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記事ID : 11857

ATUM(DNA)社 Protein Paintbox™


Protein Paintbox™ の開発

 ATUM(DNA)社 Protein Paintbox™ 詳細

蛍光および発色性のタンパク質は、遺伝子導入システムのレポータからバイオセンサまで様々な研究目的に有用なツールです。しかしながら、明るさ、周波数域の特性、オリゴマーの状態、環境条件への感受性といったタンパク質の特性だけでなく、膨大な知的所有権のもつれにより、蛍光/発色性タンパク質の選択肢が狭まっているのが現状でした。

ATUM社では、Genbankより得た配列情報について配列相違性を最小化するとともにタンパク質の高発現を目指し、GeneDesignerソフトを用いてGeneGPS由来のE.coli コドンバイアスを一致させ再翻訳し、各遺伝子を断片化して生成できるようオリゴをデザイン発色/蛍光を示す新規タンパク質群を大量に構築しました。プールした際にキメラ遺伝子が構築できるよう遺伝子断片をデザインし、結果として生じたキメラのうち、繰返し作製したライブラリーにおいて標的基質を含むものを基本遺伝子として抽出しました。バリアントにおけるスペクトルおよび配列データ確認も行い、バリアント間での相関性を推定、さらに相関関係の確認として、特定の個別配列を作成しこれらのスペクトル特性が予測されたものと一致するか試行しました。また、スペクトルが重複しないバリアントを同定し、顕微鏡観察やFRET(蛍光共鳴エネルギー移動)といった1種類以上の蛍光タンパク質を使用するアプリケーションにおける候補として、検討しました。

シークエンシングデータとスペクトルデータとの相関性がみられたことから、特定のアミノ酸残基が励起/発光スペクトルのピーク位置決定に重要であることが示唆されましたた。ATUM社の蛍光タンパク質バリアントグループには、1) YFP とUV 興奮性GFPs、2) シアンと二重興奮性GFPs、3) RFPs, OFPs, および一部GFPs、といった3種類の特徴的な配列ファミリーが存在します。ファミリー(1)のうちGFPs とYFPs ではアミノ酸2残基の置換がみられ、スペクトル移行と相関性がみられました。ポジション151 におけるアミノ酸残基「C」はUV興奮性GFPs のみでみられ、151Y は緑黄色の蛍光タンパク質およびYFPs において確認できました(図.7)。これらのアミノ酸残基がスペクトル移行に起因するか確認するため、これらの置換を種々の組合わせでATUM社の保有する最も輝度の高いGFPとYFPに導入しました。この結果、アミノ酸置換により期待された励起/発光スペクトル変化が確認でき、また同様の解析においても1塩基のアミノ酸置換(146S/D)を同定、ファミリー(2)ではシアンから緑色への移行を確認しました。

ATUM社では、1000種以上の新規蛍光/発光性タンパク質をコードする合成ライブラリーを構築し、本ライブラリーより交差適合性の至適特性をもつ精選された蛍光タンパク質コレクションを確立し、セット内で配列/能相関性を有するものを捕獲できるよう機械学習やクラスタリングアルゴリズムに使用しました。Protein Paintbox™ は、合成生物学分野の研究向上および画期的な商品開発にご利用頂けるよう知的所有権の制限を設けていません。ATUM社で開発した一部のPaintbox™ タンパク質は、BioBrick Public Agreement を介してパブリックドメインに寄与されています。Paintbox™ 製品が、有益な特性を保有しつつ利用制限のない蛍光タンパク質のエンジニアリングおよび精密化の足がけとなることが期待されます。

単一アミノ酸置換による顕著なスペクトル特性変化の同定
図7. 単一アミノ酸置換による顕著なスペクトル特性変化の同定
置換を導入したランダムライブラリーを分析し、2種の単一置換がスペクトル変化を生じた結果を示した。

 

蛍光タンパク質 "paintbox(TM)" の改良
図8. 蛍光タンパク質 "paintbox™" の改良
楕円はpaintbox 全タンパク質における主な励起/発光ピークの50%強度輪郭を示し、タンパク質ごとに色を変えて図示した。2種の励起/発光ピークをもつ蛍光タンパク質は、2種類の楕円で図示した。

 

生細胞における蛍光タンパク質の多重呈色画像
図9. 生細胞における蛍光タンパク質の多重呈色画像
異なる励起波長において蛍光タンパク質発現E.coli の顕微鏡画像が得られた。我々の蛍光タンパク質は2種または3種混合で識別可能なバイオセンサとして使用可能であることを示唆する。
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