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技術情報

immunoGlobe(IGL)社 抗体のイロハ

記事ID : 15253

どちらの抗原がよいのか比較しました抗原:ペプチド vs リコンビナントタンパク質


抗原にペプチドを用いる方法とリコンビナントタンパク質を用いる方法について、下表で比較します。

抗体の比較

ペプチド抗体とリコンビナントタンパク質抗体の比較
 ペプチド抗体リコンビナントタンパク質抗体
概要 抗原として精製タンパク質が不要 最も信頼できる抗原
エピトープ
高精度なエピトープ情報を持つ抗体。
(アイソフォーム、スプライシングバリアント、マウスとヒト、その他種を区別する抗体を設計する上で有用)
ほとんどの場合、複数のエピトープを持つため、反応性が高くロバストな抗体。抗原に対し、多くの結合部位を持つため、強力に標識します。
推奨される場面 推奨されている場合や簡便に抗体を作製する場合
  • 翻訳後修飾に対する抗体作製(リン酸化、切断産物など)
  • 先行プロジェクトの再現
  • 公開データが文献から入手可能
リコンビナントタンパク質が利用可能である場合、選ばれる方法
  • 封入体や可溶性抗原として利用出来る場合、通常非常に高い免疫原性。
  • 例外的なケースとして、(タンパク質が異なる種間で非常によく保存されているなどの場合)にキャリアタンパク質への結合が必要になることがあります。
精製方法

アフィニティー精製が必要。

動物にインジェクションする免疫原混合物中には、目的ペプチドがごくわずかな割合で存在します。他の成分として、キャリアタンパク質や (アジュバントとして使用される)種々のタンパク質を持つマイコバクテリアを含んでいます。そのため、粗ペプチド抗血清(ならびに総抗体画分)は、非常に「粗い状態(dirty)」です。この粗精製物を使用する場合、バックグラウンドが高くなってしまい、バンドが特異的であるか否かを判断することが困難な場合があります。したがって、ペプチドカラムを使用してペプチド抗血清を精製する必要があります。これはまた、QC目的にも有効です。

アフィニティー精製はほとんど不要。

一般に、精製タグ(GST、MBP、His6など)は、非常に高い免疫原性を示します。実際、融合タンパク質と反応する抗体の約半分は、タグに対する抗体の可能性があります。タグ特異的な抗体は、一般的なアッセイではほとんど干渉せず、通常バックグラウンドがみられることはありません。必要に応じて、タグ配列を含むアフィニティカラムでアフィニティー精製し、あらかじめ吸収します。(例:poly-His matrix)

リスクアセスメント
  1. 免疫した合成ペプチドと反応する抗体を得る可能性は、ほぼ100%です。ほとんどの場合、高力価であり、血清50 mlから得られるペプチド特異的抗体の平均的な収量は、最低 2.5〜5 mg です。
  2. しかし、慎重にエピトープを選択し、高度に精製したペプチドを用いた場合でも、そのペプチド特異的抗体が天然のタンパク質(変性またはネイティブ)を認識しない場合があります。この問題はよく知られており、antibody conferences でトピックとして取り組まれています。[Greenbaum et al., 2007]
  3. ペプチド抗体は、短いエピトープ(通常 5-8aa)を認識しており、偶然にも、無関係のタンパク質内の同一または類似の配列を認識する場合があります。多くの場合、連続した5個のアミノ酸(時には3-4 aa)が同一であれば、交差反応性が生じます。非常に慎重にペプチドを選択をしても、統計的に、5 aa の同一性は、本質的に避けられません。
抗原としてリコンビナントタンパク質を使用する場合、基本的にすべてのプロジェクトで抗体を得ることができます。得られた抗体は、(必要な場合)アフィニティー精製することができ、それぞれの抗原と反応します。

結論

特別な場合を除いて、リコンビナントタンパク質やタンパク質断片は、ペプチド抗原よりも信頼性が高く経済的な抗原です。封入体もまた、優れた抗原です。リコンビナントタンパク質の収率が低い場合には、タンパク質が封入体に蓄積している可能性がありますが、ImmunoGlobe(IGL)社では、封入体を精製するノウハウを持っています。

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参考文献

Greenbaum J.A. et al. (2007). Towards a consensus on datasets and evaluation metrics for developing B-cell epitope prediction tools. J. Mol. Recognition 20 (2):75-82.

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