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技術情報

アガロースと電気泳動について

記事ID : 15404

6. アガロース電気泳動 FAQ


【01】 アガロースを選ぶ時に考慮すべき点は何ですか?

アプリケーションに応じて選択します。一般的な電気泳動ゲルとしてはスタンダードまたは低融点アガロースを使用します。スタンダード、低融点GQT (Genetic Quality Tested)、そして分離(ふるい)用アガロースを使用して、長い、または短いサイズのDNA断片を分離し、その後はブロッティング、クローニング、PCR増幅などに使用します。

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【02】 どのようなアガロース濃度で使用したら良いですか?

一般に、核酸を分離するために使用されるアガロース濃度は、0.5%-4% ( D-5 agaroseを低濃度で使用する場合は0.3%)になります。最適な濃度はアガロースのタイプや分離する断片のサイズによって異なります。一般側としては、濃度が高い程、小さい断片を分離するということになります。

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【03】 ゲルからDNA断片を回収する場合、どんなバッファーを使用すれば良いですか?

TAEおよびTBEが一般的です。これらのバッファーは似ており、どんなタイプのアガロースでも使用できます。しかしアプリケーションによっては異なる特性を示します。

1X TAEバッファーは、イオン強度が低く、緩衝能も低いため、電気泳動時間が長い場合、再循環させる必要がでてきます。1X TAEバッファーは、長いDNA断片の分離を向上させます。

1X TBEバッファーは、高いイオン強度と高い緩衝能を持ち、長時間でも泳動できます。小さな核酸断片の分離、特にサイズ間の差異が小さい断片の分離にお勧めです。

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【04】 分析的電気泳動に推奨されるバッファーは?

TAE (1X)や TBE (1X or 0.5X)がいいでしょう。TAEなら大きなフラグメント (>10 kb) に対してより高い解像度を得ることができます。一方TBEは移動度が小さく、小さいフラグメント (< 1 kb)に対してより高い解像度を得ることができます。

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【05】 調製用の電気泳動での推奨バッファーは?

DNA断片をゲルから回収する場合、TAEバッファーを推奨します。TBEバッファーを使用すると、ホウ酸がアガロース多糖の水酸基と相互作用し、回収を阻害します。

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【06】 電気泳動中にバッファーの再循環は重要ですか?

再循環を行うことにより、泳動槽内におけるpH勾配の発生を防ぎ、さらにバッファーの減少を防ぐことができます。緩衝能の低いTAEバッファー使用時にお勧めします。

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【07】 電圧はいくらで実行する必要がありますか?

推奨電圧は水平型電気泳動において4-10 volt/cm(陽極と陰極間の距離で、ゲルの長さではありません)になります。

電圧があまりに低い場合、バンドの移動が抑えられ、拡散によるブロードニングが見られます。

逆に電圧がとても高い場合、ゲルが過剰に加熱されることを主な理由に、解像度が低下します。

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【08】 バンドが波打って現れる - 可能性のある原因は?

バンドの波うちで最もよくある理由は、乾燥したゲルの残骸がコームの歯につまっていることによるものです。これを防ぐために、コームはよく洗って、残存するゲル屑は除去しておくことが重要です。コームをゲルから抜くときに、コームでゲルの一部を引きずらないように注意することも必要です。ゲルを4℃で30分間静置する、コームを抜く前にゲルをバッファーに浸漬する等の工夫も有効な方法となります。

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【09】 どのくらいのDNA量を1ウェル当たりにロードすべきでしょうか?

DNA量は様々です、というのも、分離される各バンドの量が重要となるからです。 エチブロ染色で検出可能なDNA量の最低量は10ngです。明瞭かつはっきり観察が可能な1バンドあたりの最大DNA量は約100ngです。

これらの量は異なる染色方法を用いた場合には変化します。適切な量を決定するには、異なるレーンに異なる量のDNAを泳動して、条件検討をするとよいでしょう。

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【10】 最高の解像度を得るために、ゲルはどうのように準備すべきでしょうか?

ゲルの厚さはとても重要で、3-4mmが推奨です。
コームの厚さも同じく重要で、解像度に大きく影響します。薄いコーム (1 mm) だと非常にはっきりしたバンドを得ることができ、厚いコームだとバンドは太くなって低解像度につながります。

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【11】 アガロースを溶解する方法は何がおすすめでしょうか?

どんな方法でも適切でないことはありませんが、最も便利かつ迅速なのはやはり電子レンジを使う方法です。高濃度の場合には粘性や泡の発生により溶解が困難になるので、ウォーターバスによる煮沸がより簡単な方法となり得ます。またオートクレーブによる溶解は高濃度のアガロースを用いる場合や滅菌状態が求められる場合に非常に有効な方法となります。

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【12】 溶解の際に泡の発生を抑えるにはどのようにしたらよいでしょうか?

最も良い方法は、アガロース粉末について加熱による溶解を行う前に、10-15分間バッファー中で水和させることです。水和過程を経ることにより泡の量が減少し、溶解が簡単になります。電子レンジを使う場合にはアガロースを熱しすぎないことが重要です。もし電子レンジの設定が非常に高い場合には、 1分間加熱→電子レンジから取り出して注意深く攪拌→電子レンジに戻してまた1分加熱 という方法が泡を最小限に抑えるのにいい方法となります。

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