プロトコールとトラブルシューティングガイド
一般的なプロトコールとトラブルシューティングガイドをご紹介致します。
ここでは推奨する希釈倍率とインキュベーション時間のみを記載していますので、特定の適用に応じた実際の希釈倍率についてはご自身でご検討ください。
技術情報
EY社 レクチンプロトコール
プロトコールとトラブルシューティングガイド
1. ビオチン標識レクチン
1. 組織切片もしくはブロットを洗浄してブロッキングを行います。非特異的な結合を防ぐためのブロッキングにはウシ血清アルブミン(BSA)もしくはスキムミルクの使用をお勧めしております。血清製品には糖タンパク質が含まれており、非特異的なバックグラウンドが高くなることがありますので、血清製品は使用しないでください。ブロッキング後、推奨するバッファーで軽く洗浄します。
2. ビオチン標識レクチンを推奨バッファーを用いて5-50 ug/ml の濃度に希釈します。モイスチャーチャンバー内にて、室温で30-90分間、切片もしくはブロットをインキュベートしてください。2-8 °Cでインキュベートをした場合、インキュベーション時間を少し長くしたほうがよいでしょう。推奨するバッファーで5分間、3回洗浄してください。
3. 製品添付説明書に従って、アビジンを希釈してインキュベートしてください。
注意:以下の手順を行うことで、レクチン結合の阻害を防ぐことができる可能性があります。
A. ステップ2 を行う前に切片もしくはブロットをinhibitory carbohydrateと一緒に室温で30-60 分間インキュベートを行う。
B. 切片もしくはブロットを加える前に、希釈したビオチン標識レクチンとinhibitory carbohydrateを一緒に室温で30-60 分間プレインキュベートを行う。
問題 | 原因 | 対処法 |
---|---|---|
染色が薄い、もしくは染色されない | 1. サンプルの特異的糖鎖の濃度が低い | 原因 1-4 a. インキュベーション時間を増やしてください b. (ブロット上の)サンプル、標識レクチン、アビジンの濃度を増やしてください |
2. 標識レクチンの濃度が低い | ||
3. アビジンの濃度が低い | ||
4. インキュベーション時間が足りない | ||
5. ラベルする前のサンプルの処理が適当でない | a. 切片あるいはブロットを違うブロッキング試薬で処理してください | |
バックグランドが高い | 1. レクチンやアビジンの暴露量が多い | a. それぞれの試薬の濃度を減らしてください b. インキュベーション時間を減らしてください |
2. 洗浄が不十分 | a. 洗浄の回数と時間を増やしてください | |
3. ブロッキングが不十分 | a. 切片あるいはブロットを違うブロッキング試薬で処理してください | |
4. サンプルに酵素活性がある | a. サンプルがアビジンなしでバックグランドの染色が起こるような酵素活性を持っているか調べてください | |
予想外の染色パターンになった | 多数の原因 | a. コントロール実験を行ってください b. 証明もしくは反証のために、他の細胞化学的手法を用いてください |