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記事ID : 11505

SignaGen Laboratories(SGL)社 アデノウイルスとは


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特集

 

1953年にアデノウイルスが単離されると、哺乳類の分子生物学研究に貴重なツールとして広く知られるようになりました。アデノウイルスは、哺乳類細胞への遺伝子導入及び導入遺伝子発現の優れた媒体として、いくつかの際立った特徴を持っています。以下にアデノウイルスの生物学的概要を示します。

病理学

アデノウイルスは、いくつかの病気に関連していますが、その多くは軽度のもので、主に感染した上皮細胞の炎症及び損失です。サブグループC(血清型2、5)のウイルスは、年配者や幼児においてさまざまな呼吸器感染症を引き起こします。

ゲノム

アデノウイルスは、エンベロープを持たず、直径が80-110nmで、左右対称の二十面体のウイルスです。ヒトのアデノウイルスは5'末端に末端タンパク質(TP)を共有結合した、直線状2本鎖DNAゲノムを含んでいます。長さ約36,000bpのDNAは、ヒストン様タンパク質に覆われ、複製の開始点となる50-200bpの末端逆位配列(ITR;inverted terminal repeats)を持ちます。

構造

ヘキソン、ペントンベース、小塊状繊維は、遺伝子デリバリーに最も重要なカプシドタンパク質です。ヘキソンは、ウイルスカプシドの20個の三角面を形成します。カプシド中の240ヘキソンカプソマーは三量体で、それぞれは6つの他の三量体と相互作用しています。12個の頂点は、ペントンベース5つと線維3つの複合体からなるペントンカプソマーによって形成されています。個々のペントンカプソマーは5つのヘキソンカプソマー(頂点で収束する5面のそれぞれから1つずつ)と相互作用します。小塊状繊維は、線維ベースから突出しています。

アデノウイルスの形態
図1 アデノウイルスの形態

 

細胞への接着及び侵入

ウイルスのターゲット細胞レセプターへの接着は、線維の小塊状部分を介した高親和性結合に関係しています。ヒトのアデノウイルスの主要なレセプターは、コクサッキーBウイルスの受容体と同一で、コクサッキー/アデノウイルスレセプター(CAR)と呼ばれています。接着の後、細胞表面上でのペントンベースとαvインテグリンとの相互作用により、エンドサイトーシスを通してウイルスが細胞内に取り込まれます。一度細胞内に入ると、ウイルスは、ペントンベースによりエンドソームから逃れ、核膜孔複合体に移動し、ウイルスDNAを核内に放出し、転写を開始させます。転写、複製、ウイルスパッケージングは、感染細胞の核内で行われます。

アデノウイルスのインフェクションプロセス
図2 アデノウイルスのインフェクションプロセス

 

転写

複雑なスプライシングを伴う転写で、遺伝子は2本鎖両方から転写されます。アデノウイルスの転写は、初期と後期の2つのフェーズがあり、それぞれDNA複製の前と後に起こります。初期転写領域はE1、E2、E3、E4で、E1遺伝子産物は更にE1AとE1Bに細分されます。E1遺伝子産物は、ウイルスの複製に関係しています。遺伝子デリバリーツールとして用いる場合のウイルスの複製を回避し、細胞溶解を防ぐために、第一世代のアデノウイルスはE1遺伝子が除去されています。トランス状態でE1産物を生産する補完細胞系細胞株(例;QBI-HEK 293A細胞)に導入すると、ウイルスの複製が可能になります。

アデノウイルスゲノムの転写
図3 アデノウイルスゲノムの転写

 

E2領域はE2A及びE2Bに細分され、これらのタンパク質はウイルスDNAの複製と、それに続いて起こる後期遺伝子の転写の機構を担当します。
E3タンパク質のほとんどは、感染細胞の免疫応答の調節に関与し、in vitro でのウイルスの成長にはその機能は重要ではありません。従って、第一世代のアデノウイルスでは、E1に加えてE3も削除されていることが多くなっています(ΔE1/E3)。
E4領域にコードされる遺伝子の産物(ORFs 1-6/7と呼ばれる)は、ウイルスのメッセンジャーRNAの代謝に関係し、ウイルスDNAの複製を促進、ホストタンパク質の合成を阻害します。さらにE4産物はウイルスDNAの連結を防ぎます。

 

SignaGen Laboratories社では、各種研究のニーズに合わせたアデノウイルスに関連するスタンダード又はカスタム製品をや、増幅サービスを提供しています。カスタム製品・サービスについての詳細はお問い合わせください

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