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技術情報

サンタクルズ社 CRISPR-dCas Activation システムプロトコール

記事ID : 15331

CRISPR-Cas 技術を応用した最強の内在性プロモーター活性化システムCRISPR-dCas Activation レンチウイルス粒子 トランスダクションプロトコール


レンチウイルス粒子 トランスダクション

本プロトコールは、6ウェル組織培養プレートの1ウェル用です。それ以外のウェルやディッシュを使用する場合は、サイズに応じて細胞数や試薬の量を調整してください。

1日目

トランスフェクション24時間前に、6ウェル組織培養プレートに、1ウェルあたり 1.5 x 105 - 2.5 x 105 個の細胞を標準増殖培地 3mL 中に播種します(培地に血清や抗生物質が含まれていてもかまいません)。細胞を 40-80% コンフルエントに増殖させます。最初に播種する細胞数と、24時間後の細胞密度は、トランスダクションに使用する細胞の増殖速度に基づいて決定します。レンチウイルス粒子を用いたトランスダクションを成功させるには、状態が良く、サブコンフルエントになった細胞が必要となります。

2日目

完全培地に Polybrene® (品番: SC-134220)を加え、終濃度 5 µg/mL になるように調製します。プレートのウェルから培地を除去し、Polybrene® を添加した培地 3 mL/ウェル(6ウェルプレートの場合)に交換します。

注: Polybrene® は、電荷の相互作用を中和し、偽ウイルスカプシドと細胞膜を結合しやすくするポリカチオンです。Polybrene® の最適濃度は、細胞の種類によって異なるため、実験により決定する必要がある場合があります(通常は 2-10 µg/mL の範囲内)。Polybrene® 添加培地で長時間(12時間以上)培養すると、細胞によっては毒性を示すことがあります。

レンチウイルス粒子を室温で解凍し、使用前に穏やかに混合します。培地にレンチウイルス粒子を添加し、細胞に感染させます。プレートをゆっくり回して混合し、一晩インキュベートします。使用するウイルス粒子の量は、細胞株により大幅に変わります。

注: 解凍したレンチウイルス粒子は氷上で保管します。凍結融解を繰り返したり、ウイルス粒子を長時間室温に置いたりすると、ウイルスの力価が低下することがあります。
注: 初めて細胞にトランスダクションを行う際には、レンチウイルス粒子の量を何種類か試すことを推奨します。さらに、ウェルの内1つは、コントロールのレンチウイルス粒子(品番: SC-437282)を細胞にトランスダクションすることを推奨します。

3日目

培地を除去し、標準培地(Polybrene® 不含)3mL に交換します。細胞を一晩インキュベートします。

4日目

安定的に活性化されたクローンを選択するために、細胞の種類に応じて細胞を 1:3 から 1:5 で継代し、完全培地中で 24-48 時間インキュベートを続けます。抗生物質による選択(詳細は下記)を行う間、細胞をサブコンフルエントな状態で維持する必要があります。

5日目以降

ピューロマイシン二塩酸塩(品番: SC-108071)ハイグロマイシンB(品番: SC-29067)ブラストサイジンS硫酸塩(品番: SC-495389)を用いて、安定的に活性化されたクローンを選択します。選択に用いる抗生物質は、トランスダクションされなかった細胞を死滅させるのに十分な量を使用します。通常は、ピューロマイシン: 濃度 2-10 µg/mL、ハイグロマイシンB: 濃度 200-500 µg/mL、ブラストサイジンS硫酸塩: 濃度 1-20 µg/mL で十分ですが、使用する全ての細胞株で、選択に用いる抗生物質の容量検討を行うことを推奨します。耐性コロニーを同定するまで、 3-4 日ごとに、選択に使用する抗生物質を含む新しい培地に交換します。数種類のコロニーを選択して拡大培養し、標的遺伝子が安定的に活性化されているかを試験します。

注: 選択によって得られた抗生物質耐性クローンは、細胞のゲノムに活性化コンストラクトがランダムに挿入されているため、標的遺伝子の活性化レベルにばらつきがある可能性があります。
注: ウェスタンブロットによる遺伝子活性解析には、次の方法で細胞ライセートを調製します。 細胞を溶解する3日前に、培地を標準増殖培地(選択用抗生物質不含)に交換します。接着細胞を溶解する場合は、培地を吸引した後、細胞をPBSで洗浄し、掻き取ってから低速で遠心して細胞をペレットにします。浮遊細胞の場合は、培養細胞を遠心チューブに移し、低速で遠心して細胞をペレットにします。PBSで1回洗浄し、再度遠心します。100% コンフルエントの HEK 293 細胞や HeLa 細胞を使用する場合は、RIPA 溶解バッファーシステム(品番: SC-24948)100 µL をペレットに加えます。それ以外の細胞株や密度の異なる細胞を使用する場合は、RIPA 溶解バッファーシステムの量を実験により決定してください。細胞を超音波処理、または他の方法で破砕します。サンプルを氷上で10分間インキュベートした後にボルテックスし、再度氷上で10分間インキュベートします。4℃で20分間高速で遠心し、ライセートをクリアにします。BCA タンパク質アッセイキット(品番: SC-202389)を使用して、タンパク質濃度を測定します。
注: RT-PCR による遺伝子活性解析には、下記文献の手法を用いてRNAを抽出するか、市販のRNA抽出キットを使用します。
P. Chomczynski and N. Sacchi (1987). Single-step method of RNA isolation by acid guanidinium thiocyanate-phenol-chloroform extraction. Anal. Biochem. 162: 156-159)

バイオセイフティー

レンチウイルス粒子は、標準的なバイオセーフティーレベル2の組織培養設備でお取り扱いいただけます(また、他の感染性試薬と同じレベルの慎重さで取り扱ってください)。レンチウイルス粒子は複製能力がなく、トランスダクションによりコンストラクトが標的細胞のゲノムDNAに挿入された後、自己不活性化するように設計されています。

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商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては
使用しないように、十分ご注意ください。


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