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技術情報

記事ID : 12636

ROCKLAND(RKL)社 TrueBlot® プロトコール


一般的なプロトコル

Step I: 細胞ライセートの調製

1. 約 1x107細胞を、セルスクレーパーを用いてコニカルチューブに移します。接着細胞をご使用の場合はこのステップはスキップすることができ、プレート上で直接溶解します。

Note: mLあたりのトータル細胞数とゲルにロードするタンパク質量はそれぞれのタンパク質と抗体によって最適化する必要があります。タンパク質濃度はBradford, Lowryまたはその他のタンパク質アッセイで測定して下さい。

2. 氷冷した〜10mLのPBSで細胞を洗浄し、4℃,400×gで10分間遠心分離します。

3. 上清を捨て、ステップ2を繰り返します。

4. 2回目の洗浄後に、上清を除き、細胞ペレットを1mLのプロテアーゼインヒビターを含む氷冷したライシスバッファーで再懸濁します。細胞の終濃度が、約1x107 cells/mlとなるように調製します。

Note: 接着細胞を使用する場合は、氷冷したライシスバッファーをプレートに直接加え、4℃でシェーカーの上に置きます。細胞をこするか、上清のみを回収するかしてステップ8に進みます。

5. 優しくボルテックスまたは撹拌し1.5mLチューブに移します。

6. 時々撹拌しながら30分間氷上に置きます。

7. 4℃,10,000×gで15分間遠心します。

8. ペレットを乱さず、次のチューブにペレットが入らないように上清を慎重に回収し、ペレットは捨てます。

9. タンパク質濃度はBradfordまたは他のアッセイで測定し、サンプルは〜1g/Lとなるように希釈します。

10. 細胞ライセートは-80℃で長期間保存可能です。

Step II: 組織ライセートのプレクリーニング

1. 固定化された種特異的なIgGビーズ懸濁液をやさしくボルテックスし再懸濁します。50μLを除き、ライシスバッファーまたはIPバッファーで洗浄します。難しいようでしたら、50μLのIPバッファーで再懸濁して下さい。

2. 500μLの細胞ライセート(〜5x106 細胞 または 〜500 g タンパク質)を前平衡化したビーズ懸濁液に加え、シェーカーの上で4℃,30-60分間インキュベートします。

3. 4℃、2,500×gで2-3分間遠心し、上清を新しい1.5mLのチューブに移します。ビーズ懸濁液が新しいチューブに移ってしまった場合は、再び遠心し、上清を慎重に別の1.5mLチューブに移します。

Step III: 免疫沈降

1.1-10μgの免疫沈降抗体を氷冷したプレクリーニングされた細胞ライセートに加えます。

Note: この濃度はモノクローナル抗体の場合のスタート濃度の提案です。個々で最適な条件(例:1-10μg/107 cells/1 mL ライセート)を決定するために、予備実験で抗体の濃度及び細胞ライセートを滴定した方がよい場合があります。
一般的には、2μgの抗体は1×107 細胞 1mLの抽出物に含まれる大部分の抗原の免疫沈降に十分です。より少ないIP抗体を用いることで、免疫沈降抗体の非還元軽鎖によるSDS還元サンプルのコンタミネーションの恐れを最小限にします。10μg(mLあたり)または5μg(レーンあたり)以上の使用は推奨しません。

2. 4℃,1時間オービタルシェーカー上でインキュベートします。

3. 免疫複合体をキャプチャーするために、少なくとも前平衡化された50μLのビーズ懸濁液を加えます。

4.4℃,1時間またはオーバーナイトで、オービタルシェーカー上でインキュベートします。

Note: 1-3を一つのステップに統合し、1回のインキュベーションにすることが可能です。

5. 2,500×g,4℃,30秒間遠心分離します。

6. 注意深く上清を完全に除き、ビーズを3-5回500μLの氷冷したライシスバッファーで洗浄し、洗浄ごとにビーズペレットを遠心します。バックグラウンドを最小限にするために、洗浄ごとに完全に上清を取り除いて下さい。

7.最後の洗浄の後、上清を注意深くアスピレートし、ビーズペレットに50μLの1X Laemmliサンプルバッファー(またはSDS-PAGEサンプルローディングバッファーと同じもの)を加えます。

Note: 還元試薬を加えることが重要です。使用する前に、2×SDS 還元サンプルバッファー(1M DTT を 2×SDS サンプルバッファーに加え、終濃度 50 mM DTT に調製)を調製します。NuPAGE またはスタンダードな Laemmliバッファーに終濃度50 mM DTTまたは2% メルカプトエタノールを加えて使用することもできます。

8. ボルテックスし、90-100℃で10分間加熱します。

9. 10,000×g,5分間遠心し、注意深く上清を回収し、ゲルにロードします。

10.あるいは、すぐに泳動しない場合は、上清サンプルを回収し、新しいチューブに移し、-80℃で保存することが可能です。

11.製造元のマニュアルに従いSDS-PAGEを行って下さい。

Step IV: イムノブロッティング (ウェスタンブロッティング, WB)

1.ゲル上のタンパク質をPVDFまたはニトロセルロース膜に転写システムの製造元のマニュアルに従い転写します。

2.オプション: タンパク質が膜に転写されたか調べるため、0.1%のPonceau S溶液で染色します。タンパク質のバンドが5分後観察されます。膜のブロッキングの前にPonceau Sによる染色を脱イオン水またはTBS-Tで染色がなくなるまでリンスします。残った染色はその後のステップに影響を与えることはないでしょう。

3. 膜を完全にブロッキングバッファーに浸るように入れ、シェーカー上で2時間またはオーバーナイト、室温でインキュベーションします。

Note: ブロッキング試薬としてBLOTTO(脱脂ミルク)の使用を推奨します。BSAは還元されたIg鎖の認識を効率的にブロックしません。

4. ブロッキングバッファーを除き、TBS-Tで洗浄します。

5.イムノブロット用の抗体をブロッキングバッファーで希釈し準備します。もし、推奨の濃度が不明な場合は、一般的に1-2μg/mLの抗体を使用します。もし、ハイブリドーマ組織培養上清または血清をイムノブロットも用いる場合、最適な結果を得るための予備実験が必要でしょう。

6. 一次抗体を加え、少なくとも室温で2時間または4℃でオーバーナイト、シェーカー上でインキュベートします。

Note: 最適な結果を得るために、インキュベーション時間は実験的に決めてください。

7. 一次抗体のインキュベーション後、TBS-Tで3-5回それぞれ5-10分洗浄します。 トータルで、1時間以上洗浄します。

8. 種特異的な二次抗体TrueBlotを1:1,000にブロッキングバッファーで希釈し、調製します。

Note: HRP酵素を加えるステップで、アジ化ナトリウムが存在しないようにして下さい。

9. TrueBlot二次抗体のインキュベーションは室温で1時間、シェーカー上でインキュベートします。

10. TBS-Tで3-5回それぞれ5-10分洗浄します。トータルで、1時間以上洗浄します。

11. ケミルミ試薬を用いて、製造元のマニュアルに従い膜を反応させます。

12. 適切な時間で記録します。最適な結果を得るために、露光は10秒、1分、5分、20分などで決定して下さい。

コントロールの取り方

ポジティブコントロール

種特異的なTrueBlot®は、SDSによって変性された、または非還元の種特異的IgGを認識します。非還元サンプル20ng(免疫沈降抗体を含む)をポジティブコントロールとしてイムノブロットに供し、TrueBlot®の性能を確かめてください。

ネガティブコントロール

0.5-2.0μgの種特異的な還元されたIgGを含むサンプルをネガティブコントロールとして使用し、TrueBlotが免疫沈降抗体の軽鎖と重鎖を検出しないことを確認して下さい。

他のコントロール

1. IPの際、細胞抽出物を除く
2. IPの際、IP抗体を除く
3. イムノブロット抗体を除く

トラブルシューティングガイド

トラブル1:シグナルが出ない

原因 解決策
1.一次抗体がワークしていない。 1. イムノブロットに最適化された抗体を使用してください。
2. アジ化ナトリウムがHRP基質を加えたインキュベーション時に存在している。 2. アジ化ナトリウムフリーでインキュベートしてください。
3. 一次抗体が種特異的IgGでない。 3. 一次抗体として種特異的IgGを使用し、種特異的なTrueBlotを使用してください。
4. サンプル中のターゲットタンパク質レベルがとても低い。 4. ポジティブコントロールとしてターゲットタンパク質を含むことが知られているサンプルを用いてください。
ロードするタンパク質量を最適化してください。
5. 抗原がブロッキング溶液中に存在している。 5.ブロッキング溶液を変更してください。

トラブル2:バックグラウンドが高い

原因 解決策
1. 一次抗体が最適化されていない 1. イムノブロットに最適化された抗体を使用してください。
2. 洗浄が不十分 2. 洗浄液の量と洗浄回数・時間を増やしてください。(*洗浄液の塩濃度を増やしてください。)
3. 膜が乾いてしまっている 3. 膜はイムノブロット中、乾燥させないでください。
Immobilon-PとPVDF膜はメタノールで飽和させ、バッファーで平衡化することが必須です。
4. ブロッキングが不十分 4. 5% (w/v) 脱脂ミルクが最もブロッキング溶液として適しています。
BSAはお奨めできません。
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商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては
使用しないように、十分ご注意ください。


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