高感度に Lysosome を特異的に検出 Cell Navigator™ リソソーム染色キット

Cell Navigator™ リソソーム染色キットは、リソソーム（Lysosome）を高感度かつ特異的に検出することができます。

図1. Cell Navigator™ Redリソソーム染色キットで染色したU2OS細胞の画像

リソソームについて

リソソーム（Lysosome）は、廃棄物や細胞の残骸を分解する酸性加水分解酵素を含有する細胞内小器官です。リソソームは過剰または消耗したオルガネラ、食物粒子、貪食したウイルスや細菌を消化します。リソソームを覆う膜により、消化酵素はpH 4.5の条件下で作用します。リソソームはプロトンポンプとクロライドイオンチャネルを介して細胞質からプロトンを汲み上げることで、このpH勾配を維持しています

Cell Navigator™蛍光イメージングキットは細胞膜、リソソーム、ミトコンドリア、核等といった細胞内小器官を標識する蛍光イメージングツールのセットです。生細胞のコンパートメントを選択的に標識することは、空間・時間的に細胞現象を解析するうえで、強力なツールとなります。この特殊なキットでは、蛍光色素により生細胞のリソソームを標識することができます。

本キットで用いられているリソソーム向性色素であるLysoBrite™ は、恐らくリソソームのpH勾配によりリソソームへ選択的に蓄積されます。このリソソーム向性指示薬は無傷生細胞を容易に透過する疎水性化合物で、細胞に入り込んだ後にリソソームへ捕捉されます。蛍光強度はリソソームへ移行することで著しく上昇します。この特長によりバックグラウンドの染色が大きく抑制されるため、細胞接着、化学走性、多剤耐性、細胞生存率、アポトーシス、細胞毒性といった種々の研究に有用です。この色素は増殖性細胞と非増殖性細胞の両方に適合し、また接着細胞と非接着細胞の両方に使用できます。LysoBrite™ 色素は既存のリソソーム向性色素と比べ、著しく優れています。既存のリソソーム向性色素は数時間しか使用できないのに対し、LysoBrite™ 色素は毒性が非常に少なく1週間まで生細胞内に留まります。LysoBrite™ は定着性があり、数世代の細胞分裂でも残存します。加えて、LysoBrite™ 色素は既存の色素に比べて光安定性が向上しています。

• 極小の細胞毒性：細胞毒性は観察されず
• 多様な波長：Ex/Em = 450/505, 542/556, 575/597, 596/619 nm
• 向上したシグナル強度：既存競合色素の10倍高い強度
• 極めて高い光安定性：2分間の露光で退色なし
• 優秀な細胞内保持：HeLa細胞の追跡で5回以上の継代

• LysoBrite™（リソソーム染色蛍光色素）
• 生細胞染色バッファー

1. 細胞の調製
2. 色素溶液の添加
3. 37℃で30分間インキュベート
4. 細胞を洗浄
5. 蛍光顕微鏡観察

図2. A: Cell Navigator™ Redリソソーム染色キット、B: 既存のリソソーム向性色素で染色したHeLa細胞の画像。
シグナルはオリンパス社の蛍光顕微鏡を用いて、露光時間0秒と120秒で比較した。

図3. A: Cell Navigator™ Redリソソーム染色キット（上部）と、B: 既存のリソソーム向性色素（下部）によるHeLa細胞染色画像。
シグナルは5回の継代ごとにオリンパスの蛍光顕微鏡で測定した。

【関連情報】

• AAT Bioquest社 細胞骨格とオルガネラ 蛍光プローブ

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