RNA干渉(RNAi : RNA interference)は、ノーベル生理学・医学賞受賞者の Andrew Z. Fire と Craig C. Mello(1) によって線虫の実験で発見され、 2001年には Elbashirら(2) により哺乳類での siRNAによる RNAi 誘導が明らかとなりました。従来の手法に比べ簡便であることから、今日では遺伝子の機能抑制方法として広く普及し、研究ツールの 一つとなっています。
RNAi とは、21〜23bpの短鎖二本鎖RNA(siRNA : small interfering RNA)または長鎖二本鎖RNA(double-strand RNA; dsRNA)が、その標的遺伝子の転写産物 (mRNA)の相同部分を切断することにより、遺伝子の発現を抑制する現象です。
RNAi の活性はトランスポゾンの転移や遺伝子発現制御、細胞運命の決定に関係しています。また、ウイルス感染防御の重要な因子となっています。RNAi の発見によって核酸医薬開発および遺伝子治療への応用への期待が高まっています。
(1) Fire, A.at al .,Nature 391: 806-811
(2) Elbashir SM, at al :Nature 411:494-498