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Q&A

記事ID : 13518

FAQ : セルバイオラボ(Cell Biolabs)社 8-OHdG ELISA キット

 セルバイオラボ(CBL)社 FAQ一覧をひらく

1. サンプル調製について

2. アッセイプロトコルについて

3. データ解析について

4. トラブルシューティング

1. サンプル調製について

【1-01】 尿、血漿または血清から DNA 抽出をする必要がありますか?

尿、血漿、血清、脳脊髄液または唾液の体液サンプルから DNA は抽出する必要はありません。サンプルに不溶性の粒子が含まれている場合、短くスピンダウンすることが必要かもしれませんが、そうでなければ前処理なしで直接使用することができます。細胞及び組織サンプルは、まず DNA を抽出しなければなりません。

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【1-02】 それぞれのアッセイに必要な DNA の量は?

それぞれのアッセイに、2μg の完全に消化された DNA が必要です。その理由は下記の通りです。

  • 文献によれば、100,000 のデオキシグアノシン(dG)中に約1つの 8-OHdG サイトが存在します。
  • 8-OhdG、dA、dT、dC 及び dG の分子量は約 300 です。
  • Cell Biolabs(セルバイオラボ/CBL)社のキットの感度は100 pg/mL です。

計算:
100 pg/mL ×100,000×4 (dA,dT,dC,dG サイトがそれぞれ均一に存在する)= 4×10^7 pg/mL= 40μg/mL
それぞれのアッセイで、50μL の消化された DNA サンプルを用いるので、50μL×40 μg/mL= 2 μg

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【1-03】 2μg 以下の DNA サンプルを用いることはできますか?

ゲノム DNA 中に存在する 8-OHdG の頻度によれば、少なくとも 2μg の消化された DNA が各アッセイに必要になります。2μg 以下の場合、8-OHdG のレベルが高ければ用いることができますが、一般的に少なくとも 2μg の DNA を用いるべきです。

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【1-04】 DNA サンプルはどのように調製しますか?

DNA サンプルは、まず初めにダブルストランド DNA からシングルストランド DNA に熱変性で転換させ、nuclease P1 を用いて単一のヌクレオチドに消化します。最後に、単一のヌクレオチドは、アルカリフォスファターゼによってヌクレオシドに転換されます。

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【1-05】 Nuclease P1 とアルカリフォスファターゼの濃度の推奨は?

DNA 1-5 mg/mL を 5-20 units の nuclease P1、5-10 units のアルカリフォスファターゼで懸濁していただくことをお奨め致します。DNA の最小量は、2μg/well ですが、それ以上に加えることができます。

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【1-06】 お奨めのNuclease P1 やアルカリフォスファターゼは?

セルバイオラボ社では、Nuclease P1 は Sigma 社の #N8630 を、アルカリフォスファターゼは Sigma 社の #P5931 を推奨しています。

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【1-07】 すべてのサンプルは、ヌクレアーゼ及びアルカリフォスファターゼでの処理が必要ですか?

血漿、血清、尿サンプルは、酵素処理なしで直接アッセイにすることができます。ヌクレアーゼとアルカリフォスファターゼ処理は、DNA 抽出されたサンプルにのみ必要です。

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【1-08】 Nuclease P1 に変わる酵素はありますか?

セルバイオラボ社では DNA を消化するために Nuclease P1 以外の酵素ではテストしていません。DNA が完全に単一のヌクレオチドに消化されることが保証できるのであれば、異なる酵素を用いることもできます。最適化も必要と考えられます。S1 などヌクレアーゼは、DNA を部分的に消化します。もしジヌクレオチドがサンプルに存在していたら、結果に影響を与えますので、これは致命的です。

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【1-09】 DNA 消化にエビのアルカリフォスファターゼは使用できますか?

はい。エビのアルカリフォスファターゼは使用できます。

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【1-10】 Nuclease P1 処理に続き、エタノール沈殿ステップは必要ですか?

エタノール沈殿ステップは、この時点では必要ありません。なぜなら、アルカリフォスファターゼステップが 100mM Tris 中で行われ、pH を中性に戻すのに十分だからです。

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【1-11】 どのようにサンプルの消化が完了し純粋なヌクレオシドサンプルであることを確認するのですか?

酵素の推奨量は DNA を単一なヌクレオシドに消化するために十分であることです。消化の完了は PAGE ゲルによって確認することができますが、必須ではありません。

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【1-12】 このキットはバクテリア細胞に適合しますか?

このキットは単離された DNA サンプルを用いるので、バクテリアから抽出された DNA にもご使用いただけます。

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【1-13】 このキットと使用する DNA 抽出キットでお奨めはありますか?

DNA 抽出キットは販売しておりませんが、どのキットでも問題ないでしょう。

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【1-14】 推奨の DNA 濃度 1-5 mg/mL より低い濃度の DNA を用いることはできますか?

はい。50μL の消化された DNA サンプルで少なくとも 2μg の DNA が含まれる限り、アッセイに用いることができます。

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【1-15】 どのくらいの DNA の量を用いればよいですか?

このアッセイでは、各ウェルに 50μL 必要です。DNA 濃度は分析に必要な量の中で、1-5 mg/mL を維持されることが望ましいです。例えば、デュプリケートでアッセイを行う場合、それぞれに 50μL 必要ですので、調製する量はそれよりも 10% プラスして110μL にします。

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【1-16】 RNA はサンプルから除く必要がありますか?

残存した RNA を除くステップを加える必要はありません。大部分の DNA 抽出キットには RNase ステップがあり、コンタミした RNA が除かれ、精製された DNA は RNA フリーです。キットに含まれる anti-8-OHdG 抗体は、8-OHdG と 8-OHG の両方を認識しますが、この抗体は、8-OHG よりも 8-OHdG の方が、5倍アフィニティーが高いので、残存した RNA がシグナルに影響を与えることはないと考えられます。

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【1-17】 アッセイに使用する前に DNA をフリーザーで保存することは可能ですか?

他の酸化ストレスマーカーとは違って、8-OHdG はとても安定な酸化の副産物で抽出された DNA または消化された DNA サンプルは -20℃ か -80℃ で最大1年保存できます。

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【1-18】 尿サンプルはどのように保存すれば良いですか?

8-OHdG は、DNA 損傷の非常に安定な副産物です。尿サンプルに関しては、-80℃ で1年間保存できます。8-OHdG は、尿中に豊富に存在し、サンプルは、アッセイに使用する前に何倍かに希釈する必要があるでしょう。

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【1-19】 種特異性はありますか?

8-OHdG は種に関係なく共通で、このキットはどんな種由来の DNA にも使用することができます。

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【1-20】 EDTA 血漿は使用できますか?

8-OHdG ELISA キットは血漿サンプルに使用でき、EDTA はアッセイを干渉しません。

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【1-21】 血清サンプルはアッセイの前にフィルターを通す必要がありますか?

尿、血漿、血清サンプルは、不溶性粒子が含まれない限り、ELISA を行う前にフィルターを通す必要はありません。そのまま、またはアッセイ希釈液で希釈してアッセイに用います。8-OHdG は、尿、血漿、血清サンプルに豊富に含まれており、2-5倍かそれ以上の希釈が必要になるでしょう。

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【1-22】 プロトコルでは、8-OHdG を多く含むサンプルは希釈することが提案されています。これは全てのサンプルに対してですか? それとも高いレベルを持つと予測されたものに対してですか?

8-OHdG スタンダードカーブは広いレンジですので、最初の実験では5倍のサンプル希釈から始めることをお奨めします。予備の結果を得たら、更なる実験のために最適な希釈率を決定してください。10-20倍の希釈が必要な場合もあるかもしれません。

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【1-23】 8-OHdG の通常血清レベルはどれくらいですか?

8-OHdG の血清レベルは、もちろんそれぞれのサンプルに依存しますが、典型的にこのキットのスタンダードカーブ以内 (0.078-20 ng/mL) に落ち着くでしょう。サンプルには高い 8-OHdG レベルが含まれている場合は、希釈が必要です。予備の実験では、最適な希釈率を決定するために 1:5 希釈で行うことをお奨めしています。

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2. アッセイプロトコルについて

【2-01】 プレートを分割し、残ったウェルを後で使用することはできますか?

このキットに含まれる 96 ウェルプレートはストリップウェルプレートで 12×8 well ストリップで構成されています。最初の実験で使用しない残りのストリップは、4℃ で次回の使用のために保存できます。ウェルへのコートは都度行い、また抗体の希釈も実験ごと行ってください。新しく調製されたスタンダードは、実験ごとにアッセイしてください。

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【2-02】 反応を止める際の十分な色の変化をどのように見ればよいでしょうか。

一般的な ELISA ではデベロップメント時間が変化しますので、インキュベーションの幅は大きく設定されています。TMB 基質を入れたら、青色が徐々に見られるようになります(停止液を加えた後、黄色になります)。もし基質溶液を加えて長くインキュベーションしすぎると、飽和するでしょう。停止液をいつ加えるかを決定するために、スタンダードカーブの一番低い濃度のスタンダードが鮮やかに青色になり、一番高い濃度のスタンダードがわずかに色づくのに着目してください。良い色の勾配が見られたら、停止液を加え、直ちにプレートを測定してください。サンプルの色付きに関係なく停止液を全てのウェルに、同じタイミングでマルチチャネルピペッターを用いて加えることが重要です。

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3. データ解析について

【3-01】 このアッセイはなぜ逆のカーブを生成するのですか?

8-OHdGELISA は、競合 ELISA で、サンプル及びスタンダード中に存在する 8-OHdG は、プレート上に固定化された 8-OHdG コンジュゲートと抗体に結合するために競合します。サンプル及びスタンダードの 8-OHdG レベルがより高ければ、プレートへの抗体の結合が少なくなり、それゆえに低いOD値となります。

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【3-02】 どのようにスタンダードカーブを作成し、結果を計算するのですか?

スタンダードカーブから濃度を決定するための最良の方法は、4-PL カーブフィッティングプログラムを使用することですが、ソフトウェアを持っていない場合は、Excel を使用することができます。スタンダードカーブをプロットする場合、X軸を対数スケールにし、直線または対数近似曲線を作成します。ELISA のスタンダードカーブは通常、直線にはなりませんが、サンプルが残ったポイントの間に収まる限り、高濃度と低濃度の値をカーブから除くことで直線のカーブを作成することができます。スタンダードの中間の部分は最も感度が良く、サンプルを定量するのに使用する一番良い部分です。

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4. トラブルシューティング

【4-01】 スタンダードカーブのOD値が低いのですが…。

アッセイの全体的にOD値が低いのはプレート上の 8-OHdG コンジュゲートのコーティングに問題があると考えられます。もしコーティングが正しく行われれば、0 ng/mL  スタンダードは高いOD値となるはずです。下記にいくつかの提案を示します。

  • 8OHdG コンジュゲートはコートされてから安定ではありませんので、新鮮なコートされたプレートを用いることをおすすめします。
  • 8-OHdG コンジュゲートは分注し、-80℃ で保存し凍結融解を避けてください。
  • 基質溶液は 2-30 分間完全に反応させてください。スタンダードカーブの勾配が反応を停止させる指標になります。
  • 同じスタンダード濃度で、これらの推奨に従い再度実験を行いコンジュゲートが正しくコートされることを確かにしてください。
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【4-02】 手順の中で最も重要なステップは何ですか?

コンジュゲートのコーティングは、最も重要なステップです。8-OHdG コンジュゲートはコートされてからは安定でなく、新鮮なコートされたプレートの使用をお奨めします。また、8-OHdG コンジュゲートをコート後、24時間以内にご使用ください。

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