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Q&A

記事ID : 44133

Proteintech社 FlexAble(フレクサブル)抗体標識キット FAQ

【01】FlexAble抗体標識キットには何が入っていますか?

3つの構成品が含まれます。

  • FlexLinker(フレックスリンカー)
  • FlexQuencher(フレックスクエンチャー)
  • FlexBuffer(フレックスバッファー)

【02】FlexAble抗体標識キットに含まれる「FlexLinker(フレックスリンカー)」「FlexQuencher(フレックスクエンチャー)」「FlexBuffer(フレックスバッファー)」とはそれぞれどのようなものですか?

FlexLinkerは、蛍光色素を共有結合させた小分子のポリペプチドです。未標識一次抗体に結合し、特異的に蛍光標識します。
FlexQuencherは、Fc領域を含むフラグメント分子です。遊離のFlexLinkerを中和するために使用します。
FlexBufferは、PBSベースのバッファーです。

【03】キット到着後、FlexLinker、FlexQuencher、FlexBufferを分注する必要はありますか?

分注は任意です。本製品は凍結融解を50回繰り返しても活性が維持されていることを確認しています。

【04】試薬類の凍結融解を50回繰り返しても問題ありませんか?

本製品は凍結溶解を繰り返しても機能が維持され、堅固なシグナルが得られることが確認されています。しかし、分注して保存することによって試薬類をより長期間保存できることが期待できます。

【05】推奨されるキットの保管方法を教えてください。

本受け取り後は-20℃での保管を推奨します(キット到着後、-20℃条件下で1年間、4℃条件で6か月間の使用を保証しています)。

【06】標識に使用できる抗体の最小量を教えてください。

1回の標識反応につき、最低0.5µgの一次抗体を標識することができます。

【07】標識に使用できる抗体の最大量を教えてください。

50反応(50rxn)サイズのキットを使用する場合、1種類の抗体で最大25µg、異なる抗体で最大50種類の抗体(抗体量は各反応あたり0.5µgで計算)を標識できます。1回あたりの抗体量は簡単にスケールアップすることができます。

【08】0.5 µg以上の抗体を標識する場合の各試薬(FlexLinker、FlexBuffer、FlexQuencher)の添加量を教えてください。

以下の計算例をご参照ください。

■ 各抗体量に対する試薬添加量
添加試薬量/抗体量0.5 µg1 µg2.5 µg5 µg10 µg25 µg
FlexLinker(フレックスリンカー)1 µL2 µL5 µL10 µL20 µL50 µL
FlexQuencher(フレックスクエンチャー)2 µL4 µL10 µL 20 µL40 µL 100 µL
FlexBuffer(フレックスバッファー)≤ 8 µL≤ 16 µL≤ 40 µL≤ 80 µL≤ 160 µL≤ 400 µL

【09】1回の標識で使用できる一次抗体の最低濃度を教えてください。

プロテインテックのプロトコールでは0.5µgの一次抗体を含有する7µLの溶液を使用しています。すなわち抗体濃度は0.07mg/mL(70µg/mL)です。抗体濃度がさらに低い場合、使用する溶液が7µLを超えても問題ありません。

【10】使用できる一次抗体の上限濃度を教えてください。

添加する一次抗体の上限濃度は定めていません。抗体溶液の濃度が非常に高く、ピペットで正確に採取するのが困難な程微量になる場合は、抗体濃度が0.5〜1mg/mL程度になるよう、PBSバッファーに希釈することができます。

【11】一次抗体の濃度がわからない場合はどうすれば良いですか?

以下のリストは一般的な抗体の情報と濃度の一覧です。使用する一次抗体の濃度を推定するためにご利用ください。

  • ポリクローナル抗体(血清由来):特異的抗体は約1mg/mL、非特異的抗体を含めた抗体全量は約10mg/mL
  • モノクローナル抗体(培養組織上清由来・10%FBS含有):特異的抗体は約0.05mg/mL、抗体全量は約1mg/mL
  • モノクローナル抗体(培養組織上清由来・無血清培地):特異的抗体は約0.05mg/mL、抗体全量は約0.05mg/mL
  • モノクローナル抗体(腹水由来):特異的抗体の場合は約0.9〜9mg/mL、抗体全量の場合は約1〜10mg/mL

(参考文献:Antibodies: A Laboratory Manual、E. Harlow & D. Lane著、CSHL Press、1988)

【12】BSA(ウシ血清アルブミン)、グリセロール、Trisバッファー、保存剤が添加されている一次抗体を標識できますか?

はい、標識できます。本製品は、BSA等のキャリアタンパク質やアミン含有バッファー等の溶液で検証が実施されています。任意の濃度のBSA含有バッファーやアミン含有バッファーは、抗体標識に対する干渉を示しませんでした。50%グリセロール、アジ化ナトリウム等の保存剤が添加されている場合であっても、キットへの適合性が認められています。

【13】実験に使用する際はどの程度の分量の抗体を標識すれば良いですか?

実験内容と一次抗体の力価(タイター)に応じて、以下の分量の抗体を準備することを提案します。

  • 免疫蛍光染色(IF):0.05〜0.5 µg/1回
  • フローサイトメトリー(FC):0.2〜2.0 µg/1回
  • ウェスタンブロット(WB): 0.5〜5.0 µg/1回

以下の表に参考としての使用回数を記載します。ご自身の実験で使用される抗体量からそれぞれ再計算し、包装サイズの選択にお役立てください。

■ 各包装サイズの使用回数(参考)
包装サイズ標識可能な抗体量IF
※ 0.1 µg/回の場合
FC
※ 0.25 µg/回の場合
WB
※ 1-5 µg/回の場合
10 RXN5 µg(1反応あたり0.5 µgで計算)50 回20 回1-5 回
50 RXN25 µg(1反応あたり0.5 µgで計算)250 回100 回5-25 回
200 RXN100 µg(1反応あたり0.5 µgで計算)1000 回400 回20-100 回

【14】1つのキットで何種類の一次抗体を標識できますか?

50反応(50rxn)サイズのキットを使用する場合、最大で50種類の抗体を標識できます。10反応(10rxn)サイズのキットを使用する場合、最大で10種類の抗体を標識できます(抗体量は各反応あたり0.5µgで計算)。

【15】FlexAble抗体標識キットで得られる標識度(DOL:degree of labeling)はどの程度ですか?

一次抗体(単量体イムノグロブリン)1分子に対し、蛍光色素2分子を標識します。

【16】同一種由来の異なる抗体を2種類のFlexAbleキットで標識して多重染色に供する場合、交差反応やリークが観察されることはありますか?

本製品は高い親和性を有するFlexLinkerを使用して一次抗体を標識します。そのため、抗体からFlexLinkerが解離し、別の抗体と再結合することはほぼ認められないと考えられます。万一、リークが認められた場合、FlexQuencherの添加量が不十分であった可能性も考えられるため、FlexQuencherの添加量を増量して抗体と結合しなかったFlexLinkerを十分に無効化することを検討してください。改善しない場合は、蛍光標識抗体の連続的染色プロトコールを試してみることをおすすめします。

【17】バックグラウンドを低減するにはどうすれば良いですか?

過剰なFlexQuencherやその他の夾雑物を除去するために、染色後の洗浄操作を入念に実施するとバックグラウンドが低減する可能性があります。改善しない場合は、FlexQuencherの添加を減量、または完全に省略したコントロールの実施をご検討ください。

【18】遊離の蛍光色素を無効化(中和/遮断)するためにFlexQuencherを添加する必要はありますか?

1種類の一次抗体のみを使用して染色を実施する場合、または異なる動物種由来/アイソタイプの一次抗体を使用して染色を実施する場合はFlexQuencherを添加する必要はありません。

【19】遊離のFlexLinkerを除去する必要はありますか?

抗体と結合しなかった遊離のFlexLinkerは、FlexQuencherを添加することにより無効化(中和/遮断)されるため、標識抗体溶液中から除去する必要はありません。したがって、抗体標識後の精製や除去操作(例:限外ろ過)は不要です。

【20】マウスIgG1用のFlexAble抗体標識キットは、マウスIgG1以外のマウス一次抗体にも使用できますか?

いいえ、マウスIgG1以外のマウス一次抗体には使用できません。本製品はアイソタイプ特異的な抗体標識キットであり、マウスIgG1のみを特異的に標識します。

【21】FlexAble抗体標識キットを利用した直接免疫蛍光染色(Direct Immunofluorescence)実験ではどの程度の感度が得られますか? 未標識一次抗体と蛍光標識二次抗体を用いた間接免疫蛍光染色(Indirect Immunofluorescence)実験と同等の感度は得られますか?

通常、本製品を利用して直接免疫蛍光染色を実施した場合、特異性が高く、バックグラウンドの低い優れたシグナルを得ることができます。一方、未標識一次抗体と二次抗体を用いた間接免疫検出法に対して、得られる検出シグナルの全量は多少低下する場合があります。

■ プロテインテック社ホームページ上の「よくある質問 FAQ」はこちらから閲覧できます


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