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記事ID : 17767
研究用

単独で糸状菌のプロトプラストが調製可能

Yatalase(糸状菌細胞壁溶解酵素)

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Yatalase(ヤタラーゼ)は糸状菌のプロトプラスト調製ができます。麹の菌体量を簡便に測定できます。糸状菌の細胞壁を溶解し、細胞内酵素の調製が可能です。

●試薬ボトルの変更
これまでに使用していた試薬ボトルが新型コロナウイルスの影響のため入手困難となり、一時的に変更になりました。
供給が安定しましたらこれまでの試薬ボトルに戻します。

特長

Yatalaseは、Corynebacterium sp. OZ-21の培養液上清より調製され、キチナーゼ、キトビアーゼ、β-1, 3-グルカナーゼを主体とする複合酵素剤で、以下のような特長があります。

  1. キチナーゼ、キトビアーゼ、キトサナーゼ、β-1, 3-グルカナーゼ活性を有する。
  2. 単独で糸状菌のプロトプラストが調製できる。

特性

規格

  • キチナーゼ活性 : 50 U/g powder以上
  • キトビアーゼ活性 : 500 U/g powder以上
  • 細胞壁溶解活性 : 約10,000 U/g powder
酵素 活性
(U/g powder)
キチナーゼ 50以上
キトビアーゼ 500以上
キトサナーゼ* 19
β-1,3-グルカナーゼ* 300
プロテアーゼ* 31
細胞壁溶解活性 10,000以上

* キトサナーゼ、β -1,3-グルカナーゼ、プロテアーゼの値は代表サンプル値であり、規格値ではありません。

形状

凍結乾燥粉末(賦形剤として乳糖を含んでいます)

保存

4℃乾燥状態

諸性質

OZK_yatalase_activity.jpg
図1:Yatalase の pH-活性、安定性曲線
OZK_yatalase_temp_activity.jpg
図2:温度-活性、安定性曲線
 

応用

Yatalaseを用いた麹菌体量簡易測定法

■ 特長

酵素の調製が必要なく Yatalase 単独で菌体量の測定ができます。操作が簡単で、反応時間が短くてすみ4時間以内で測定可能です。

■ 操作手順

OZK_yatalase_procedure.jpg

■ 測定結果例

培養時間(時間) 品温(℃) 作業 GlcNAc(μg/g麹) 菌体量(mg/g麹)*
22.1 30.3 切返し終了 113 0.8
29.4 36 226 1.6
31.1 42.5 最高温度 344 2.5
36.1 608 4.4
42.4 42 出麹 936 6.7

* 乾燥菌体量1 mgあたりのGlcNAc量を139 μgとして換算2)

■ プロトプラスト調製条件例

菌株 培地 培養条件 プロトプラスト調製条件
Aspergillus oryzae Czapek-Dox
+0.5% Casamino acid (pH5.6)
30℃, 20 hr
Shake culture
(Rotary at 140 rpm.)
2% Yatalase sol.
0.6 M (NH4)2SO4, 50 mM Malate buffer (pH5.5)
30℃, Reciprocal shaking (at 60-70 rpm.), 2-3 hr
Aspergillus kawachii Czapek-Dox
+0.5% Casamino acid (pH5.6)
 
30℃, 20 hr
Stationary culture 
2% Yatalase sol.
0.6 M (NH4)2SO4, 50 mM Malate buffer (pH5.5)
30℃, Reciprocal shaking (at 60-70 rpm.), 2-3 hr
Aspergillus terreus Dextrin-peptone (pH5.5) 30℃, 20 hr
Shake culture
(Rotary at 140 rpm.)  
2% Yatalase sol.
0.6 M (NH4)2SO4, 50 mM Malate buffer (pH5.5)
30℃, Reciprocal shaking (at 60-70 rpm.), 2-3 hr 
Penicillium citrinum
Penicillium lanosum
Tricoderma koningii
Mucor hiemalis 2% Malt extract 30℃, 12 hr
Stationary culture
(Sporangiospores in germ)
2% Yatalase sol.
0.5 M MgSO4, 50 mM Malate buffer (pH5.5)
30℃, Reciprocal shaking (at 60-70 rpm.), 4 hr
Rhizopus nigricans 
Pleurotus ostreatus OSG or MYGmedium (pH5.5) 25-30℃, 3-4 days
Stationary culture 
2% Yatalase sol.
0.6 M MgSO4, 50 mM Malate buffer (pH5.5)
30℃, Reciprocal shaking (at 60-70 rpm.), 2-3 hr
Coprinus cinereus
Lentinus edodes
Monascus sp. Dextrin-peptone (pH5.5) 25℃, 20 hr
Shake culture
(Rotary at 140 rpm.)
2% Yatalase sol.
0.6 M (NH4)2SO4, 50 mM Malate buffer (pH5.5)
30℃, Reciprocal shaking (at 60-70 rpm.), 2-3 hr

OZK_yatalase_protoplast.gif

参考写真 Aspergillus oryzae プロトプラスト(3)

よくある質問

どの糸状菌にもオールマイティーですか?

Aspergillus oryzaeTrichoderma reeseiT.virideT.koningii は非常に良好にプロトプラストの調製ができ、使用量を減らすことができます。その他の Aspergillus 属をはじめとする子嚢菌類、接合菌類、担子菌類で、プロトプラストが得られにくい場合は、0.5% のセルラーゼ「オノズカ」R-10 との併用をお勧めします。

参考文献
  1. Reissig, J. L., Strominger, J. L. and Leloir, L. F.(1955)J. Biol. Chem. 217, 959.
  2. 藤井史子、尾関健二、神田晃敬、浜地正昭、布川弥太郎(1992)醸造協会 87, 757.
  3. 尾関健二、石丸(永益)陽子、幸田明生、峰時俊貴、大淵和彦、浜地正昭、熊谷知栄子(1998)生物工学 76, 187

Yatalase

品名 メーカー 品番 包装 希望販売価格
YatalaseTM Fungal Cell Lytic Enzymes詳細データ OZK OZ-10EX 2 G
¥38,000

商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。

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