抗原にペプチドを用いる方法とリコンビナントタンパク質を用いる方法について、下表で比較します。
技術情報
immunoGlobe(IGL)社 抗体のイロハ
抗体の比較
ペプチド抗体 | リコンビナントタンパク質抗体 | |
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概要 | 抗原として精製タンパク質が不要 | 最も信頼できる抗原 |
エピトープ |
高精度なエピトープ情報を持つ抗体。 (アイソフォーム、スプライシングバリアント、マウスとヒト、その他種を区別する抗体を設計する上で有用) |
ほとんどの場合、複数のエピトープを持つため、反応性が高くロバストな抗体。抗原に対し、多くの結合部位を持つため、強力に標識します。 |
推奨される場面 | 推奨されている場合や簡便に抗体を作製する場合
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リコンビナントタンパク質が利用可能である場合、選ばれる方法
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精製方法 |
アフィニティー精製が必要。 動物にインジェクションする免疫原混合物中には、目的ペプチドがごくわずかな割合で存在します。他の成分として、キャリアタンパク質や (アジュバントとして使用される)種々のタンパク質を持つマイコバクテリアを含んでいます。そのため、粗ペプチド抗血清(ならびに総抗体画分)は、非常に「粗い状態(dirty)」です。この粗精製物を使用する場合、バックグラウンドが高くなってしまい、バンドが特異的であるか否かを判断することが困難な場合があります。したがって、ペプチドカラムを使用してペプチド抗血清を精製する必要があります。これはまた、QC目的にも有効です。 |
アフィニティー精製はほとんど不要。 一般に、精製タグ(GST、MBP、His6など)は、非常に高い免疫原性を示します。実際、融合タンパク質と反応する抗体の約半分は、タグに対する抗体の可能性があります。タグ特異的な抗体は、一般的なアッセイではほとんど干渉せず、通常バックグラウンドがみられることはありません。必要に応じて、タグ配列を含むアフィニティカラムでアフィニティー精製し、あらかじめ吸収します。(例:poly-His matrix) |
リスクアセスメント |
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抗原としてリコンビナントタンパク質を使用する場合、基本的にすべてのプロジェクトで抗体を得ることができます。得られた抗体は、(必要な場合)アフィニティー精製することができ、それぞれの抗原と反応します。 |
結論
Greenbaum J.A. et al. (2007). Towards a consensus on datasets and evaluation metrics for developing B-cell epitope prediction tools. J. Mol. Recognition 20 (2):75-82.
商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては
使用しないように、十分ご注意ください。