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Q&A

記事ID : 12451

FAQ : Lucigen社 ClearColi® コンピテントセルについて

【01】 ClearColi® コンピテントセルと、市販されている他のコンピテントセルとの違いは何ですか?

ClearColi® コンピテントセルは、ヒト細胞におけるエンドトキシン反応を引き起こさない、遺伝的に改変したリポ多糖(LPS)を有します。7つの遺伝的な欠失 (ΔgutQ ΔkdsD ΔlpxL ΔlpxMΔpagPΔlpxP ΔeptA) を組込むことでLPSを脂質IVAに修正しています。また、1つの補償的変異(msbA148)を追加することで、LPSの前駆体である脂質IVA存在下での細胞の生存能を保ちます。

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【02】 LPSと脂質IVAの違いは何ですか?

ClearColi® 細胞では、通常の6つアシル化されたLPSから2つの二次アシル鎖が欠損しており、真核細胞における内毒性を決定する要因となっています。LPSの6つのアシル鎖は、MD-2(myeloid differentiation factor 2)と複合体を形成したトールライクレセプター4(TLR4;Toll-like receptor 4)によって認識され、NF-κBの活性化と炎症誘発性サイトカインの産生を引き起こします。2つの二次アシル鎖が欠損した脂質IVAは、活性化型のヘテロ4量体hTLR4/MD-2複合体の形成を誘導せず、エンドトキシン応答を引き起こしません。さらに、オリゴサッカロイド鎖の欠損により、生産物から脂質IVAを除去することが容易になります。

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【03】 LALテストでエンドトキシンレベルを測定すると陽性反応がでます。なぜですか?

LAL(Limulus amebocyte Lysate)テストは、FDAに承認され、最も一般的に用いられているエンドトキシン検出法です。しかし、LALテストは、エンドトキシン活性のある6つアシル基を持つLPSと、エンドトキシン活性のない4つアシル基を持つ脂質IVAとを区別するのに、不適切な方法です。エンドトキシンがLALカスケードを活性化するための構造条件は、ヒト免疫細胞系を刺激するための条件と異なります。ヒト免疫細胞ではLPS/lipid Aのアシル化パターンは刺激を決定する要因ですが、LALカスケードの活性化はほとんどまったくアシル鎖の数に依存しません。代わりに、LALテストは 4'-モノホスホリル-ジグルコサミン骨格構造を必要としますが、これは6つアシル基を持つLPSと、4つアシル基を持つE. coliの脂質IVA両方にあります。このように、アッセイに特異性がないことから、偽陽性となることがあります。LALテストは、ヒト免疫細胞システムの中枢的な細胞性エンドトキシンセンサーシステムよりも幅広いLPS/lipid A変異体を認識します。

ClearColi®細胞から産生されたタンパク質は、簡単なニッケルカラム精製工程によりLAL応答レベルを大幅に低下させることができます。例えば、ClearColi®細胞とE. cloni® EXPRESS BL21(DE3) エレクトロコンピテントセルを用いて発現させたApoA1を比較すると、LAL応答は99%低下しました。

細胞株 LAL 結果
(EU/mg)
低下率
ClearColi® Electrocompetent Cells 450 99.1%
E. cloni EXPRESS BL21(DE3)
Electrocompetent Cells
53800

外部からのLPSコンタミネーションが存在する場合を除いて、残留EUが測定されるのはLALテストの非特異性によります。例えばHEK-Blue™-4 細胞(InvivoGen社)のような代替毒性試験は、研究者が通常目標とする閾値を超えるEUレベルでも、ClearColi®由来のタンパク質からは実際の免疫原性の影響はないことを示唆しています。

LALテストの非特異的な性質により、ClearColi®由来の脂質IVAで偽陽性のエンドトキシン活性が得られることがあります。生理学的に関連する別の方法を検討することをお奨めします。

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【04】 ClearColi® BL21(DE3)細胞からどのくらいのレベルのタンパク質発現が期待できますか?

十分な密度に増殖すると、ClearColi® BL21(DE3) 細胞は通常のBL21(DE3)細胞と同レベルのタンパク質を産生します(同じ細胞数での比較)。タンパク質によって発現レベルが多少変化するかもしれません。

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【05】 ClearColi® BL21(DE3)細胞で発現したリコンビナントタンパク質は、可溶性があって機能的ですか?

Lucigen社が行った実験では、ClearColi® BL21(DE3)細胞で、可溶性があり機能的な蛍光タンパク質を発現しています。溶解性と機能性に関しては、通常のBL21(DE3)細胞とClearColi BL21(DE3)細胞で有意な差はありません。

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【06】 ClearColi® 細胞は哺乳類細胞で実際にエンドトキシンフリーですか?

ClearColi® 細胞由来の脂質Aは、ヒト免疫細胞でエンドトキシン応答を誘導できないように改変されています。7つの別々な遺伝子を欠損しているので、通常のLPS産生に戻ることはありません。適切に管理すれば、下流のエンドトキシン除去工程の必要なく、ClearColi® 細胞からプラスミドとタンパク質を産生できます。しかし、LPSのコンタミネーションは研究室のいたるところにあるため、細胞株以外のLPS供給源を最小限にするよう配慮が必要です。
脂質IVAは、ヒトLPS応答性細胞のエンドトキシンアンタゴニストとして知られています。例えばマウス、チャイニーズハムスター、ウマ細胞などの他の哺乳類細胞で、4つのアシル基を持つLPS前駆体が、エンドトキシン活性化因子として作用する可能性があることを考慮しなければいけません。TLR4とMD-2の構造に種特異的な差異があることで、脂質IVAが動物種特異的な認識と刺激活性を示す可能性があります。

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【07】 タンパク質やプラスミドの内在性LPSによるコンタミネーションを避けるにはどうすればいいですか?

滅菌技術により、外部の供給源からのLPSコンタミネーションを十分に管理できます。以下の予防策をお奨めします。

  • 滅菌・パイロジェンフリーのディスポーザブルのピペットチップや遠心管を使用する
  • 全てのガラス製品を使用する1時間前に250℃以上で熱処理する
  • 通常のE. coli株と接触した精製カラムや樹脂を使用しない
  • 低エンドトキシンが保証された試薬を使用するか、使用前に試薬の検査を行う
  • エンドトキシン検査された水を使用する
  • 消毒薬で実験室を清浄にする
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【08】 ClearColi® を使用する時、精製後のエンドトキシンを測定する必要がありますか?

少ないレベルのエンドトキシンレベルであっても、それが重大な意味を持つアプリケーションでは、一般的な全ての予防策を行うことを強くお奨めします。外部からのコンタミネーションが起こる可能性があり、LPSがまったく存在しないという保証はありません。安全対策とその後のアプリケーションについては、ご自身で最善を尽くす必要があります。

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【09】 精製後のエンドトキシン除去は必要ですか?

エンドトキシン測定の方法とアプリケーションによります。前述のように、ClearColi® 細胞の脂質IVAはヒト細胞でエンドトキシン応答を引き起こしませんが、LALテストを使用すると比較的低いEU測定値を示すかもしれません。通常は、LALレベルを閾値以下に低下させるには、簡単なプラスミド精製またはニッケルカラムでのタンパク質精製で十分です。エンドトキシンレベルをより低下させたい場合は、追加の精製ステップが必要です。

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【10】 ClearColi® BL21(DE3)細胞の成長速度はどのくらいですか?

ClearColi® BL21(DE3)細胞は、通常のBL21(DE3)細胞の約50%の速度で増殖します。形質転換細胞を播種した後、24時間程度で非常に小さなコロニーが見えることが予想されます。次の実験用にコロニーをピックするまでに32-40時間程度インキュベートすることをお奨めします。タンパク質発現の誘導に必要な細胞密度に到達するには、より長い成長時間がかかります。

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