Amplite™ リシンオキシダーゼ活性アッセイキットは、リシンオキシダーゼ(lysine oxidase)活性を蛍光測定するキットです。
背景
リシンオキシダーゼとは?
リシンオキシダーゼ(LOX)は、コラーゲンとエラスチン前駆体のリシン残基にアルデヒド基を形成する反応を触媒する細胞外酵素です。これらアルデヒドは反応性が高く、他の酸化リシン由来アルデヒド基や無修飾のリシン残基と自発的な化学反応を起こします。
その結果、コラーゲン原線維の安定化や、成熟エラスチンの完全性と弾性に重要な、コラーゲンとエラスチンの架橋が生じます。リシンオキシダーゼは腫瘍抑制因子である可能性が見出されています。生理学的なサンプルでのリシンオキシダーゼ活性は伝統的に信頼性の観点から、煩雑な減圧処理によるトリチウム水の回収を伴う放射性標識コラーゲンまたはエラスチンを用いたトリチウム放出エンドポイントアッセイにより評価を行います。
使用目的
本キットでは、LOXによる酸化に伴い過酸化水素を生成する専売のLOX基質を採用することで、LOX活性の高感度蛍光アッセイが可能となりました。
LOXによる酸化で生じた過酸化水素の量はHRP共役反応の基質となるAmplite™により検出します。この方法によりng/mL以下のリシンオキシダーゼを検出でき、既存の蛍光アッセイに比べて高感度で測定できます。この方法は、ある種の生理学的なサンプルによって起こる干渉を排除するため、細胞培養実験でのリシンオキシダーゼ活性を直ちに測定することができます。なお、このキットにはリシンオキシダーゼ酵素は含まれません。
特長
- 高感度:溶液中の40 ngのリシンオキシダーゼを検出
- 連続的:自動化への適合が容易
- 簡便:操作時間を最小とする処方で、洗浄は不要
- 非放射性:特殊な廃棄物処理は不要
構成内容
- Amplite™ HRP基質(光感受性)
- アッセイバッファー
- セイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)
- DMSO
操作概要
- アッセイ反応混合液を調製する(50 µL)
- リシンオキシダーゼ標準品か、試験サンプルを添加する(50 µL)
- 37℃で10〜30分間インキュベートする
- 蛍光強度を測定する(Ex/Em = 540/590 nm)
製品データ
図1. Amplite™ 蛍光リシンオキシダーゼアッセイキットを用いて、黒色96穴プレートでリシンオキシダーゼの用量依存性を測定した。
30分間のインキュベートで40 ngのリシンオキシダーゼを検出できた(n = 3)。
図2. 蛍光スペクトル
Amplite™ リシンオキシダーゼ活性アッセイ(蛍光)
品名 | メーカー | 品番 | 包装 | 希望販売価格 |
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Amplite(R) Fluorimetric Lysyl Oxidase Assay Kit *Red Fluorescence*![]() |
ABD | 15255 | 1 KIT [500 Tests] |
¥72,000 |
商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。
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