蛍光体で標識された抗体の使用は、生物学的研究において強力なツールとなります。
蛍光体は生物学的に重要な役割を果たしているため、用途に応じて理想的な蛍光体を特定し、合成するために多くの研究が行われてきました。
議論の余地はありますが、理想的な蛍光体は、一般的に以下のような性質を1つ以上備えています。
- 高い消衰係数と量子収率を特徴とする強い蛍光
- 光安定性が高く,光退色が起こりにくい
- pHなどの異なる環境条件での耐性
- バックグラウンドへの干渉や自家蛍光が少ない
図1. iFluor™ 488ヤギ抗マウスIgGと従来のFITCヤギ抗マウスIgGの光退色速度の比較
HeLa細胞のチューブリンを一次抗体で処置後、iFluor™ 488ヤギ抗マウスIgG(上段) あるいはFITCヤギ抗マウスIgG (下段) で標識した。画像はKeyence X710蛍光顕微鏡で60秒間隔で撮影した。TFIはソフトウェアで計算した全蛍光強度(Tofal Fluorence Intensity)を示している。
図2.蛍光シグナルの比較
HeLa細胞を、抗チューブリン抗体でインキュベートした (コントールは抗体なし)。
続いて、iFluor™ 488ヤギ抗マウスIgG (左、緑) あるいは Alexa Fluor®488ヤギ抗マウスIgG (右、緑) で標識した。
細胞核は ヘキスト33342(青)で染色した。