アポトーシスは、そのプロセスのさまざまな段階に関与する特性のいずれかをモニターすることで検出できます。実際には、時間と資源の制約から、1つのアッセイでできるだけ多くのデータが得られる方法が推奨される傾向にあります。
細胞周期の研究は有用ですが、アポトーシスを起こしている細胞とネクローシスを起こしている細胞を区別することはできません。アポトーシスを特異的に検出するより良い方法は、ミトコンドリア膜電位アッ セイやTUNELアッセイを行ってDNAの断片化をチェックすることです。しかし、これはそれぞれ初期および後期のアポトーシスの検出にしか適していません。
初期のアポトーシス細胞は、アネキシンVが陽性で、PI(ヨウ化プロピジウム)が陰性なので、アネキシンVとPIの両方が陽性となる後期のアポトーシス細胞や壊死細胞と区別することができます。
[注目の研究論文]
図1.コンフルエントな単層のHK-2尿細管細胞のアポトーシスとネクローシスに対するFSSの効果。Cell Meter Annexin V Binding Apoptosis Assay Kit(品番:22824)を使用。
(A)細胞をAnnexinVで染色した後、直ちにフローサイトメトリーを用いてホスファチジルセリン(AnnexinV、X軸)とプロピジウムヨード(PI)の取り込み(PIの蛍光、Y軸)の分析を行った。生細胞、初期アポトーシス細胞、壊死細胞(一次性または二次性)は、それぞれAnnexinV-/PI-(左下)、AnnexinV+/PI-(右下)、AnnexinV+/PI+(右上)で区別した。
(B)初期のアポトーシスとネクローシスの細胞の割合を定量化し、結果を細胞の総数に対するパーセンテージで表した。
Damien et al., PLoS One . 2015 Jul 6;10(7):e0131416. doi: 10.1371/journal.pone.0131416.