Enzo Lifescience社：ユビキチン ターゲット・基質タンパク質

• EnzoLifescience社　ユビキチン＆UBLシグナリング

　NF-κBシグナル伝達経路の全イベントの調節には、複雑なユビキチン介在プロセス ( タンパク質分解および非タンパク質分解) が関わっています。同様に、レベルは異なりますが、NF-κB経路でのSUMOやNEDD8 経路の関与、脱結合や COP9 シグナルソームおよびプロテアソーム関連複合体に関連するタンパク質分解機構が明らかになっています。
　カノニカル経路では、Inhibitor of NF-κB（IkB）にNF-κB因子が結合することで不活性化状態にありますが、細胞刺激を受けてユビキチン化され（K48結合鎖による誘導体化によって）、その後、プロテアソーム分解を受けます。ユビキチン化される前段階では、IκBはIκBキナーゼ（IKK）複合体により、リン酸化されます。IKK複合体 (2つのキナーゼIKKαおよびIKKβ、そして調節成分NEMOからなる) は、TNFαまたはIL-1受容体刺激後に活性化される上流キナーゼ（TAK1）によって活性化されます。

■ 製品ラインアップ

• NF-κBおよびIKKα-タンパク質
• NF-κBおよびIKKα-抗体
• IKKα-基質

　p53 は、非常によく研究されている複雑な多機能タンパク質で、DNA 損傷やゲノム異常に対する細胞応答に重要な役割を担っています。p53 活性により、細胞周期停止、DNA 修復、もしくはアポトーシスが誘導されますが、これは p53 が、これらプロセスに必要な遺伝子セットをコントロールして細胞分裂を負に調整するトランスアクチベーターとして細胞周期に関与しているからです。p53 転写経路の活性と調節は、一連の翻訳後修飾によってコントロールされています。これには、主にC 末端にある特異的リシン残基でのイソペプチド結合形成を介したユビキチン、ユビキチン様タンパク質SUMO やNEDD8 への結合が関わっています。
　正常細胞での p53 は、主に Hdm2 介在ユビキチン化とそれに続くプロテアソーム分解により、低レベルに維持されています。Hdm2 は、自身の C 末端RING ドメインを利用し、p53 ユビキチン化だけでなく、Hdm2 自身もまた自己ユビキチン化して分解を促進させるRING ドメイン依存性ユビキチンE3 リガーゼです。対照的にSUMO、NEDD8 修飾は、それぞれp53 転写活性を活性/ 阻害することが分かっています。

■ 製品ラインアップ

• p53-タンパク質
• p53-抗体および検出キット
• p53-レギュレーター

　SUMO によるタンパク質の共有修飾は、転写、核輸送、DNA 修復、細胞周期の進行といった多くの細胞プロセスに影響を及ぼします。SUMO ターゲットが数多く確認されていますが、その機能は未だ解明されていません。関連する標的リシンを変異させ、機能喪失を観察することによりSUMO 化の役割を調べることができますが、このようなアプローチは、修飾部位のマッピングが問題になり、また変異体が表現型の明らかな変化を起こさないため、困難なものになっています。
　別のアプローチとしては、SUMO 化タンパク質と非修飾タンパク質の両方をインビトロで作製し、それらを機能アッセイで比較する「 修飾における増幅 (gain in modification)」分析を行う方法があります。下記タンパク質は、活性化酵素と結合酵素を組み合わせてSUMO 化の基質として作用します。

■ 製品ラインアップ

• SUMO化基質
• SUMO化基質-抗体

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