ページの本文へ移動

技術情報

定量的shRNAスクリーニングによる新規幹細胞機能制御遺伝子の同定

記事ID : 11672

定量的shRNAスクリーニングによる新規幹細胞機能制御遺伝子の同定
佐賀大学医学部 特別講師 西岡 憲一 先生 ご寄稿

4. 実験の考察


幹細胞機能を制御する新規候補遺伝子を次世代型(定量的)スクリーニング法で同定した。解析の結果、一部の遺伝子はES 細胞においてもその未分化性の維持に関与しており、また既知ポリコーム群遺伝子産物と何らかの相互作用が示唆される。これらのことから目標とする遺伝子がしっかり採れていると考えられるので、今回のスクリーニングは「意外に」うまくいったと判断している。うまくいった要因としては次の2 つがポイントであろう。まず今回はあえてF9 細胞という細胞株を用い、分化マーカーをレポーターとして採用するというように、系を少し変えたことである。加えて、FACS による分離は決してクリアなものではなかったが、ライブラリーの定量性がその問題点を克服したことだろう。これらによって意外に多くの新規遺伝子が同定できた。特に後者の定量性については極めて重要であると考えられる。これによって、解析した全てのshRNAコンストラクトについてランキングが付与されるので、これまでのプール型ライブラリーと比較すると情報量が格段に多くなっていることがわかる。例えば、今回は高発現群に濃縮されたshRNAコンストラクトを同定したが、同時に希釈されたものも同定している。これら希釈されたshRNAコンストラクトの多くは低発現群で濃縮されることが期待されるので、該当する遺伝子群は分化誘導に何らかの役割を担っていると考えられるのである。

お問い合わせ

商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては
使用しないように、十分ご注意ください。


メーカー・代理店一覧

サポート情報

SNSアカウント

オウンドメディア

※当社のWEBサイトはユーザーの利便性を最適にし、それを保証するためにクッキーを使用しています。
 このWEBサイトの利用を継続することで、クッキーの使用に同意することになります。

© COSMO BIO