UCHL1/PGP9.5とは?
UCHL1(ユビキチンカルボキシル末端加水分解酵素アイソザイムL1 : Ubiquitin carboxyl-terminal hydrolase isozyme L1)は、ニューロン細胞質タンパク質9.5(neuron cytoplasmic protein 9.5)、PGP9.5、PARK5 等の別名でも知られるタンパク質です。UCHL1は、C末端に付加したユビキチンを加水分解し、ユビキチン単量体を生成する脱ユビキチン化酵素です。脱ユビキチン化酵素は、部分的に分解されたタンパク質等からユビキチンを除去し、タンパク質の機能制御において重要な役割を果たすことがわかってきました。また、いくつかの疾患は、ユビキチン経路の機能不全に関連していることが知られています。
■ 全体の神経マーカー(pan neuronal-marker)として
UCHL1/PGP9.5 の発現は、神経細胞、びまん性に存在する神経内分泌系(diffuse neuroendocrine system)細胞、およびそれらの腫瘍において、特異的に発現します。神経系の発生と機能を理解するためには、神経細胞のコンパートメントを正確に可視化することが求められます。UCHL1は、中枢神経および末梢神経系の細胞体と軸索を特異的に標識するために有用なマーカーです。UCHL1/PGP9.5 タンパク質は、神経細胞の細胞質に存在する主要なタンパク質成分であり、他の器官での発現量よりも少なくとも50倍高い濃度で、脳組織には存在します。UCHL1/PGP9.5 はまた、パーキンソン病感受性遺伝子(Parkinson's disease susceptibility gene)としても報告されています。
■ 腫瘍マーカーとして
UCHL1/PGP9.5 は、様々な癌との関連について研究されています。PGP9.5 は、結腸直腸、膵臓癌、肺癌、または胆嚢癌等のいくつかの癌で過剰に発現することが報告されています。しかしながら、UCHL1/PGP9.5 と腫瘍形成経路の関係は依然として明らかになっていません。
■ Proteintech Group(プロテインテック)とは?
Proteintech Group, Inc.(プロテインテック)社は、2001年に設立された抗体製造メーカーです。現在までに、米国本社の他、英国、中国、ドイツ、フランス、シンガポール等で支社を展開し、各国で様々なマーカー抗体、タンパク質研究用試薬を供給しています。国内におけるテクニカルサポート等は、2016年より株式会社プロテインテック・ジャパン(www.ptglab.co.jp )が担当しています。
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