
4. サンプルが入ったウェルの残り半分にPBS 10 µLを加え、よく混合します。
5. 37℃で30分間インキュベートします。
6. 各ウェルに反応試薬 50 µLを加え、よく混合します。遮光、37℃で45分間インキュベートします。
7. マイクロプレートリーダーで測定します（励起：530-570 nm、蛍光：590-600 nm）。

図2. デンプン標準曲線

図3. デンプン測定キット（蛍光）による米抽出物でのデンプン検出

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