記事ID ： 11619

CFSEより有用なフローサイトメトリー用蛍光プローブ細胞増殖モニタリング試薬 CytoTell™

メーカー名：AAT Bioquest, Inc. (Former ABD Bioquest, Inc.)

細胞増殖モニタリング試薬 CytoTell™は、CFSEより有用なフローサイトメトリー用蛍光プローブです。

背景

蛍光染色を利用したフローサイトメトリーは、異種性の細胞群を分析できる強力なツールです。

既存の蛍光色素の中で、CFSE は細胞増殖の指示薬として生細胞の分析に広く用いられています。しかし、細胞増殖のモニターにCFSEを使用することにはいくつかの深刻な問題点があります。

CFSE は細胞に対して高い毒性を持ちます。全てのアミノ基に無差別に反応し、多くの重要な細胞内タンパク質（細胞膜GPCRなど）の機能を変化させます。
反応が遅く、不便です。2世代目の細胞のCFSEの蛍光強度は、1世代目よりも10倍低くなるため、細胞増殖分析を開始するのに1世代待つ必要があります。
培地の除去が必要です。CFSEが培地の成分と反応してしまうため、フローサイトメーターで細胞を分析するためには培地を除去する必要があります。

特長

CytoTell™ Greenは、上記CFSEの問題点（「背景」の項を参照）を解決するために開発されました。

細胞毒性が非常に低く抑えられます。プローブは、色素を細胞外に排出するMDRとの相互作用を最小限にするように設計され、細胞内に留まることができます。
CFSEより反応が早く、使いやすくなっています。1世代目と2世代目に蛍光強度のギャップはありません。細胞の分裂時に、CytoTell™ Greenが娘細胞に均等に配布されることから、色素の蛍光強度が1/2になることを利用して測定することができます。
培地成分と反応しないことから、測定時に培地を除去する必要はありません。
CFSEよりも高感度で、最大で9世代まで視覚化できます。
CFSEよりも安定です。ストック溶液は室温で数日間保存できます。

使用例

CytoTell(TM) Green及びCFSEを用いた細胞追跡
図1　CytoTell™ Green及びCFSEを用いた細胞追跡
Jurkat細胞（～2×106 cells/mL）をCytoTell™ Green及びCFSE（0.5μM）で染色した（Day0）。細胞は1：1の割合で9日間継代し、フローサイトメーターで測定した（FACS Calibur、FL1チャネル）。

FAQ: CytoTell™Blue(品番：22251)でT細胞を染色するにはどうすればよいですか？

CytoTell™Blue（Cat＃22251）のバイアルに追加するDMSOの量を教えてください。

500uL DMSOをバイアルに添加し「500X DMSOストック溶液」を調製ください。※本商品のバイアル内は滅菌されています。

細胞染色液はどのように調製すればよいですか？

「500X DMSOストック溶液」をHHBS (Hanks and 20 mM Hepes buffer) またはお好みのバッファーで1～500倍に希釈し、1X dye working solutionを準備します。

フローサイトメーターで分析する前に、細胞をどのくらい染色すればよいですか？

室温または37°C下で、 1X dye working solution で細胞を30分間インキュベートします。
　その際遮光を行ってください。

細胞増殖モニタリング試薬 CytoTell™

品名	メーカー	品番	包装	希望販売価格
CytoTell^TM Blue	ABD	22251	500 TEST	￥24,000
CytoTell^TM Blue	ABD	22252	1000 TEST [2x500 Tests]	￥36,000
CytoTell^TM Green	ABD	22253	500 TEST	￥24,000
CytoTell^TM Green	ABD	22254	1000 TEST [2x500 Tests]	￥36,000
CytoTell^TM Red 650	ABD	22255	500 TEST	￥24,000
CytoTell^TM Red 650	ABD	22256	1000 TEST [2x500 Tests]	￥36,000
CytoTell^TM Red 590	ABD	22261	500 TEST	￥36,000