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Q&A

記事ID : 12380

FAQ : Lexogen(LEX)社 SENSE mRNA-Seq Library Prep Kitについて

1. 全般

2. Illumina社システム用製品

3. Ion Torrent™システム用製品

4. SOLiD™システム用製品

1. 全般

【1-01】 どのようにして”例学的なストランド特異性”が得られるのですか。

SENSE mRNA-Seqプロトコールでは、挿入配列のサイズがスターター/ストッパー結合部位間の距離で決定されるため、RNA断片化する必要がありません。そのため、逆転写反応中のRNA断片5'末端からの"偽"2本鎖合成がなく、基本的にストランド特異性に優れた手法といえます。

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【1-02】 ストランドの方向性確認に、なぜERCC spike-inコントロールを使用するのですか。

ERCC Spike-inコントロールは、ストランド方向性が既知の人工的転写物のセットで、アンチセンス転写物を含みません。そのため、検出されたアンチセンスERCC配列読み取り結果はライブラリ調製中に生じた偽陽性と考えられます。一方で、ゲノムワイドでストランド方向性を算出する場合、真のアンチセンス転写物の影響から正確な値が得られません。そのため、真のストランド特異性はERCCデータによってのみ算出でき、内在性アンチセンス転写物レベルと擬似的な第2鎖合成によるバックグラウンドとを区別する許容限度レベルも得られます。

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【1-03】 SENSEライブラリ作製にはどのくらいの時間がかかりますか。

ワークフローが確立できた後は、1人でtotal RNAから8種の配列決定用ライブラリを4時間以内に作製可能です。ただし、本製品(プロトコール)を初めて使用する場合には、マニュアル全体を事前に読み、時間に余裕をもたせて実施してください。バイオアナライザーを用いた定量と文書化等を含め、16サンプルほどの調製に丸一日労働時間を費やすことになるかと思います。

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【1-04】 追加のキット(リボソームRNA除去、サイズ選択、ライブラリ増幅、精製用など)を買わなくてはいけませんか。

SENSEキットはtotal RNAから配列決定用サンプル作製を1キットで完結する製品のため追加のキットを購入する必要はありません。SENSEキットには磁気oligo-dTビーズや、rRNAや tRNA, 非ポリアデニル化RNAをほぼ完全に除去する、非常に特異性が高いLEX社独自のpoly(A)選択用バッファーが含まれます。SENSE キットには、逆転写反応、ライゲーション、およびPCRに使用する全ての酵素を始め、精製に必要な試薬やカラムも含まれています。

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【1-05】 最初に使用するRNA容量を教えてください。

SENSE kitで必要なtotal RNA量は、ご使用のサンプルにおけるpoly(A) RNA含有量によって異なります。さまざまなマウス組織やヒトのリファレンスRNAを用いた実験結果からSENSEキットのプロトコールを作成していますが、通常、mRNAが豊富な組織(腎臓、肝臓、脳など)では500ngのtotal RNAを初期導入量として使用し、mRNA含有用の低い組織(肺や心臓など)では2ugのtotal RNAを使用した場合、配列決定用として適した高精度のライブラリが得られています。

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【1-06】 SENSEキットは、崩壊したRNAやFFPEサンプルからのライブラリ作製にも使用できますか。

現行のSENSEキットプロトコールは、oligo-dT ビーズを使用するため、RNAサンプルがpoly(A)テールをもつことが重要になります。最適な配列決定結果を得るためには、RINスコアが83以上のRNAをご利用頂くことをお勧めしています。精度の低いRNAを用いて調製したライブラリの場合、3'末端において配列決定結果の偏りがみられる可能性があります。
ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)サンプルでは、しばしばRNA崩壊がみられます。さらに、FFPE由来mRNAの場合、poly(A)テールの多くがモノメチノール基により修飾されている可能性があり、oligo-dTとのアニーリングに問題が生ずる可能性があります。したがって、ライブラリ収量と5'末端被覆度が低いと考えられます。

【参考文献】
Masuda, N., Ohnishi, T., Kawamoto, S., Monden, M. and Okubo, K. (1999) Nucleic Acids Res, 27, 4436-4443

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【1-07】 SENSEキットのプロトコールを試行する際に必要な機材を教えてください。

SENSEライブラリ作成には下記の機材が必要です。

  • マグネティックラック
  • ベンチトップ遠心機(12,000 x g、1.5mLチューブが使用可能なローター)
  • 1 µl〜1000 µlに対応する較正済みピペット。
  • 1.5mLチューブ用サーモミキサー(振盪機能付き乾燥型インキュベータ)
  • PCR機器
  • RNA定量用のUV吸光光度計

【推奨】:ライブラリ定量用バイオアナライザー (Agilent Technologies社)
その他の定量方法として、定量PCRアッセイ、ナノドロップまたはQubit測定があります。

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【1-08】 SENSEライブラリに適した配列決定プラットフォームはどれですか。

SENSEキットは、HiSeq1000/1500, HiSeq2000/2500, GAIIX, MiSeq (Illumina社), Ion Proton™, Ion PGMTM および SOLiD™ 5500/5500Wに適しています。

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【1-09】 SENSEライブラリの複雑度はどの程度ですか。また、どのように評価しているのですか。

LEX社の経験では、複雑度を評価する最適手法は「発見率」の表を作成することです(図.1)。

lex-faq-sense-Detected_transcripts_and_genes.png
図.1 10ng, 20ng, および500ngの初期ユニバーサルヒトリファレンスRNA(UHRR)に対する発見率

重複度は76%, 74%, および78%である。

SENSEライブラリは転写物だけでなく遺伝子レベルにおいて優れた「発見率」を示します。ライブラリの複雑度の評価に重複度評価を利用することが頻繁ありますが、SENSEプロトコールの複雑度評価には適合しません。スターター/ストッパー へテロ二量体の広さが13塩基程度であるものの完全にランダムではないことから、これらが個々のハイブリダイゼーションによる場合、PCR増幅バイアスにおける重複度ではないかという印象を与えます。

 

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【1-10】 SENSEキットでは細胞質rRNAの配列読み取り数が非常に少ない(< 0.0004%)にもかかわらずある程度の数のmt-rRNAの配列読み取りがみられるのはなぜですか。

細胞質rRNA含有率の低さからSENSEプロトコールの類い稀なpoly(A)特異的選択性がわかります。一方、ミトコンドリアrRNAはポリアデニル化されているためoligo-dTビーズにより選択されてしまいます。

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【1-11】 SENSEライブラリの配列読み取りの配向性を教えてください。

SENSEライブラリはシングルまたはペアードエンドのシーケンシングに適しています。他の多くのライブラリ作製プロトコールと異なり、SENSEライブラリでは参照するゲノムと逆の鎖配向性をもつリードが得られます。読み取り配列は、マッピング前に逆相補配列をとるかマッピング後にアライメントファイルの方向性フラッグを逆転するなど、データをプロセスする際に再度方向変換する必要があります。もとのRNA分子に対して産生した配列を2回読みます。
配列決定法の詳細は各キットの製品マニュアルをご参照ください。

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【1-12】 本プロトコールは自動化にも使えますか?

使えます。
LEX社では、ハイスループットでのサンプル調製ができるよう将来的に本製品の96ウェル版を販売する予定です。

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【1-13】 高分子量領域(1,000〜9,000bp)に2番目のピークが現れるのはなぜですか。

図.2に示したように、この領域におけるピークはオーバーサイクリングを示唆します。製品マニュアルでもご紹介していますが、定量PCR反応を行いエンドポイントPCRに適したサイクル数を決定することで、オーバーサイクリングを防ぐことができます。PCR反応のサイクル数が多すぎた場合でも、結果に影響を与えることなくその後のシークエンシング反応に使用することはできます。ただし、同一のインプットRNAを今後の実験で使用する場合は、適切なサイクル数を使用するか、定量PCRを利用することをお勧めします。

lex-faq-sense-Overcycled_SENSE_Libraries.png
図.2

 

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2. Illumina社システム用製品

【2-01】 典型的な断片の大きさを教えてください。

SENSEキットでは、ライブラリ作製ステップ12(製品マニュアル参照)で使用する逆転写/ライゲーションミックスを2種類ご用意しています。RTSは、挿入配列長の平均が短く(110-155 bp)、作製されるライブラリは116bp〜700bpです。これに対し、RTLは挿入配列長の平均が長く(345-425 bp)、ライブラリ断片の長さは170〜1700bpです。典型的な値に関しては製品マニュアルをご参照ください。

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【2-02】 挿入配列の大きさは調節できますか。SENSEは読み取り長が長い(2 x 250bp)ものにも適しますか?

ご希望のシークエンシングの長さにあわせてSENSEライブラリの大きさを調節することは可能です。RT/ライゲーションの段階で挿入配列の範囲を調節したり、精製段階で異なるサイズカットオフを使ったりすることで調節できます。詳細は製品マニュアルをご参照ください。

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【2-03】 mRNAにハイブリダイズする配列の長さを教えてください。

SENSEではランダムプライミングを利用します。7塩基長のランダム配列をもつスターターと6塩基長のストッパーがmRNAテンプレートにハイブリダイズします。
スターター/ストッパー ヘテロ二量体がRNAに対して非特異的にハイブリダイズすることから、他のランダムプライミングプロトコールと同様、バーコードの次にくる第一塩基はやや高い比率でエラーがみられることがあります。ストリンジェントなアライナーを使用した場合、このミスマッチによりマップ可能なリードの割合が低く見積もられる可能性があります。その場合、これら塩基を考慮しない方がよいかもしれません。リードの最初の7塩基を除外することで、通常、マップされた読み取り配列の割合が5〜10%増えます(アライナーやリファレンスアノテーションによる)。
ペアエンドのリードに対しては、最初の7塩基だけでなくストッパー側の6塩基も除外することをお勧めします。
ただし、LEX社の経験では、シングルエンドリードに対してはストッパー配列の1 x 100bpリード除去は必要ありません。

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【2-04】 SENSEライブラリのアダプタはIllumina社のものと同一ですか。配列決定にはどのプライマーを使用するべきですか。

最終のSENSEライブラリにはIllumina社のアダプタ配列が含まれます。
使用するバーコードの種類により、4種類のライブラリが作製できます。バーコードをもたないライブラリ、外部バーコードをもつライブラリ、内部バーコードをもつライブラリ、および内部と外部バーコードの両方をもつライブラリです。バーコードをもたないライブラリや外部バーコードをもたないライブラリの場合、キットに付属のCustomized Sequencing Primer (CSP)をご利用頂くことをお勧めします。このCSPにより至適のクラスターコーリングが得られます。ただし、CSPおよび標準Illumina Read 1 Sequencing Primerは1塩基異なるため(CSPには3'末端にGが付加してあります)、CSPを使用した場合はPhiXのスパイクインはできません。

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【2-05】 SENSEでは、どの程度のマルチプレックスができますか。どのようなバーコード(指標)システムが用いられていますか。

バーコードは、標準型の外部バーコード(C品番:003.08A〜003.08Hまたは003.24A〜003.24H)としてPCR増幅中に導入するか、または内部バーコードとしてRT/ライゲーションステップにおいて読み取り配列の最初に導入することができます。外部バーコードは追加でシークエンシング反応を行う必要がありますが、内部バーコードではこの必要がありません。外部バーコードは12種のバーコードの8セットとしてご提供しており、Illumina社フローセルではレーンごとに最大96サンプルが配列決定できるようデザインされています。内部バーコードは12種類のバーコードセットでご用意しており、Illuminaフローセルではレーンごとに最大12サンプルが配列決定できるようデザインされています。外部バーコードと内部バーコードを組み合わせで使用することもでき、最大1152種のサンプルがマルチプレックスできます。バーコードとその使用法に関する詳細は製品マニュアルをご参照ください。

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【2-06】 Illumina社のシークケンシングにはどの程度のCustomized Sequencing Primer(CSP)を使用する必要がありますか。

配列決定時の反応中における最終CSP濃度は0.5 µMです。シーケンシングを行う施設には10µl の100µM CSPをご提供頂くとともに、提供した溶液をシーケンシングにご利用頂くことをご確認ください。
MiSeq機器では、リザーバーが600 µlの0.5 µM CSPに対応します。HiSeq2000機器では、シーケンシングプライマー混合溶液を最終ステップでc-botに250 µl (最終CSP濃度:0.5 µM)添加します。急速試行を用いない限り、上記条件はHiSeq2500でも同じです。
シーケンシング施行前にCSPを希釈すると十分なクラスターが得られません。十分なプライマーが含まれていないと産生した全クラスターにプライマーがハイブリダイズできず、機器によってクラスターを読み取ることができません。プライムしない限り、蛍光修飾核酸が組込まれず、クラスターは検出されません。

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3. Ion Torrent™システム用製品

【3-01】 典型的な断片の大きさを教えてください。

SENSEでは、ライブラリ作製ステップ12で使用する逆転写/ライゲーションミックスを2種類ご用意しています。RTSは、挿入配列長の平均が短く(132-189 bp)、作製されるライブラリは116bp〜700bpです。これに対し、RTLは挿入配列長の平均が長く(269-382 bp)、ライブラリ断片の長さは115〜1700bpです。
典型的な値に関しては、製品マニュアルをご参照ください。

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【3-02】 挿入配列の大きさは調節できますか。

ご希望のシーケンシングの長さにあわせてSENSEライブラリの大きさを調節することは可能です。RT/ライゲーションの段階で挿入配列の範囲を調節したり、精製段階で異なるサイズカットオフを使ったりすることで調節できます。詳細は製品マニュアルをご参照ください。

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【3-03】 mRNAにハイブリダイズする配列の長さを教えてください。これらの配列は除外すべきですか。

6塩基長のランダム配列をもつスターターと6塩基長のストッパーがmRNAテンプレートにハイブリダイズします。SENSEキットはランダムプライミングを利用し、スターターとストッパーがRNAに対して非特異的にハイブリダイズすることから、挿入配列の第1塩基はやや高い比率でエラーをもつことがあります。ストリンジェントなアライナーを使用した場合、このミスマッチによりマップ可能なリードの割合が低く見積もられる可能性があります。その場合、これらの塩基を考慮しない方がよいかもしれません。スターター側のリード 1より挿入配列の最初の6塩基を除外します。マルチプレックスライブラリではない場合、読み取り配列のうち最初の10塩基(TCAG + スターターの6塩基)を除外することになります。もし挿入配列の大きさがシーケンシングの長さより短い場合、P1アダプター配列前の6塩基も併せて除外する方がよい場合もあります。

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【3-04】 SENSEライブラリのアダプタはIon Torrent™のものと同一ですか。

最終のSENSEライブラリにはSOLiD™アダプタ配列が含まれます。

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【3-05】 SENSEキットでは、どの程度のマルチプレックスができますか。どのようなバーコード(指標)システムが用いられていますか。

SENSE In-line Barcode Kit(品番:007.08または007.24)を用いて RT/ライゲーションステップを行った場合、読み取り配列の最初に内部バーコードが導入されます。この内部バーコードを用いてSENSEライブラリのマルチプレックスを行うことができ、単一イオンチップ状で最大12サンプルの配列決定を行うことができます。バーコードを導入する場合は、RT/ライゲーション時に使用するスターター/ストッパー混合液をバーコードキット付属のスターター/ストッパー混合液に置き換えて使用します。

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4. SOLiD™システム用製品

【4-01】 典型的な断片の大きさを教えてください。

SOLiD™ライブラリ用SENSEでは、ライブラリサイズの平均値が244bpで、全体として125〜700bpの範囲です。このうち、アダプタ配列(10塩基の外部バーコードを含む)が93bpを占めます。そのため、標準的なSENSEライブラリでは全挿入配列のサイズは約32bp〜607bpであり、64%の断片が100bp以上の長さをもちます。
典型的な値に関しては、製品マニュアルをご参照ください。

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【4-02】 挿入配列の大きさは調節できますか。

できません。

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【4-03】 mRNAにハイブリダイズする配列の長さを教えてください。これらの配列は除外すべきですか。

6塩基長のランダム配列をもつスターターと6塩基長のストッパーがmRNAテンプレートにハイブリダイズします。LEX社の経験上、LifeScope™を使用する場合、読み取り配列の一部を除外する必要はありません。しかし、SENSEキットはランダムプライミングを利用し、スターター/ストッパー ヘテロ二量体がRNAに対して非特異的にハイブリダイズすることから、挿入配列の第1塩基はやや高い比率でエラーをもつことがあります。このミスマッチによりマップ可能なリードの割合が低く見積もられる可能性があります。その場合、同一ワークフロー上で、ペアエンドデータセットの両方の読み取り配列からこれら塩基を除外することもできます。両方の読み取り配列(リード1とリード2)より6塩基ずつ除外します。LifeScope™では、seedをポジション6に動かすことができます。例えば50bpの読み取り配列をマップする場合「first.map.scheme.unmapped.50=25.2.6:15」を用います。詳細はLifeScope™のユーザーガイドをご参照ください。
スターター/ストッパーにより導入された最初の塩基を除外することで適切な長さのリード数が減少することもありますが、通常はリードの精度が上がるためマップされたリードの絶対数も上がります。読み取り配列が極端に短いものや精度のスコアが全般的に低いものは、セットから除去し、考慮しないことをお勧めします。

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【4-04】 SENSEライブラリのアダプタはSOLiD™のものと同一ですか。

最終のSENSEライブラリにはSOLiD™アダプタ配列が含まれます。

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【4-05】 SENSEライブラリでは、どの程度のマルチプレックスができますか。どのようなバーコード(指標)システムが用いられていますか。

SENSE SOLiD™ライブラリには外部バーコードのオプションがございます。SENSE External Barcode Kit(品番:005.08A〜005.08Hまたは005.24A〜005.24H)を用いてライブラリ増幅を行い、外部バーコードを導入することで、SOLiD™フローチップレーンごとに最大96サンプルまで配列決定できます。外部バーコードは10塩基長です。バーコードとその使用法に関する詳細は製品マニュアルをご参照ください。

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