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Q&A

記事ID : 12330

FAQ : RNAscope® RNA in situ ハイブリダイゼーションについて

1. PROBE DESIGN プローブデザイン

2. VISUALIZATION シグナルの観察

3. TISSUE PREPARATION 組織の準備

4. WORKFLOW ワークフロー

1. PROBE DESIGN プローブデザイン

【1-01】 プローブデザインに必要な配列の長さは?

配列の特異性に依存しますが、通常は 300 - 1,000 base です。 また、設計領域が長いほどより多くの ZZ ペアが結合できるため、高感度のプローブが作製可能となります。

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【1-02】 RNAscope? では mRNA の アイソフォームを検出できますか?

mRNA のアイソフォーム、スプライシングバリアント、特異的なエキソン領域の検出可否は特異的な配列がどの程度含まれるかに依存しますが、300 base 程度の特異的な配列があれば検出できる場合が多くございます。事前に検出可否を確認することもできますので、ご相談ください。

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【1-03】 miRNA は検出可能ですか?

残念ながら miRNA は検出できません。

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【1-04】 2 種類以上の動物種のターゲットを検出するプローブを作製可能ですか?

90% 以上のホモロジーがあれば作製できる可能性がありますので、お問い合わせください。

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【1-05】 多重染色のときのプローブの選択方法は?

RNAscope? で多重染色する場合、異なるチャネル(C1, C2, C3) を持つプローブが必要です。2-plex assay ではC1, C2、蛍光アッセイではC1 - C3 がご使用いただけます。詳細は技術情報「RNAscope? キットの選択ガイド - プローブチャネルと適用可能アッセイについて」をご参照ください。

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【1-06】 プローブの配列情報や ZZ ペアの位置情報は開示可能ですか?

ターゲットプローブが設計されているヌクレオチド領域と、領域内に結合する ZZ ペアの数はメーカーHP やプローブリスト内で参照できます。しかしながら、ペアが結合する配列情報は非公開です。

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【1-07】 異なるマニュアルアッセイキットで同じプローブを使用可能ですか?

はい、発色アッセイや蛍光アッセイキットでは同じ C1 プローブを使用可能ですし、C2 プローブは 2- プレックスや蛍光アッセイに使用可能です。しかしながら、マニュアルアッセイとオートメーションアッセイのプローブは組成が異なるため流用できません。また VS プローブと LS プローブも流用できません。

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【1-08】 プローブはどれくらいの期間安定なんですか?

RNAscope? のプローブは全て 4℃ 保存で 2 年間安定です。

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【1-09】 プローブのQC テストは個々のプローブで行われていますか?

Advanced Cell Diagnostics社のプローブデザインアルゴリズムは RNAscope? のハイブリダイゼーション温度に最適な融解温度で、かつ非特異的なハイブリダイゼーションが最小限になるような配列を抽出しています。詳細は下記文献をご参照下さい。

Wang et al, J Mol Diagn. 2012 Jan; 14(1): 22-9 RNAscope: a novel in situ RNA analysis platform for formalin-fixed, paraffin-embedded tissues.
PMID:2216654

非常に正確なプローブデザインアルゴリズムであるため、個別のプローブについてバリデートは行っておりません。

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【1-10】 RNAscope? アッセイでは、コントロールとしてセンスプローブやアンチセンスプローブが必要ですか?

RNAscope? では、得られたシグナルの特異性を確認・判断するために、ターゲットプローブだけでなく、併せてポジティブコントロールプローブとネガティブコントロールプローブをお使いいただく必要があります。ポジティブコントロールプローブとして、低発現の遺伝子で RT-PCR のコントロールとしても用いられている PPIB(Cyclophilin B)や、POLR2A(polymerase (RNA) II (DNA directed) polypeptide A)を、また、ネガティブコントロールとしてはヒト・マウス・ラット等に交差しない、微生物由来の DapB(dihydrodipicolinate reductase)をターゲットとしたプローブをご用意しております。DapB プローブはセンスプローブの代わりに、種を問わずお使いいただけるネガティブコントロールになります。近年、多くのアンチセンス RNA が様々な機能を持った non-coding RNA として同定されていることから、センスプローブではなく DapB プローブを、ネガティブコントロールとしてお勧めしております。

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2. VISUALIZATION シグナルの観察

【2-01】 RNAscope? でのアッセイ後に、同じサンプルスライドで IHC を行うことは可能ですか?

同じサンプルスライドで IHC を行われているお客様はいらっしゃいますが、推奨のプロトコールは確立されておりません。抗原の状態によっては、RNAscope? と IHC を併用できる可能性はありますが、RNAscope? アッセイの pretreatment 中に行われるプロテアーゼ処理で抗原タンパクがダメージを受けている場合は、IHC による検出ができない可能性が考えられます。一般的に、細胞表面上の抗原よりも細胞質内の抗原の方が検出できる可能性が高いものと考えられますが、お客様ご自身で条件を検討していただく必要があります。

<参考資料>
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【2-02】 RNAscope? では RNA のみが検出されますか?(DNA は検出されないのでしょうか?)

RNAscope? はRNA の検出に最適化されており、プローブの核への浸透を最小限に抑え、二本鎖染色体 DNA の変性を引き起こさないようアッセイ条件が設定されています。そのため RNAscope? ターゲットプローブによる染色体中のターゲットDNA の検出は起こり得ますが、極めて限られた割合で起こります。染色結果において、核中にペアのドットとしてシグナルがみられる場合は、核内の DNA が検出されたものと考えらえます。また、高度に複製された染色体 DNA とエピソームウイルスゲノムも検出される可能性があります。もし染色体 DNA の検出が疑われる場合は、DNase および RNase 処理によって、シグナルが DNA または RNA のいずれに由来するか確認することが可能です。さらに、センスプローブを作製することも可能です。
まずはシグナルが核内に見られているかを確認した上で、いずれかの手法によって、RNA 由来のシグナルかどうかを検証・確認します。

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【2-03】 RNAscope? でターゲットの発現を確認した組織サンプルについて、qPCR での確認は行っていますか?(in situ-PCR は可能ですか?)

原理的には可能であると考えられますが、実績はございません。

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【2-04】 RNAscope? では、fusion transcript を検出できますか?

RNAscope? では、fusion transcript の検出実績があります。詳細は、下記文献をご覧下さい。

Tanas MR et al., Identification of a disease-defining gene fusion in epithelioid hemangioendothelioma. Sci Transl Med. 2011
PMID: 21885404

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【2-05】 ネガティブコントロールプローブで核が染色されるのですが・・・

ネガティブコントロールプローブによる核染色は、透過処理が過剰だった場合によく見られる現象で、原因としてはPretreatment (Pretreat 2 または 3 での処理)、また、組織サンプルの固定条件が最適でない可能性が考えられます(推奨固定条件:10% NBF (Neutral Buffered Formalin)、16 - 32 時間、室温)。組織毎のPretreatment 条件の詳細はマニュアル「RNAscope? Sample Preparation and Pretreatment Guide for FFPE Tissue 外部リンク」のAppendix A をご参照ください。

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【2-06】 RNAscope? は tissue microarrays (TMAs) でも使用できますか?

はい、RNAscope? は、適切に固定・処理されたものであれば、個別の組織サンプル同様に TMAs でもお使いいただけますが、前処理条件の最適化が必要となる場合が考えられます。由来組織毎に Pretreatment 条件が若干異なりますので、詳細はマニュアル「RNAscope? Sample Preparation and Pretreatment Guide for FFPE Tissue 外部リンク」をご参照ください。

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【2-07】 RNAscope? アッセイでの結果の定量方法は?

RNAscope? では個々の RNA 分子が1 つのドットとして検出されます。下記の表を参照にドットの数に応じてスコアリングし半定量する事ができます。
また、別売の定量ソフトウェア SpotStudio もご用意がございます。

ScoreCriteria
0 ドットなし or < 1 dot/10 cells
1 1-3 dots/cell.
2 4-9 dots/cell.
ドットのクラスターが見られない、もしくは極稀に見られる
3 10-15 dots/cell.
10% 未満のドットがクラスターを形成している
4 15 dots/cell 以上.
10% 以上のドットがクラスターを形成している
ドットの数に応じたスコアリング
(画像はクリックで拡大されます)
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【2-08】 サンプル組織でポジティブ・ネガティブコントロールプローブでの検出は必要ですか?

RNAscope? でのアッセイを予定される以前に作製された組織サンプルは、推奨の固定条件とは異なる固定条件で処理された場合が多いものと思われます。また、作製から時間の経ったサンプルでは、組織中の RNA が劣化していることも知られています。 サンプル組織でのポジティブ・ネガティブコントロールプローブでの検出は必須ではありませんが、ポジティブコントロールプローブ(PPIB またはPOLR2A)サンプル中の RNA の状態を、ネガティブコントロール(DapB)の使用では、スライドの前処理が適切に行われたかどうかを評価することができます。

ポジティブコントロールのスコアが 1+、かつネガティブコントロールでのスコアが 0 であれば、サンプル調製およびアッセイは適切にワークしており、サンプル組織中のターゲットの発現は正しく評価されているとお考えください。(スコアリングについては、【2-07】の項をご確認ください)

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3. TISSUE PREPARATION 組織の準備

【3-01】 10% NBF (Neutral Buffered Formalin) の代わりに 4% PFA (paraformaldehyde) は使用できますか?

はい、Advanced Cell Diagnostics社では 10% NBF、室温、16 - 32 時間の固定条件を強く推奨しておりますが、用時調製した 4% PFA のご使用は可能です。しかしながら、固定条件は 24 時間、室温にて行ってください。24 時間以下、または低温条件の場合、固定が不十分となる可能性があります。
詳細は下記マニュアルをご参考下さい。

RNAscope? Sample Preparation and Pretreatment Guide for FFPE Tissue 外部リンク

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【3-02】 古い FFPE サンプルでも検出可能ですか?

希少な事例ですが、10 年以上前に作製された FFPE サンプルでの検出実績もございます。すべての切片で同様に検出が可能というわけではございませんが、3 年以内であれば検出できる可能性が高いです。まずはポジティブコントロールにて十分なシグナルが得られることをご確認ください。

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【3-03】 固定条件が不十分または過剰な場合、どんな影響がありますか?

固定条件が不十分な場合、プロテアーゼによる過剰分解が起こり、RNA の損失や組織形態(Morphology)に影響を及ぼす可能性があります。また、固定条件が過剰な場合は、プロテアーゼ分解が不十分となるため、プローブとターゲット RNA の接触性が低下し、特異的シグナルの減少またはS/N比が低下する可能性があります。

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【3-04】 サンプルの固定条件が適切かどうか分からない場合は?

推奨条件と異なる固定条件を使用されている場合は、推奨マニュアルをご参照の上、Pretreatment 2 および 3 の条件を調整して条件を最適化する必要があります。最適化する際は実験コントロールとして、ポジティブコントロールプローブおよびネガティブコントロールプローブにてポジティブコントロールスライドを染色してください。
詳細は下記マニュアルをご参考下さい。

RNAscope? Sample Preparation and Pretreatment Guide for FFPE Tissue 外部リンク

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【3-05】 異なる組織のFFPE サンプルで、同一条件でRNAscope? アッセイを行うことはできますか?

組織の種類によって、Pretreat 2、Pretreat 3 での最適条件が異なる場合があります。下記マニュアル中に組織ごとの推奨条件の記載がありますので、そちらをご参照の上、お持ちの組織によって条件検討・最適化を行ってください。

RNAscope? Sample Preparation and Pretreatment Guide for FFPE Tissue 外部リンク

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4. WORKFLOW ワークフロー

【4-01】 RNAscope? アッセイの操作は難しいのでしょうか?

一般的な免疫染色に近いプロトコールになっており、in situ ハイブリダイゼーションを行ったことが無い方でも簡単に染色が可能です。また、従来の in situ ハイブリダイゼーションのように数日かけて染色を行う必要はなく、約 8 時間でアッセイを終了することができます。

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【4-02】 アッセイ結果に最も影響するポイントはなんでしょうか?

反応中の温度および湿度が最も大きく影響します。HybEZ? hybridization system は RNAscope? アッセイにバリデートされた唯一のオーブンですので、使用を強く推奨いたします。また、Pretreatment 中のプロテアーゼ処理が不十分な場合も、プローブと組織中のターゲットの接触が難しくなるため、特異的シグナルの減少およびバックグラウンドの原因となります。逆に、プロテアーゼ処理が過剰な場合は、組織の形態に影響が生じ、組織中の RNA をロスする原因となります。

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【4-03】 Buffer 作製の際、RNase free water を使う必要がありますか?

いいえ、分子生物学用グレードの蒸留水(DW)をお使いいただければ問題ありません。同様に、DEPC 水(DiEthly PyroCarbonate 処理水)のご用意も必要ありません。

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【4-04】 HybEZ? hybridization system 以外のオーブンは使えますか?

RNAscope? アッセイ向けに開発された HybEZ? hybridization system(以下「HybEZ?」)のご使用を強く推奨しております。
RNAscope? では各ステップでの反応温度が重要になりますが、HybEZ? は一般的なオーブンと比べて密閉性に優れ、ステップごとのスライドの出し入れによる温度変化を最小限に抑えるよう工夫されております。また、スライドラックは密閉型のトレイに収納するようデザインされており、アッセイの開始から終了まで、湿潤・恒温状態を保つことが可能です。HybEZ? 以外のオーブンでも RNAscope? アッセイの実施は可能ですが、同社内の試験では、他社オーブンより HybEZ? での結果が良好であるため、Advanced Cell Diagnostics社では、HybEZ? 以外のオーブンでの結果については、RNAscope? の性能を保証しておりません。

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【4-05】 マニュアルアッセイが1日で終わらない場合はどこで止めれば良いの?

FFPE 切片の場合、スライドの Bake 後、室温で、乾燥状態にて1 週間保存でき、また、脱パラフィン操作後に操作を止め、翌日から再開する事ができます。

凍結切片の場合、脱水操作の後、-20℃、100% EtOH 中で1 週間保存できます。
接着細胞の場合、脱水操作の後、-20℃、100% EtOH 中で半年間保存できます。
PBMC の場合、後固定後、4℃ で1 週間保存でき、またスライド調製後 -20℃ で1 ヶ月保存できます。

詳細は各キットのマニュアルをご参照ください。

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