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研究用

GTP結合タンパク質【概要】

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GTP結合タンパク質とは?

1980年代初めに、ヒト癌細胞からRasタンパク質の突然変異した形質転換型が同定され、これらのsmall GTPaseは癌の遺伝的根拠の裏付けおよび新たな抗癌治療の開発における新たな研究対象となりました。さらに、Rasタンパク質は細胞生物学の多様な現象をコントロールする複雑なシグナルネットワークに不可欠な要素であり、シグナルのノードとして確立しています。

Rasタンパク質はsmall GTPaseのスーパーファミリーのメンバーです。このファミリーは100以上のヒト由来のメンバーで構成され、GDP/GTPを制御する2進(ON /OFF)スイッチとして機能します。これらのメンバーは共通の基本的生化学機能を共有する一方、非常に多様な細胞現象のコントローラーとしても機能します。ヘテロ三量体G-タンパク質および他のGTPaseとともに、このファミリーのタンパク質は細胞行動の抑制における非常に万能なメカニズムを構成します。特に、Rhoブランチのメンバーは、細胞-細胞間および細胞-マトリックス間の相互作用と同様に細胞増殖、細胞移動および細胞形態のキーレギュレー ターとして出現します。
Rasスーパーファミリーは少なくとも5つの主要なブランチから構成されています(表参照)。Rhoブランチは、最も研究されているRhoA、RacおよびCdc42と一緒に第2の主要なブランチを構成します。Rabブランチは最も大きく、Arf/Sarブランチのメンバーとともに細胞内小胞輸送のレギュレーターとして機能します。Ranはブランチの単独メンバーで、タンパク質およびRNAの核-細胞質間輸送の重要なレギュレーターです。

代表的なRasシグナル経路は、ERK MAPキナーゼの活性化を引き起こすMEKを活性化するRafセリン/スレオニンキナーゼのRas活性です。最近の研究では、Rasシグナルが他のRas スーパーファミリータンパク質の活性化にも関与することが発見されました。多くのRasエフェクターはグアニン・ヌクレオチド交換因子(GEFs)として 機能します。

Rasスーパーファミリー

●Rasスーパーファミリーのメンバー
Ras H-Ras N-Ras K-Ras R-Ras
kB-Ras2 TC21/R-Ras2 M-Ras/R-Ras3 Rap1A/Krev-1 Rap1B
Rap2A Rap2B Rap2C Rit1 Rit2
Rin DexRas/RasD1 RasD2/Rhes Rad Kir/Gem
Rheb1 Rheb2 Noey2/ARHI Di-Ras1/Rig Di-Ras2
Eras Rerg RalA RalB kB-Ras1
Rem Rem2      
Rho RhoA RhoB RhoC Rac1
Rac2 Rac3 RhoG Cdc42 TC10
TCL/TC10b Rif Chp/Wrch-2 Wrch-1 Rnd1
Rnd2 Rnd3/RhoE RhoH/TTF RhoD RhoBTB-1
RhoBTB-2 Miro-1 Miro-2    
Ran Ran      
Arf/Sar Arf1 Arf2 Arf3 Arf4
Arf5 Arf6 Sar1a Sar1b Arl1
Arl2 Arl3 Arl4 Arl5 Arl6
Arl7 Ard1      
Rab Rab1A Rab1B Rab2 Rab3A
Rab3B Rab3C Rab3D Rab4 Rab5A
Rab5B Rab5C Rab6 Rab7 Rab8
Rab9 Rab10 Rab11A Rab11B Rab12
Rab13 Rab14 Rab15 Rab16 Rab17
Rab18 Rab19 Rab20 Rab21 Rab22
Rab23 Rab24 Rab25 Rab26 Rab27A
Rab27B Rab28 Rab29 Rab30 Rab31
Rab32 Rab33A Rab33B Rab34 Rab35
Rab36 Rab37 Rab38 Rab39  

商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。

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