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記事ID : 17875

FAQ : Applied StemCell(ASC)社 自家生物発光ヒト細胞株・ベクターについて

商品詳細:「自家生物発光ヒト細胞株・ベクター

自家発光に関する基礎

従来の生物発光(例:ホタルルシフェラーゼ)またはレポーター(例:GFP)と比較した自家生物発光の利点

動物モデルにおける自家生物蛍光の利用

細胞株における自家生物発光の利用

自家生物発光ベクター

自家発光に関する基礎

【01】 自家生物発光を測定するための基本的な手順を教えて下さい。

自家生物発光細胞株はシグナル生成に特別な処理を必要としないため、必要な時に特別な処理なしで繰り返しアッセイに使用可能です。比較的長時間アッセイを行う必要がある場合は、細胞を温度/湿度/CO2制御環境で維持するか、測定のインターバル時にインキュベーターに戻すことを推奨しますが、特別な処理や取り扱いは必要ありません。ほとんどの実験では、細胞を必要に応じて処理し、検出器に入れ、繰り返しアッセイを行い、その後破棄するか、さらに増殖させて処理するために戻します。

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【02】 自家生物発光を検出するための最短検出時間はどのくらいですか?

自家生物発光のアッセイに必要な最短検出時間は、処理条件、観察する細胞の数、使用する検出装置の感度、および観察する領域のサイズなどの多くの因子により変化します。観察する各時点で10分から1秒の範囲で検出時間を減少させる初期実験を実施することにより、取得時間を経験的に決定することを強くお勧めします。

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【03】 S/N比が低いので、シグナルの検出を改善するために自家生物発光を増加させる方法はありますか?

自己発光性細胞のS/N比を向上させるには数種類の方法があります。最も効果的な方法は、細胞を入れる容器の表面積または容積を減少させることです(つまり24ウェルプレートではなく96ウェルプレートで検出を行います)。不可能な場合はアッセイに用いる細胞数を増やし、透明プレートの代わりに不透明プレートを使用するか、または室温で短時間(15分未満)プレインキュベーションを行うことにより自家生物発光を増加させることができます。

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【04】 自家生物発光シグナルは、MTTアッセイやMTSアッセイとどの程度の相関性がありますか?

自家生物発光のダイナミクスとMTTアッセイまたはATP依存性細胞傷害アッセイとの間には高い相関性があります。同様に、エストロゲン化合物検出アッセイの場合、シグナルはE-SCREENアッセイの優れた代替となります。ただし、現在ご使用になられているアッセイと自家生物発光アッセイとの比較を行うことから始めることをお勧めします。

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従来の生物発光(例:ホタルルシフェラーゼ)またはレポーター(例:GFP)と比較した自家生物発光の利点

【05】 EGFPなどのレポーターと比較してシグナルはどのくらいですか?

遺伝子発現効率や宿主細胞の代謝活性レベルなどの因子は、合成ルシフェラーゼの光子の放出に有意に影響します。しかし、合成自家生物発光ルシフェラーゼと、従来の蛍光/生物発光レポーター遺伝子との重要な違いは、自家生物発光シグナルの生成が外部からの刺激によるものではないという点です。自己生成されたルシフェリンは、外部から添加された場合とは異なり過飽和にならないので、反応の全体の flux は、外部刺激に応じたレポーターの flux よりも低いと想定されます。しかし、自家生物発光は多くの場合可視化が容易であり、連続的に発光する性質から、検出時間を延長することで光子の放出が少ない状況を克服することが可能です。さらに、自家生物発光のシグナルは、細胞、動物組織、および細胞培養容器内に自家蛍光のバックグラウンドをほとんど発生させないため、EGFPなどの蛍光レポーターと比較してS/B比(signal/background ratio) が改善されています。

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【06】 この構築物が、基質の添加を必要とする他のルシフェラーゼと同等の明るさを有することを示すデータはありますか?

Applied StemCel社の自家生物発光細胞のルシフェリン化合物は内部で生成されるため、他のルシフェラーゼを外部から添加する場合とは異なり、過飽和ではありません。したがって、自家生物発光細胞は、基質の添加が必要なルシフェラーゼ発現細胞と比較して、最大発光強度が低下します。ただし、単に検出時間を延長することでこの影響を軽減することができます。検出時間を延長しても、イメージング前に細胞をルシフェリンで処理する必要がないため、時間を節約することが可能になります。

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【07】 自家生物発光とはなんですか?また、従来のホタルルシフェラーゼの生物発光シグナルとどのように違うのですか?

自家生物発光と従来の生物発光との唯一の違いは、自家生物発光は完全に細胞自身によって生物発光が産生、誘導されるので、人的な誤差または変動を排除できる点です。これは、生物発光シグナルに必要な全成分を細胞内で産生できるように自家生物発光細胞を操作することによって可能となります。
これにより、細胞は自己発光性シグナルを連続的に産生、またはその環境や遺伝子発現パターンの変化に応答してそのシグナルを調節することができます。
自己発光シグナルは単に光であるため、従来の生物発光細胞をモニターするために既に使用されているのと同じ装置を用いてアッセイすることができます。自家発光は、既存の生物発光実験を行うためのより簡便な方法です。

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動物モデルにおける自家生物蛍光の利用

【08】 自家生物発光細胞を注入した場合に、皮下腫瘍と同所性腫瘍の発生には強度差がありますか?

自家生物発光システムの強度は、宿主細胞の代謝活性レベルに基づいて変化するので、代謝活性の高いモデルでは、より強い自家生物発光を放出します。また、その他に考慮すべき重要な点は、腫瘍の大きさおよび宿主内の腫瘍の位置です。大きな腫瘍は小さな腫瘍よりもよりも強いシグナルを生成しますが、同じサイズの腫瘍の場合はより表面に近い方が、ルシフェラーゼとカメラとの間の組織により吸収される光子の量が少ないため、検出が容易になります。

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【09】 どのくらいの深さまでイメージングできますか?例えば、IV注入後に肺の細胞を可視化することは可能ですか?

小動物宿主内でのルシフェラーゼ発現細胞の可視化には、多くの要因が関与します。小動物モデルの臓器内で自家生物発光を放出する腫瘍を形成し、視覚化できることを示す報告がありますが、すべての用途に適しているとは限りません。一般に、基質を必要とするルシフェラーゼより全体の flux が低下するため、可視化が困難な腫瘍モデルにおいては、より多数の細胞またはより長いシグナル検出時間が必要になります。

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【10】 ルシフェラーゼと連続的に産生される基質は免疫原性を持ちますか?

合成ルシフェラーゼカセットは、細胞の健康や基礎代謝活性に影響を及ぼさずに、種々の in vitro 細胞系 および in vivo 小動物モデルにおいて発現することがわかっています。この系の免疫原性効果についてすべてのモデルでは評価していませんが、得られたデータから既存の蛍光/生物発光レポーター遺伝子と同様の免疫原性を有することが示唆されています。

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【11】 ホルマリン固定組織切片でも機能しますか?

いいえ。現在の遺伝子設計では、発光するためにはインタクトで代謝的に活性な細胞で発現する必要があります。そのためホルマリン固定組織切片においては機能しないと考えられます。

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【12】 マウスなどの小動物モデル内で自家生物発光細胞を可視化できますか?

はい。自家生物発光細胞は、発光シグナルが自家生物発光細胞と検出器との間の組織に浸透することができる限り、小動物モデル内で視覚化できます。小動物モデルにより性質が異なるため、ご自身のモデルシステムを用いて予備実験を行い、撮影条件や細胞数を決定されることを推奨します。

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細胞株における自家生物発光の利用

【13】 自家生物発光レポーターを内因性プロモーターの下流に配置してその活性を測定するノックイン細胞株を作製することは可能ですか?

自家生物発光レポーターは、単一のオープンリーディングフレームとして発現するように設計されています。そのため、他のレポーター遺伝子と同様に使用し、目的のプロモーターの後ろに挿入して活性をモニターすることが可能です。この用途に使用する際には、プロモーターによっては、短いコンストラクトの発現は効率的に駆動できますが、合成ルシフェラーゼカセットのような長いコンストラクトは発現が限定される場合があることにご注意下さい。したがって、効率的な機能を確保するために、より長いコンストラクトを発現できることがわかっているプロモーターの使用を推奨します。

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【14】 複数回継代した後の自家生物発光シグナルはどのくらい安定していますか?

自家生物発光シグナルが複数回の継代にわたって安定しており、ほとんどの場合、必要なデータをすべて得るために十分であることを確認しています。しかし、正常な増殖と維持によって起こる全ての細胞の変化について検証することは不可能であるため、培養の維持は 10-15 継代までにすることをお勧めします。この継代回数では、自家生物発光シグナルが安定したままであることを確認しており、細胞内の変化がアッセイ結果に影響を与える可能性を最小限に抑えることができます。

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【15】 初代培養細胞にトランスフェクションしたことがありますか?トランスフェクションにはレンチウイルスのパッケージングベクターが必要ですか?

はい。初代培養細胞を用いて、合成ルシフェラーゼ遺伝子カセットのトランスフェクトに成功しています。トランスフェクションは、エレクトロポレーションおよびレンチウイルスを用いて実施しました。トランスフェクションが困難な初代培養細胞株のトランスフェクションには、複数のコピーをゲノムに組み込むことが可能となるASC社独自のTARGATT™ 技術の使用を強くお勧めします。

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【16】 自家生物発光細胞内の合成ルシフェラーゼの半減期はどのくらいですか?

自家生物発光細胞は、シグナル生成に必要な成分の全てを自己生成するので、合成ルシフェラーゼカセットが構成的に発現すると、自家生物発光反応が連続的に起こります。言い換えれば、外部から限られた量で添加される基質を連続的に使い果たす基質依存的なルシフェラーゼシステムとは異なり、自家生物発光細胞は、ルシフェラーゼ酵素と必要となる基質の両方を自己合成し続けます。これにより、細胞の代謝および転写/翻訳が活性化されている限り、連続的な自家生物発光が維持されます。合成ルシフェラーゼカセットは遺伝的にコードされているので、この表現型は、細胞分裂の間に各娘細胞に受け継がれ、外部の相互作用を必要とせずに細胞の集団を長期間にわたって追跡することが可能になります。これらのユニークな特性から、細胞集団が正常である限り、自家生物発光シグナルの半減期は無限になります。

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【17】 G418などの抗生物質マーカーを持たない自家生物発光細胞を維持する、またはアッセイに用いることは可能ですか?

トランスフェクションされた細胞株と同様に、連続的かつ低レベルの選択圧により、合成ルシフェラーゼカセットの活発な発現が確実になります。とはいえ、多くの場合、これらの細胞は、選択圧がなくても自家生物発光の表現型を保持していることが示されています。一般的に、通常の増殖と維持を行う際には、セレクションを維持することをお勧めしますが、抗生物質マーカーの影響が懸念される場合は、アッセイの際に除去しても特に影響はありません。

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【18】 基質依存性細胞株と比較して、自家生物発光細胞株を使用する利点は何ですか?

自家生物発光細胞は、アッセイの簡素化、コストの削減、アッセイで収集するデータの量またはタイムポイントの増加を目的として、基質依存性細胞株の代わりに良く用いられます。自家生物発光シグナルの自律的な性質により、細胞を損傷せずに繰り返しまたは連続的にアッセイすることが可能で、各実験で調製が必要な細胞数を減らし、サンプル間の変動を低減します。自家生物発光シグナルは完全に自己調節されており、発光の前に化学的な刺激や光刺激を必要としないことから、自動化やハイスループットアッセイにも適しています。品質管理の観点からは、自家生物発光細胞を使用することで、基質の品質や取り込み速度または適用効率に関する影響がなくなり、意図せず基質と処理の相互作用が生じる可能性を完全に排除できます。一般的に、自家生物発光細胞株は、基質依存性細胞株と同等のアッセイをコストや労力を抑えながら行うことが可能で、連続的なモニタリングによりデータの取得を向上させます。

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【19】 自家生物発光細胞の維持には、野生型またはホタルルシフェラーゼ発現細胞株とは異なるプロトコールが必要になりますか?

不要です。自家生物発光細胞は、野生型またはホタルルシフェラーゼ発現細胞株と同様に増殖・分裂するため、既存のプロトコールを用いて維持することができます。実際、自家生物発光細胞株は、自家生物発光シグナルの生成に細胞の破壊や外部刺激を必要としないため、維持が容易です。ホタルルシフェラーゼ発現細胞とは異なり、自家生物発光細胞は繰り返しまたは連続的にアッセイに用いた後、インキュベーターに戻して継続的に増殖させることができます。各タイムポイントで別のサンプルを準備する必要がありません。同じ細胞サンプルを繰り返しアッセイに用いることができるため、各タイムポイントで反復したデータが得られ、統計の結果を向上させることが可能です。

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【20】 シグナルの取得に適した培地はありますか?

自家生物発光シグナルは、細胞が正常で代謝が活性化されている場合に最も強くなります。したがって、細胞に適した培地でアッセイを行うことを推奨します。フェノールレッドは光子を吸収する特性があるため、可能であれば培地から除いて下さい。ただし、フェノールレッドの影響は最小限なため、必要に応じて培地に加えることも可能です。

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【21】 自家生物発光シグナルの観察に必要な最少細胞数はどのくらいですか?

自家生物発光シグナルを観察するために必要な最少細胞数は、処理条件、検出装置の感度、観察する領域のサイズなどのいくつかの要因により変化します。細胞数を減らして最初の解析を行い、各実験の最少細胞数を決定することを強くお勧めします。実験的に用いる細胞集団のサイズを決定するための出発点として、96ウェルフォーマットで 5×10^4 細胞/ウェルを用いることを推奨します。

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【22】 細胞系に最適化された遺伝子カセットをトランスフェクトする際に問題が生じています。このプロセスの効率を改善するにはどうすればいいですか?

合成ルシフェラーゼカセットは、ホタルルシフェラーゼのような単一の遺伝子コンストラクトと比較してはるかに大きく、トランスフェクションが困難な場合が多くあります。カセットのサイズが大きいため、エレクトロポレーションを用いたトランスフェクションを推奨しますが、他の方法も同様に機能することが示されています。一般に、トランスフェクションプロセスは、自家生物発光の動態に害を与えるため、個々のコロニーレベルでのスクリーニングはお勧めしません。トランスフェクションおよびセレクションを行った後、単離したコロニーを、24ウェルおよび6ウェルプレートの一対のウェルに一列に継代します。85%コンフルエントに達したら、6ウェルプレートの各ウェル(それぞれが単離されたコロニーを含む)を回収し、96ウェルプレート(1ウェルあたり200mL)に再懸濁します。その後、このプレートをアッセイして、すべてのクローン系統の自家生物発光を同時に評価します。自家生物発光を最も強く示す系統が含まれる24ウェルプレート内のウェルを、さらに評価に用いるためにスケールアップできます。一過性トランスフェクションを行う場合は、トランスフェクションに使用した6ウェルプレートの各ウェルをプールし、96ウェルプレート(1ウェルあたり200 mL)に再懸濁し、直接実験に使用します。

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【23】 レンチウイルスパッケージング法を用いて自家生物発光カセットをノックインする場合、12 kb は大きすぎますか?

pLenti4 / V5 DESTレンチウイルス発現ベクター(Thermo Fisher Scientific社)を用いて、フルサイズの合成ルシフェラーゼカセットと選択マーカーのパッケージングに成功しています。小さな遺伝子配列のパッケージングに比べて、パッケージング効率が有意に低下することが認められましたが、得られたウイルス粒子は細胞へのトランスフェクションが可能でした。

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【24】 細胞の分析に特別な装置は必要ですか?

ほとんどの場合、既存の機器だけで問題ありません。自家生物発光シグナルの波長は490nmであり、他の生物発光シグナルを測定できるプレートリーダーやCCDカメラを搭載した装置であれば、通常は自家生物発光シグナルをそのまま測定できます。専用の蛍光検出装置の場合は、励起シグナルなし、オープンエミッションフィルターで操作すると、自家生物発光シグナルに互換性のある結果が得られます。

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自家生物発光ベクター

【25】 品番:ASV-1001 および 品番:ASV-1002は、自家生物発光ベクターですか?また、レンチウイルス発現系に使用できますか?

pCMVlux ベクターは、ready-to-use のレンチウイルスベクターではありません。自家生物発光遺伝子カセットの発現用にあらかじめ構築された哺乳動物発現ベクターであり、ウイルスを使用しない従来のトランスフェクション法を用いて細胞に導入できます。レンチウイルス発現などのウイルスを用いたトランスフェクションを行いたい場合は、既存の分子生物学的な方法により、自家生物発光カセットDNA配列をベクターから除去し、選択したパッケージングベクターにクローニングすることができます。

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【26】 自家生物発光ベクター pEF1αlux(品番:ASV-1002)は、マウスまたはマウス細胞株での使用に適していますか?

pEF1alux 発現ベクターは、合成ルシフェラーゼの発現を駆動するために human elongation factor 1 α プロモーターを使用しています。このプロモーターが宿主細胞内で機能する限り、コンストラクトが発現します。EF1α プロモーターは、マウス胚性幹細胞で機能することが示されていますが、全てのマウス細胞では検証を行っていません。購入する前に、目的の細胞株でヒトEF1α プロモーターの機能を検証済みかどうか、文献を検索することをお勧めします。

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