Shuttle PIPキャリアーと標識キャリアーのご紹介です。
背景
ホスフォイノシチド類は真核細胞を構成するリン脂質の中でもごくマイナーな画分のひとつに過ぎませんが、機能面ではきわめて多くの物質制御やシグナル伝達の過程において重要な役割を占めています。このうち最もよく知られているのはホスフォリパーゼC介在型の二次メッセンジャー産生反応で、ここではホスファチジルイノシトール(4,5)2リン酸(PtdIns(4,5)P2)が代謝されてホスファチジルイノシトール(3,4,5)3リン酸(PtdIns(3,4,5)P2)とジアシルグリセロール(DAG)が生じることが知られています。これらの分子作用は瞬間的かつ隔離的に進行するため、これを完全に特徴づけるためにはホスフォイノシチドの局在箇所の変化を視覚的にモニターすることが必須となります。生物学的活性を有する蛍光性ホスフォイノシチドはシャトルPIPキャリアーと共存することによって生細胞へと運搬され、生細胞での輸送過程を視覚化するための様々な研究材料を提供します。他の方法、例えばプロテインキナーゼC の基質部位に相当するPleckstrin相同性ドメインのGFPキメラを用いた解析等と比較すると、複数の可溶性イノシトールリン酸エステルを並行して検出できるためさほど複雑なものではなく、結果のバラツキも少なくなっています。
シャトルPIPキャリアーは高分子を基調とした分子構造を持ち、基本的には細胞内におけるホスファチジルイノシトール2リン酸やホスファチジルイノシトール3リン酸の生細胞への取り込みを助長し、電気的に中性な複合体を形成します。シャトルPIPとホスフォイノシチドの複合体の取り込み反応はわずか数分のインキュベーションで完了し、哺乳動物や酵母、植物等のセルタイプで効果を発揮します。
シャトルPIPキャリアー1と2はホスフォイノシチド3リン酸エステルやホスフォイノシチド2リン酸エステルを運搬するのに有効ですが、ホスファチジルイノシトールやそのモノリン酸エステル誘導体の運搬には寄与しません。非標識、あるいは蛍光標識されたシャトルPIPキャリアーが商品化されており、特に標識品はキャリアーと被運搬物であるホスフォイノシチドがどこへ運ばれたかを分別的品に視覚化するのに役立ちます。
Shuttle PIPキャリアーと標識キャリアー
品名 | メーカー | 品番 | 包装 | 希望販売価格 |
---|---|---|---|---|
Unlabeled Shuttle PIP Carrier 1![]() |
ECL | P-9C1 | 1 KIT [2 x 50 nmol] |
¥42,000 |
Unlabeled Shuttle PIP Carrier 2![]() |
ECL | P-9C2 | 1 KIT [50nMol x 2] |
¥42,000 |
Unlabeled Shuttle PIP Carrier 3![]() |
ECL | P-9C3 | 1 KIT |
¥42,000 |
TMR Labeled Carrier 1 (Neomycin B Sulfate)![]() |
ECL | P-9C1R | 1 KIT [20 ul] |
¥85,000 |
TMR Labeled Shuttle PIP Carrier 2![]() |
ECL | P-9C2R | 1 KIT [20 ul] |
¥85,000 |
関連商品
品名 | メーカー | 品番 | 包装 | 希望販売価格 |
---|---|---|---|---|
Nonfluorescent Carrier Pack![]() |
ECL | P-9C00 | 1 PACK |
¥67,500 |
Fluorescent Carrier Pack![]() |
ECL | P-9CFL | 1 PACK |
¥148,000 |
商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。
※ 表示価格について