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研究用

抜群の安定性を誇る蛍光試薬 Fluolid-PM

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メーカー名:株式会社アイエスティー

Fluolid-PM は、従来の Alexa Fluor® や Cy よりも光や経時変化に非常に安定で、長期保存可能な標本を作製できるパワフルな蛍光試薬です。
※本商品は脱水状態で蛍光強度の増加が認められる性質を持つ為、免疫染色を行う際は最後に脱水処理の後、非水溶性封入剤で封入することをおすすめしております。

 

※Alexa は Life Technologies 社の商標または登録商標です。
※Cy は GE Healthcare 社の商標または登録商標です。

背景

北米を中心としたバイオケミストリー分野では、疾病治療、疾病診断および疾病の発生メカニズムなどの研究が盛んに行われています。
これらの研究開発においては、生体分子に蛍光色素を化学結合させ、基板上でターゲットを染色して画像化する分析手法が用いられています。
ここで、主に用いられている蛍光標識試薬は、大変高価なものでありますが物理安定性が低いなど、多くのデメリットを抱えています。
新規蛍光色素試薬 「Fluolid-PM」 は、平成15年度より福岡県の支援を得て、従来の蛍光試薬よりも光や熱などに対し安定性が高い蛍光試薬として開発を行ってきました。

様々な安定性試験

1. 光安定性

光安定性
(画像はクリックで拡大されます)

図1
実験: Fluolid Orange, Alexa 488, Cy3 で標識したオリゴヌクレオチドを励起波長 488nm で150秒間ブリーチングした。
結果: Alexa488 や Cy3 と比較して Fluolid Orange で標識したオリゴヌクレオチドは非常に安定している。

 

2. 経時変化に対する安定性

経時変化に対する安定性
(画像はクリックで拡大されます)

図2
結果: 常温保存したサンプル基盤において、長時間保存可能

 

3. 脱水の影響

【Fluorid-PM の蛍光強度に対する脱水の影響】

Fluorid-PM の蛍光強度に対する脱水の影響
(画像はクリックで拡大されます)

図3
実験: Fluolid-PM-streptavidin を 800X 希釈濃度にして、尿細管の微絨毛を b-PNA を用いて染色した。b-PNA 染色を行い写真撮影後、同一切片をエタノール・レモゾールで脱水・透徹し、Softmount で封入した後、写真撮影を行った。上段が対物レンズ 10X で下段が 20X の倍率、左側が脱水前で、右側が脱水後、露出時間は1.0秒に統一した。
結果: 脱水・透徹により明らかに蛍光強度の増加が認められた。

Fluorid-PM の蛍光強度に対する脱水の影響
(画像はクリックで拡大されます)

図4
実験: 同様にして標本作製を行い、対物レンズ 40X で写真撮影。図3と同じ1.0秒の露出時間では、脱水後の標本がハレーションを起こすので、露出時間を脱水前と脱水後共に 200.0 ミリ秒にした。
結果: 脱水・透徹により明らかに蛍光が増強された。

 

【Alexa 488 の蛍光強度に対する脱水の影響】

Alexa 488 の蛍光強度に対する脱水の影響
(画像はクリックで拡大されます)

図5
実験: Alexa 488-streptavidin を 1000X 希釈濃度にして、尿細管の微絨毛を b-PNA を用いて染色した。b-PNA 染色を行い写真撮影後、同一切片をエタノール・レモゾールで脱水・透徹し、Softmount で封入した後、写真撮影を行った。上段が対物レンズ 10X で下段が 20X の倍率、左側が脱水前で、右側が脱水後、露出時間は1.0秒に統一した。
結果: 脱水・透徹により明らかに蛍光強度は減少した。

Alexa 488 の蛍光強度に対する脱水の影響
(画像はクリックで拡大されます)

図6
実験: 同様にして標本作製を行い、対物レンズ 40X で写真撮影。脱水前は図5と同じ1.0秒の露出時間ではハレーションを起こすので、露出時間を 200.0 ミリ秒にした。
結果: 脱水・透徹により明らかに蛍光強度は減少した。

 

4. 電子線への耐久性

照射条件:
加速電圧 15 kV, エミッション電流 10 mA, 倍率 ×600
電子線への耐久性
(画像はクリックで拡大されます)

図7
Fluolid は Cy3 に比べ電子線に対して高い耐久性を有することが判明。

蛍光試薬技術と新規蛍光電子顕微鏡技術との融合

画像提供:九州大学病院 金丸 孝昭氏

蛍光試薬技術と新規蛍光電子顕微鏡技術との融合
(画像はクリックで拡大されます)

図8

蛍光試薬技術と新規蛍光電子顕微鏡技術との融合
(画像はクリックで拡大されます)

図9
Fluolid-Or 標識したミセル(人工リポソーム)をマウス腹腔内へ投与24時間後回収した膵癌播種組織像
(蛍光以外の組織の緑は自家蛍光)

蛍光試薬技術と新規蛍光電子顕微鏡技術との融合
(画像はクリックで拡大されます)

図10
Effective transgene expression without toxicity by intraperitoneal administration of PEG-detachable polyplex micelles in mice with peritoneal dissemination., Journal of Controlled Release, Vol. 160, Issue 3, 542-551, (2012).

Fluorid-PM タンパク質・抗体標識キット

[構成内容]

  • 1.0 mM Fluolid-PM succinimidyl ester DMSO溶液 (20 μL×3)、1回 16μL 使用するため 3回分
  • 0.2 M Sodium bicarbonate pH8.3 (240 μL×3)、1回 234μL 使用するため 3回分

 

[使用例]

二次抗体への標識(Western Blotting)

 

二次抗体への標識 (Western Blotting)
抗体: Goat Anti-Mouse IgG
反応系: 200 μL
抗体量: 200 μg
反応時間: 30 min
SDS-PAGE
抗体量:10 μg/well
HC: Heavy chain
LC: Light chain
 
Fluolid-PM 色素量(nmol)
Green 20
Yellow 20
Orange 10
Red 20
品名 メーカー 品番 包装 希望販売価格
IST Fluolid-PM Red 660 Protein Labeling kit詳細データ ISU IST P014-PM 1 KIT
¥40,000
IST Fluolid-PM Orange 600 Protein Labeling kit詳細データ ISU IST P013-PM 1 KIT
¥40,000
IST Fluolid-PM Yellow 550 Protein Labeling kit詳細データ ISU IST P012-PM 1 KIT
¥40,000
IST Fluolid-PM Green 520 Protein Labeling kit詳細データ ISU IST P011-PM 1 KIT
¥40,000

Fluorid-PM ストレプトアビジン標識キット

[構成内容]

  • 2.0 mM Fluolid-PM succinimidyl ester DMSO溶液 (50 μL×3)、1回 40μL 使用するため 3回分
  • 0.2 M Sodium bicarbonate pH8.3 (250 μL×3)、1回 230μL 使用するため 3回分
  • 0.2 M Sodium bicarbonate pH8.3 (250 μL×3)、1回 230μL 使用するため 3回分

 

本キットで作成した「ストレプトアビジン-Fluorid」を使った免疫組織染色のプロトコールの一例
抗体標識(パラフィン切片)ー免疫染色手順 PDF

品名 メーカー 品番 包装 希望販売価格
IST Fluolid-PM Red 660 Streptavidin Labeling kit詳細データ ISU IST SA014-PM 1 KIT
¥40,000
IST Fluolid-PM Orange 600 Streptavidin Labeling kit詳細データ ISU IST SA013-PM 1 KIT
¥40,000
IST Fluolid-PM Yellow 550 Streptavidin Labeling kit詳細データ ISU IST SA012-PM 1 KIT
¥40,000
IST Fluolid-PM Green 520 Streptavidin Labeling kit詳細データ ISU IST SA011-PM 1 KIT
¥40,000

商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。

お問い合わせ

「Fluolid-PM」は、下記のカテゴリーに属しています。

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