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Q&A

記事ID : 11761

FAQ : Lucigen社 クローニング関連製品について

【01】 CloneSmart®シリーズでは、高コピーのpSMART-HCKanや-HCAmpベクターを使うべきですか、または低コピーのpSMART-LCKanや-LCAmpベクターを使うべきですか。

高コピーベクターは一般にクローニングやライブラリー構築に使用されています。このベクタータイプでは長鎖挿入配列(> 10kb)、強力なプロモータにドライブされた挿入配列、またはコード領域が毒性を示すものが保持できることで知られています。しかし、ATリッチな挿入配列(> 60〜65%)の場合、高コピーベクターでは不安定な場合があります。
低コピーベクターは、対象DNAが不安定であったりクローニング困難である場合に有効です。複数の微生物ゲノムライブラリーでは、低コピーベクターを使用した場合は比較的安定ではあるものの、高コピーベクターでは不安定であることが示唆されています。

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【02】 CloneSmart®シリーズのベクターにおけるコピー数とプラスミド収量を教えてください。

pSMART-HCのコピー数はpUC19と同等で、細胞当たり約300〜500コピーです。1mL培養で約20〜40ugのプラスミドが得られます。pSMART-LCのコピー数はpBR322に類似しており、細胞当たり約15〜30コピーです。1mL培養あたり約〜0.5ugのプラスミドが得られます。

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【03】 CloneSmart®Kitを使ってPCR産物をクローニングできますか。

可能です。ただし、PCRTerminator® kitを使用してCloneSmart® vectorの平滑末端に適合するようPCR産物の末端処理を行います。

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【04】 ライゲーション反応終了後にこの溶液と形質転換させた細胞を保存することはできますか。

可能です。ライゲーション反応溶液を70℃で5分間処理して変性させた後、-20℃で保存することもできます。形質転換後の余った細胞は滅菌済みグリセロールを15%濃度となるように加え、-80℃で保存します。

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【05】 形質転換に他のE.coli株を使用したエレクトロポレーション用コンピテントセルまたはケミカルコンピテントセルを使うことはできますか。

可能です。CloneSmart®ライゲーションを他のE.coli株に形質転換することもできますが、得られるクローンの数が少なくなる可能性があります。Lucigen(LUC)社のE.cloni®エレクトロコンピテントセルでは1ugのpUC19 DNAあたり200億以上のクローンが得られます。効率の低いコンピテントセルを使うとこれに比例して得られるコロニー数が減少します。形質転換体をたくさん得るため、効率が約 >4×1010 cfu/µgのE.cloni®10G SUPREMEコンピテントセルをご利用ください。

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【06】 形質転換を行う前にライゲーション反応溶液を抽出したり沈降させたりする必要がありますか。

必要ありません。1uLのライゲーションミックスをエレクトロコンピテントセルに直接加えます。

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【07】 プライマー配列を教えてください。

SL1:5'-CAG TCC AGT TAC GCT GGA GTC
SR2:5'-GGT CAG GTA TGA TTT AA A TGG TCA GT

pEXSeqプライマーはM13フォワード/リバースプライマーと同一です。
Z-Rev (M13 Reverse, -48): 5'-AGC GGA TAA CAA TTT CAC ACA GGA
Z-For (M13 Forward, -41): 5'-CGC CAG GGT TTT CCC AGT CAC GAC
これらは、各製品のマニュアルにも記載されています。

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【08】 ベクター配列を教えてください。

ベクター配列はGenBankに登録しています。アクセッション番号は以下の通りです。
pSMART-HCKan: AF532107
pSMART-LCKan: AF532106
pSMART-HCAmp: AF399742
pSMART-LCAmp: AY090111
pEZSeq-Kan: AF532108
pEZSeq-Amp: AF532109

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【09】 pSmart®クローンに挿入配列が含まれているかどうか、どうやってスクリーニングすればよいですか。

典型的なライゲーション/形質転換を行った場合、99%以上のクローンは挿入配列をもつため、スクリーニングの必要はありません。ただし、SL1とSR2プライマーを用いてPCRを行い、挿入配列の有無およびサイズを確認することもできます。形質転換したコロニーまたはコロニーより抽出したDNAを用いてPCRします。また、pSMARTベクターのクローニングサイトはそれぞれEcoRIとEcoRVで挟まれていますので、何れかの制限酵素で挿入配列をベクターから切り出し、ゲルで確認することもできます。

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【10】 空ベクターのセルフライゲーションが多いのですが、なぜでしょうか。

空ベクターの形質転換体が現れる主な要因として、挿入DNAがカイネースやエキソヌクレアーゼにより汚染されていることが考えられます。また、CloneSmart®ベクターとこれらの酵素が接触した場合にもセルフライゲーションが生ずる可能性があります。クローニングに使用するDNAは、ライゲーションを行う前にゲル電気泳動、スピンカラムなどにより精製してください。
また、アガロースゲルから抽出したDNAサンプルの場合、100bp未満の低分子断片が混在していることがあります。小断片のクローニング効率は非常に高いため、このようなDNA断片を使ったクローニングでは”空ベクター”となる場合が多々あります。そのため、空ベクターが多くみられた際は、いくつかのクローンの「挿入配列種編」のシークエンシングを行い、ベクターの欠損がないか、小断片の挿入がないか、といったことを確認することが重要です。

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【11】 形質転換後、クローンがほとんど得られないのは、なぜですか。

得られるクローン数が少ない場合、いくつかの理由が考えられます。最も一般的な要因として、ライゲーションに使用したDNA量が少なすぎること、またはDNAの純度が低いことが挙げられます。DNA量を慎重に測定すると同時に、アガロースゲル電気泳動によりDNAの純度等を確認することが重要です。
その他の要因として、DNA断片の末端が平滑末端ではない、またはリン酸化されていないことが考えられます。Lucigen(LUC)社のDNATerminator ®End Repair Kitは物理的な剪断や制限酵素処理を受けたDNA末端の修復に優れています。末端修復方法として一般的なT4 DNAポリメラーゼやマングビーンヌクレアーゼなどを使用することも可能ですが、クローニング効率は若干劣ると考えられます。
ゲノムDNAをクローニングする場合、E.coli細胞が許容できない修飾をもつ場合に問題となる可能性があります。この場合、低コピー数のCloneSmart®シリーズをお試しください。詳細はCloneSmart®のマニュアルをご参照ください(Appendix E: Troubleshooting)。

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【12】 シークエンシングリーズの精度が低いのはなぜですか(低シグナル、高バックグラウンド/ノイズ)。

シークエンシングリーズの精度が低い原因として、シークエンシングプライマーの質が悪いことや、プラスミドDNAの質が悪いことまたは量が不足していることが考えられます。CloneSmart®製品に付属のコントロールプライマーとお使いのプライマーの性能比較を行い、プライマーの質をご確認ください。また、DNAサンプルはサイズ/質量のスタンダードとともにゲル電気泳動を行い、その質と量をご確認ください。
Lucigen(LUC)社が開発したCloneSmart®シリーズは、クローニング収量の改善、クローニングにおけるバイアス、およびシークエンシング処理量の改善が期待できる新規の転写フリークローニングシステムです。

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