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記事ID : 13095

Q&A : Enzo Life Sciences(ENZ)社 アポトーシス&オートファジー関連商品のトラブルシューティング

1. アポトーシス/ネクローシス検出キットのトラブルシューティング

1-1 アポトーシスがほとんど(又は全く)確認・検出されない

 商品詳細 「GFP-Certified™ アポトーシス/ネクローシス検出システム」
  品番: ENZ-51002-25/ENZ-51002-100

 

2. Cyto-ID® オートファジー検出キットのトラブルシューティング

2-1 作用機序
2-2 利点
2-3 プロトコール及び細胞タイプに関する疑問

 商品詳細 「Cyto-ID® オートファジー検出キット」
  品番: ENZ-51031-K200

 

1. アポトーシス/ネクローシス検出キットのトラブルシューティング

1-1 アポトーシスがほとんど(又は全く)確認・検出されない

 

サンプル中のアポトーシス細胞がほとんどない

キットに添付されているアポトーシス誘導試薬をポジティブコントロールとして使用し、アポトーシスを誘導して、濃度と処理時間を最適化してください。

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サンプル処理中に使用したバッファーが不適当

アポトーシス検出試薬がホスファチジルセリン(PS)に結合するには、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンが必要です。結合は可逆的なため、アッセイ全体を通して二価の陽イオンが存在している必要があります。キットに添付されている結合バッファーを使用してください。

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2. Cyto-ID® オートファジー検出キットのトラブルシューティング

2-1 作用機序

 

Q.Cyto-ID® オートファジー検出色素の詳細な性質は?アッセイはどのように機能しているのですか?

A.色素の正確な化学構造は、Enzo 社の専売特許です。プローブは、陽イオン両親媒性のトレーサー色素で、多くの陽イオン薬剤と同様な方法で細胞内に迅速に分配されます。色素は、タンパク質との結合や輸送活性を必要とせず、受動的な拡散によって細胞膜の二分子層を通り抜けます。色素の機能部位を精選することで、リソソームへの蓄積を防ぎながら、オートファジー経路パスウェイに関連する液胞の標識を可能にしました。加えて、オートファジー液胞関連の層状膜構造が区分けされることにより、色素の蛍光放出強度が増強されます。Enzo 社内外において、この色素のオートファジー液胞の選択性が実証されています。
オートファゴソームの蓄積を誘導する処理(クロロキン、バフィロマイシン処理)により、蛍光シグナルは顕著に増加(250〜300%)します。ラパマイシンによるオートファジー応答は 3-MA 処理により遮断されます。Earl's balanced salt solution(EBSS)でのアミノ酸の欠乏は、わずか1時間でオートファジー液胞内の色素の蓄積につながり、この蓄積は再供給によって解消されます。Enzo 社では、パスウェイを構成する別の因子に働きかける薬理学的なモジュレーターを多数用いることで、オートファジー液胞の検出に成功してきました(オートファゴソームのファゴフォア)。これらの試薬の多くは、Screen-Well® Autophagy library(品番:BML-2837-0100、BML-2837-0500)に含まれます。

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2-2 利点

 

Q.モノダンシルカダベリン(MDC)と比較して、Cyto-ID® オートファジー検出色素の利点は?

A.MDC は、365 nm のUV 照明が必要で、そのためにフローサイトメトリーで一般的に使用される 488 nm の励起光と互換性がありません。Cyto-ID® オートファジー検出キットでは、488 nm の励起光で緑色の蛍光を発するプローブを使用し、オートファジーパスウェイの各種液胞構成要素を強調させます。MDC、LysoTracker™ Red、アクリジンオレンジのように、主にリソソームを検出するリソソーム向性の色素とは異なり、Cyto-ID® オートファジー検出色素は、オートリソソーム及び初期のオートファゴソーム区画の選択的マーカーであり、リソソームはごく弱くしか染色しません。

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Q.GFP-LC3トランスフェクト細胞と比較して、Cyto-ID® オートファジー検出キットの利点は?

A.Cyto-ID® オートファジー検出キットの最も重要な利点は、非トランスフェクションアッセイであることです。トランスフェクションの効果は一時的なもので、別の実験のために試薬を再購入するのにコストがかかります。トランスフェクションの手法では、過剰発現細胞での GFP-LC3 の自発的な凝集形成により、誤った結果につながることがあります。トランスフェクション効率は通常 100% 未満であるため、一部に必要な GFP 構築物を発現しない細胞が存在することになります。Cyto-ID® オートファジー検出色素は、細胞群全体を通して一貫したオートファジーの測定を可能にします。色素ベースのアッセイは、時間を短縮するとともに、細胞株や型をフレキシブルに変更することができ、個々の細胞株について遺伝操作をする必要がありません。

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2-3 プロトコール及び細胞タイプに関する疑問

 

Q.エンドソームとアンフィソームを区別するのに、別の色素と組み合わせて使用することは可能ですか?

A.Cyto-ID® Red long-term tracer dye は、細胞膜に取り込まれた後、エンドサイトーシスにより内部に移行します。Cyto-ID® Red dye と Cyto-ID® オートファジー検出色素は、それぞれ異食作用(heterophagy)と自食作用(autophagy)を強調することができます。その他に、Cyto-ID® オートファジー検出色素との組み合わせ使用が報告されているのは、顕微鏡観察実験における Lyso-ID Red dye、LysoTracker™ Red dye です(出版原稿提出中)。

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Q .安定細胞株での、LC3との共局在は実証されていますか?もしされているなら、そのプロトコールはありますか?

A.Cyto-ID® オートファジー検出色素で標識された液胞群が、オートファゴソームの特異的マーカーである LC3 と共局在していることは、RFP-LC トランスフェクト HeLa 細胞で実証されています。RFP-LC3 発現細胞を、100 nM ラパマイシン(又は溶媒)で処理し、Cyto-ID® オートファジー検出色素で染色しました。ラパマイシンは、RFP-LC3 と共局在している区画構造内での Cyto-ID® オートファジー検出色素の蛍光強度の増強を誘導しました。

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Q.色素の安定性は?

A.蛍光色素は光退色しますが、この色素はフルオレセインのような色素よりも強い色素です。標準的な取り扱いは、マニュアルに記載の詳細に従ってください。

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Q.生細胞中では、蛍光シグナルはどのぐらいの時間検出されますか?

A.一般的に、細胞はオートファジーを受けるように誘導された後、分析前に染色されます。オートファジーの誘導は、誘導物質によって、1時間程度から数日間実行されます。Enzo 社では生細胞における長期染色実験を行っていませんが、社外情報として、少なくとも 24 時間は染色が維持されることがわかっています。

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Q.Cyto-ID® オートファジー検出色素で実績のある細胞株、初代細胞、組織は?

A.キットでテストされた代表的な細胞・細胞株には以下のものがあります。
肝細胞、SK-N-SH 神経芽腫細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、骨肉腫由来細胞、メラノーマ細胞、乳癌細胞、子宮頸部腺癌細胞、卵巣癌細胞、Bリンパ芽球様細胞、結腸腺癌細胞、HepG2 細胞、Jurkat T 細胞、ウシ大動脈内皮細胞(BAEC)

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Q.キットで染色後、細胞の固定は可能ですか?

A.はい、可能です。固定細胞のためのプロトコールは、製品マニュアルに記載しています。しかし、界面活性剤による細胞膜透過処理は、蛍光色素の局在化を損失させるため推奨していません。

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Q.3D培養システムを用いた蛍光顕微鏡観察によるオートファジーの検出は可能ですか?

A.ENZ 社では 3D 培養システムでの試験を実施していませんが、小さい細胞塊であればおそらく色素は検出できると思われます。生組織では、標本の深層へ色素が侵入できないため、正常な検出ができないと予想されます。白血球細胞での検出は可能です。

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Q .Cyto-ID® オートファジー検出色素及び Hoechst 33342 核染色試薬とともに、アッセイバッファー中で 37℃ で 30 分間インキュベートした後、細胞の健康状態が悪化し、丸くなっていることに気がつきました。いくつかの細胞はプレートからはがれています。ポジティブコントロール及び DMSO コントロールで特異的な染色が見られませんでした。

A.脆弱な細胞の場合は、標準的なプロトコールに以下の修正を加えることを提案しています。

  • PBS/5%FBS又は完全培地(好ましくはフェノールレッドを含まない)をアッセイバッファーとして使用する。
  • 細胞の健康状態がよくなければ、染色時間を短くする(15-20分間)。
  • 色素濃度を 1000 倍希釈する。この場合は顕微鏡で検出するのに、暴露時間を長くする必要があります。
  • シグナルは、光退色により不明瞭になることがあります。光退色を防ぐ封入剤を用いることをお奨めします。
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Q .Cyto-ID® オートファジー検出色素とインキュベートした後、サンプルはすぐにサイトメトリーで解析する必要がありますか?(ユーザーマニュアルでは、インキュベートから 30 分以内を推奨)サンプルを分析するまでの時間を延長させるために、一時的に氷上で保管することは可能ですか?

A.至適な染色期間を延ばすために、短時間であればサンプルを氷上で保管することはできます。一般的な経験則としては、生細胞を色素に曝す時間を最小限にすることが重要です。保存状態は、オートファジーを誘導する低酸素状態や低温状態などのストレスを誘導する可能性があります。

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Q .GFP-Certified™ アポトーシス/ネクローシス検出キット(品番:ENZ-51002)とCyto-ID® オートファジー検出キット(品番:ENZ-51031)を組み合わせて使用し、三重染色(アポトーシス細胞、ネクローシス細胞、オートファジー細胞を検出)することは可能ですか?

A.並行して使用することは可能です。例えば、スタウロスポリンで処理した後、サンプルのうちの1セットをアポトーシス/ネクローシス検出キットで分析し、別のセットをCyto-ID® オートファジー検出キットで分析します。オートファジー検出色素とアポトーシス検出色素のスペクトルがオーバーラップしているため、これらのキットを組み合わせて使用することはできません。

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Q.蛍光顕微鏡観察で、ネガティブコントロールに非常に高いバックグランドが確認されました。

A.ネガティブコントロールで高いバックグランドが見られた場合、細胞がストレスによりオートファジーを引き起こしていた徴候と考えられます。この生細胞アッセイは、細胞の健康状態に依存しています。何らかの細胞ストレスの可能性がある場合は、以下のことを考慮する必要があります。

  • コントロールの細胞は、倍地中に全ての必要な栄養素を含んでいることが重要です。栄養素の欠如は、オートファジー過程が活性化される細胞飢餓状態につながります。4〜8時間おきに培地を置換することを推奨しています。
  • 細胞が成長しすぎて込み合っていても、ストレスにつながることがあります。
  • マイコプラズマ、ウイルス、バクテリアなどの病原体に感染した真核細胞はオートファジーを誘導します。必要に応じて凍結細胞ストックから新しい細胞を使って、実験をやり直してください。

細胞ストレスを引き起こす別の可能性として、Cyto-ID® オートファジー検出色素とのインキュベート時間が長すぎる、あるいは、室温もしくは 5% CO2 のない環境での長時間のインキュベートが考えられます。また、サンプル中の細胞濃度も重要です。染色中の最大密度は、100 µL 検出試薬中に 1×10^5 cell までです。検出試薬中に血清を添加し、サンプルを良く洗うことをお奨めします。

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Q .APC 及び/又は PE-Cy7 ラベルプローブを Cyto-ID® オートファジー検出キットに追加して使用することはできますか?

A.Enzo 社では、この組み合わせに適したプロトコールを持っていませんが、スペクトル的には互換性があります。APC、PE-Cy7 ラベルプローブは、細胞表面マーカーをターゲットとする必要があります。Cyto-ID® オートファジー検出色素が染色するのは生細胞だけですが、染色後細胞を固定し、細胞表面マーカーを抗体もしくはアネキシンV標識で検出させることはできます。細胞の透過処理はシグナルロスにつながります。スペクトルのオーバーラップにより、Cyto-ID® オートファジー検出色素と互換性がない蛍光ラベルプローブは、フルオレセイン、Atto-488、Alexa Fluor® 488、Cy3 です。