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Q&A

記事ID : 17879

FAQ : Immudex(IMX) 社 Dextramer® について

Dextramer® 試薬全般について

コントロールについて

MHC Dextramer®試薬について

Klickmer®試薬について

dCODE Dextramer®試薬について

Dextramer® 試薬全般について

【01】 Dextramer® 試薬とは何ですか?

Dextramer®試薬は、抗原特異的なCD4+およびCD8+T細胞と結合可能な (複数の結合部位を持ちます) 、多数の蛍光体を搭載したMHCマルチマーです。
各分子は、抗原特異的T細胞のマルチバインドを促進し、それらが稀であったり、低親和性レセプターを有する場合でも 集団を分離します。

【02】 なぜ、抗原特異的T細胞に注目することが重要なのですか?

T細胞は、外部病原体、アレルゲン、自己抗原に対する免疫応答において、エフェクター/制御といった重要な役割を担っています。
従って、免疫細胞の抗原特異性は、様々な疾患の免疫学や関連する治療法についてより深く理解するのに役立ちます。抗原特異性は、クロム放出、サイトカイン産生アッセイ(ELISpotまたはELISA)、または細胞内サイトカイン染色のような機能アッセイにより間接的に測定することができます。
TCRに対するMHC-ペプチド親和性に基づくDextramer®染色は、抗原特異性を直接測定できるため、フローサイトメトリー、in situ、NGS、シングルセルマルチオミクスによる抗原特異的T細胞の検出を可能にします。

【03】 抗原特異的T細胞を検出する際に、なぜ高活性試薬であることが重要なのですか?

単離した、可溶性の単量体MHC-ペプチド複合体は、その特異的TCRに対する親和性が弱く、またMHC-ペプチドと関連するTCRとの相互作用は半減期が約10秒であるため、検出感度を高めるためにマルチマー化が行われています。
検出感度は、マルチマーへ複合体化されたMHC単量体の量が多いほど高くなります。
Dextramer®テクノロジーは、抗原特異的T細胞を効率的かつ高感度に検出するために、最適化された数のMHC-ペプチドを保持しています。
Dextramer®試薬の感度について詳しくはこちらの文献をご覧ください。

【04】 Dextramer®染色、dCODE Dextramer®染色とは何ですか?

Dextramer®染色とは、蛍光色素で標識したDextramer®試薬を用いてT細胞をフローサイトメトリーやin-situ染色で解析し、その抗原特異性を検出するアッセイです。染色プロトコルはこちらでご確認ください。

【05】 Dextramer® 試薬とは何ですか?

Dextramer®試薬は、抗原特異的なCD4+およびCD8+T細胞と結合可能な (複数の結合部位を持ちます) 、多数の蛍光体を搭載したMHCマルチマーです。
各分子は、抗原特異的T細胞のマルチバインドを促進し、それらが稀であったり、低親和性レセプターを有する場合でも 集団を分離します。

Dextramer®試薬を使用すると、以下のことが可能になります:

  • 血液サンプル、組織由来細胞サンプル、in vitro細胞培養物など、同一サンプル内の複数のT細胞特異性をフローサイトメトリーや次世代シーケンサーで効率的に検出することができます。
  • 他の細胞表面マーカーや細胞内サイトカイン・ケモカインとの複合染色により、抗原特異的T細胞のより包括的な特徴づけが可能です。
  • dCODE Dextramer® 試薬は、10x Chromium や BD Rhapsody™ システムなどの単一細胞解析プラットフォームと組み合わせることにより、単一細胞の分解能でT細胞抗原特異性を特性評価し、遺伝子発現、VDJ配列、表面マーカー発現に関する情報を同時に得ることが可能です。

【06】 Dextramer®試薬やdCODE Dextramer®試薬は冷凍庫で保存できますか?

Dextramer®製品の凍結融解サイクルは、染色効果を低下させるか、完全に消失させるため、推奨できません。

【07】 Dextramer®試薬で染色する前に細胞を固定することはできますか?

抗原特異的T細胞のMHC Dextramer®試薬による染色を最適に行うためには、生細胞で染色を行う必要があります。
後で細胞を解析したい場合や、細胞内マーカーを染色する場合は、Dextramer®試薬の染色を固定前に行う必要があります。 その場合、細胞内染色に進む前に、追加の洗浄ステップを行うことを推奨致します。

【08】 最適なペプチドはどのように特定すればよいのですか?

MHCクラスI分子は通常9merのペプチドと結合します。 特にMHC Iの場合、目的のMHC分子に結合させたい最適なペプチドを特定することが重要です。 オンラインには、いくつかのペプチド予測ツールがあります。

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コントロールについて

【01】 なぜネガティブコントロールが必要なのですか?

1つ以上のネガティブコントロールの使用は、明確な結果を得る可能性を高め、ネガティブな集団とポジティブな集団の間の適切なカットオフを設定するのに役立ちます。また、実際の事象とアーティファクトを識別するのに役立ち、真の陽性細胞を定義するのに役立つバックグラウンドの閾値の選択を可能にします。
以下のいずれかを選択できます。

  • アレルマッチコントロール:試薬と同じアレルであるが、異なる無関係なペプチドを使用する。
  • アレルミスマッチコントロール:解析するドナーが発現しているものとは異なるアレル、異なるペプチドを使用する。

あるいは、実験系に関係のない、抗原特異的T細胞が期待できないペプチドエピトープを持つDextramer®試薬を設計することも可能です。
ペプチドとMHCの結合親和性は、Dextramer®試薬を安定的に製造するために十分に高い必要があるため、製造前に予測ソフトウェアでペプチドとMHCの組み合わせをスクリーニングしています。(※MHC Class II Dextramer®試薬については、CLIP試薬以外にあらかじめ設計されたネガティブコントロールがないため、このような方法を推奨しています)。

その他のコントロールとしては、当該抗原に対するネガティブドナーサンプルや、アレルミスマッチドナーなどが考えられます。
ポジティブコントロールとネガティブコントロールの重要性についてはこちらもご覧ください。

【02】 ポジティブコントロールはどのような場合に必要ですか?

ポジティブコントロールは、実験のセットアップが正しく機能することを確認し、染色や一般的なワークフローを最適化するために役立ちます。
2つのグループに分けることができます。

  • 細胞コントロール:例えば、お客様のMHC Dextramer®試薬で検出される抗原特異的T細胞の頻度が既知のサンプルを使用します。
  • アッセイコントロール:対象ドナーのごく一般的なエピトープを認識するDextramer®試薬を用いる必要があります。
      -CMV Dextramer® reagent: HLA- A*0201/NLVPMVATV
      -EBV Dextramer® reagent: HLA-A*0201/GLCTLVAML
      -Flu Dextramer® reagent: HLA- A*0201/GILGFVFTL
    弊社 (IMX社) では、上記3つのMHC Dextramer®試薬でHPBMCを染色すると、A*0201に限定したドナーサンプルの95%をカバーできることを示す研究を実施しました。
    (つまり、ドナーサンプルの15/16が、これら3つのうち1つ以上に陽性でした。)
    ポジティブコントロールとネガティブコントロールの重要性についてはこちらもご覧ください。

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MHC Dextramer®試薬について

【01】 複数のMHC Dextramer®試薬で同一サンプルをフローサイトメトリー用に染色することは可能ですか?

はい、可能です。
同じ特異性で異なる蛍光色素を持つMHC Dextramer®試薬の染色は、こちらのプロトコルをご参照ください。
異なる特異性のMHC Dextramer®試薬を染色する場合は、こちらのプロトコルをご参照ください。

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Klickmer®試薬について

【01】 なぜリガンドはモノビオチン化されていなければならないのですか?

複数のビオチン分子が存在すると、複数のKlickmer®分子が凝集し、沈殿が生じたり、染色にアーティファクトが発生する可能性があります。

【02】 フローサイトメトリーで使用する場合、希釈が必要ですか?

はい、Klickmer® 分子のストック濃度は160 nMです。リガンドをロードしたら、フローサイトメトリー染色用に32 nMまで試薬を希釈することをお勧めします。
希釈前の試薬10 µlで、50-100 µlのリンパ球 (最大1 x 106個のリンパ球、または最大200-500,000個のB細胞クローン) を染色することができます。

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dCODE Dextramer®試薬について

【01】 パネルの大きさに限界はありますか?

理論的には限界はなく、dCODE Dextramer®試薬を用いた過去のプロジェクトでは、150から最大1200の特異性のマルチプレックス化に成功しています(Viborg et al.2019、Pedersen et al.2019、Bentzen et al.2016 参照)。なお、それらはバルク分析にdCODE Dextramer® (HiT) 試薬を使用しています。実際には、これを最適化する必要があり、細胞サンプルを希釈し過ぎないように注意する必要があります。各特異性に対して2 µlで染色することをお勧めします。また、大きなパネルの場合はインキュベーション時間を長くすることをお勧めします。

【02】 MHC Class I と II の Dextramer® 試薬を同じパネルに含めることはできますか?

はい。試薬のインキュベーション時間は、MHC II Dextramer®試薬の染色推奨時間 (20分) に従ってください。
また、CD4/CD8の2wayソーティングを行い、目的の細胞を分離する必要があります。

【03】 dCODE Klickmer®試薬とdCODE Dextramer®試薬は同じパネルで使用できますか?

はい、その場合、dCODE Dextramer® 混合試薬のインキュベーション時間は、MHC I Dextramer® 試薬の染色推奨時間である10分に従ってください。

【04】 dCODE Dextramer® (HiT) 試薬とは何ですか、またどのような場合に使用するのですか?

dCODE Dextramer® (HiT) 試薬は、エピトープ探索およびネオアンチゲンスクリーニング用に設計されたDNAタグ付きDextramer®試薬です。DNAバーコードは、次世代シーケンス(IlluminaやIon Torrentを含む複数のテクノロジーに対応)により、同一サンプル内の複数の特異性の検出を可能にします。この方法は、多数の潜在的なエピトープをスクリーニングするために理想的な方法です。

【05】 dCODE Klickmer® 試薬はどのようなもので、どのような場合に使用するのですか?

dCODE Klickmer® 試薬は、当社の標準製品ラインナップではカバーできないお客様のニーズに対応するために設計されたDNAタグ付きKlickmer® 試薬です。NGS (HiT)、マルチプレックス、シングルセル解析 (RiO, 10x) において、弊社に在庫のないアリル (モノマー付き) やT細胞以外の細胞種をお探しのお客様に適した柔軟なソリューションです。dCODE Klickmer®試薬には、あらゆるビオチン化分子を結合させることができます。
この多目的ツールは、様々なアプリケーションに対応し、以下のような多様なニーズに応えることができます。

  • 抗原特異的なB細胞やその他の免疫細胞の高感度な検出
  • 低親和性の相互作用を持つリガンドの同定
  • 特定の細胞集団の単離

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