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技術情報

セルバイオラボ社 レンチウイルスによる遺伝子デリバリー

記事ID : 6974

2. レンチウイルスの精製 / 濃縮


使用するキット

  • ViraBind™ Lentivirus Concentration and Purification Kit(品番;VPK-090)

【特長】

  • 迅速:4〜6時間でウイルス精製
  • 高回収率:in vivo 研究に十分な500倍,109〜1010 TU/ml まで濃縮
  • 高純度:回収率は60%以上

【構成内容】

  1. ViraBind™ Lentivirus Reagent A (100X)
  2. ViraBind™ Lentivirus Reagent B (100X)
  3. Purification Columns
  4. Centrifugal Concentrators
  5. Purification Buffer

プロトコール

I:精製と濃縮


図1 プロトコール

※下記の方法は,100mL のレンチウイルス上清の精製および濃縮用に記載しています。

※100mL より少ないウイルス上清をご使用される場合は,Reagent A,B(ステップ1)と精製バッファー(ステップ5)の量をご調整ください。

  1. 1mL のViraBind™ レンチウイルスReagent A(100x)を100mL のウイルス上清に加えて混合します。混合後すぐに1mL のReagent B(100x)を加えて混合します。
  2. 37℃で60分インキュベートします。
  3. レンチウイルス混合液を15分間10,000 x g で遠心します(ペレットがご確認いただけます)。
  4. 培地を注意深く吸い取り,ペレットを採取します。
  5. ペレット化されたレンチウイルス複合体を2mL の精製バッファーで再懸濁します。
    ペレットを溶かすためにボルテックスします(白濁したように見えます)。
  6. 遠心チューブに溶かしたレンチウイルス複合体を入れ,10,000xg で5分間遠心します。
    ここで,溶けなかった物質を除去します。上清を他のチューブに移します。
  7. 遠心型濃縮用チューブを組み立てます(図2)。
  8. 0.5mL の溶かしたレンチウイルス複合体を濃縮用チューブ内のsample reservoir にアプライします。
    濃縮用チューブをセットし,卓上型遠心機で10,000 x g,10分遠心します。
    サンプルが濃縮されたら、次の濃縮用チューブにレトロウイルスを追加して下さい。
    フロースルーは捨てます。
  9. レンチウイルス液が200μl になるまで濃縮します。
  10. 清潔なリカバリーを用いてレンチウイルス液を集めます。
    最終量が200μl になるように精製バッファーで調節します。

    図2 遠心型濃縮用チューブ

II.精製カラム

  1. 精製カラム内(図3)のマトリクスを上下に振って完全に懸濁します(白濁するまで混合します)。
  2. 精製カラムを50mL のコニカルチューブにいれ,1,000rpm で3分間遠心します。
  3. 精製カラムの底のチップを取り除き,すぐに空の50mL コニカルチューブに入れます。
    青色のキャップを緩め,充填材の液を自然落下で落とします。
  4. 充填材の液が完全に落ちたら,200μl の濃縮したレンチウイルス液をカラムに加えます。
    充填材にいきわたるようにゆっくりと加えます。
  5. 濃縮したレンチウイルス液が充填材入れ,滴下が終わったら,コニカルチューブ内のフロースルーを捨てます。
  6. ゆっくりと800μl の精製バッファーをカラムの上部に加えます。充填剤にいきわたるようにゆっくりと加えてください。
    滴下が終わったら,注意深く3mL の精製バッファーを同様に加えてください。
  7. カラムの滴下が止まったら,精製カラムを新しい50mL のコニカルチューブに移します。
  8. 2.0mL の精製バッファーをカラムに加えて,フロースルーを採取します。

    図3 精製カラム

III.バッファー置換と濃縮

  1. 遠心型濃縮用チューブを図2の通り組み立てます。
  2. 0.5mL のリカバーしたレンチウイルスフラクション(上記ステップ8)を遠心型濃縮用チューブ内の sample reservoir にアプライします。濃縮用チューブを卓上型遠心機に入れ,10,000 x g で5分間遠心します。フラクションサンプルが濃縮されたら,濃縮用チューブに追加のレンチウイルスをいれ, 遠心します。フロースルーは廃棄します。
  3. レンチウイルスフラクションを100μl になるまでsample reservoir 内で濃縮します。
  4. 400μl のPBS またはご希望のバッファーを濃縮用チューブに加え,100μl になるまで遠心します。
  5. ご希望の量まで濃縮します。
  6. 新しいリカバリーチューブを用いて,濃縮されたサンプルを集めます。
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