技術情報
サンタクルズ社 CRISPR-dCas Activation システムプロトコール
CRISPR-Cas 技術を応用した最強の内在性プロモーター活性化システムCRISPR-dCas Activation レンチウイルス粒子 トランスダクションプロトコール
レンチウイルス粒子 トランスダクション
本プロトコールは、6ウェル組織培養プレートの1ウェル用です。それ以外のウェルやディッシュを使用する場合は、サイズに応じて細胞数や試薬の量を調整してください。
1日目
トランスフェクション24時間前に、6ウェル組織培養プレートに、1ウェルあたり 1.5 x 105 - 2.5 x 105 個の細胞を標準増殖培地 3mL 中に播種します(培地に血清や抗生物質が含まれていてもかまいません)。細胞を 40-80% コンフルエントに増殖させます。最初に播種する細胞数と、24時間後の細胞密度は、トランスダクションに使用する細胞の増殖速度に基づいて決定します。レンチウイルス粒子を用いたトランスダクションを成功させるには、状態が良く、サブコンフルエントになった細胞が必要となります。
2日目
完全培地に Polybrene® (品番: SC-134220)を加え、終濃度 5 µg/mL になるように調製します。プレートのウェルから培地を除去し、Polybrene® を添加した培地 3 mL/ウェル(6ウェルプレートの場合)に交換します。
レンチウイルス粒子を室温で解凍し、使用前に穏やかに混合します。培地にレンチウイルス粒子を添加し、細胞に感染させます。プレートをゆっくり回して混合し、一晩インキュベートします。使用するウイルス粒子の量は、細胞株により大幅に変わります。
3日目
培地を除去し、標準培地(Polybrene® 不含)3mL に交換します。細胞を一晩インキュベートします。
4日目
安定的に活性化されたクローンを選択するために、細胞の種類に応じて細胞を 1:3 から 1:5 で継代し、完全培地中で 24-48 時間インキュベートを続けます。抗生物質による選択(詳細は下記)を行う間、細胞をサブコンフルエントな状態で維持する必要があります。
5日目以降
ピューロマイシン二塩酸塩(品番: SC-108071)、ハイグロマイシンB(品番: SC-29067)、ブラストサイジンS硫酸塩(品番: SC-495389)を用いて、安定的に活性化されたクローンを選択します。選択に用いる抗生物質は、トランスダクションされなかった細胞を死滅させるのに十分な量を使用します。通常は、ピューロマイシン: 濃度 2-10 µg/mL、ハイグロマイシンB: 濃度 200-500 µg/mL、ブラストサイジンS硫酸塩: 濃度 1-20 µg/mL で十分ですが、使用する全ての細胞株で、選択に用いる抗生物質の容量検討を行うことを推奨します。耐性コロニーを同定するまで、 3-4 日ごとに、選択に使用する抗生物質を含む新しい培地に交換します。数種類のコロニーを選択して拡大培養し、標的遺伝子が安定的に活性化されているかを試験します。
P. Chomczynski and N. Sacchi (1987). Single-step method of RNA isolation by acid guanidinium thiocyanate-phenol-chloroform extraction. Anal. Biochem. 162: 156-159)
バイオセイフティー
レンチウイルス粒子は、標準的なバイオセーフティーレベル2の組織培養設備でお取り扱いいただけます(また、他の感染性試薬と同じレベルの慎重さで取り扱ってください)。レンチウイルス粒子は複製能力がなく、トランスダクションによりコンストラクトが標的細胞のゲノムDNAに挿入された後、自己不活性化するように設計されています。
商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては
使用しないように、十分ご注意ください。