血漿または血清中のヒトC型肝炎ウイルス(HCV: hepatitis C virus)のウイルスロード(感染細胞率)を定量できる、高感度な RT-qPCR アッセイキットです。
背景
ヒトC型肝炎ウイルス(HCV: hepatitis C virus)
HCVは、3,000 アミノ酸をコードする、約 9,500 ヌクレオチドからなる一本鎖のプラス鎖RNAをゲノムに持ちます。6つの遺伝子型(ジェノタイプ)に分類されています。
HCVには、アメリカで400万人、全世界では約1億7千万人が感染しています。HCVの急性感染は、慢性感染に移行する場合が多く見られます。治療せずに放置すると、肝線維症、肝硬変、非代償性肝疾患に進行し、死に至る場合があります。また、肝硬変患者の25%は肝細胞癌を発症します。
使用目的
ヒトC型肝炎ウイルス(HCV: hepatitis C virus)RNA を定量的に検出できる、定量的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-qPCR)アッセイキットです。
キットには、HCV 遺伝子型 1〜6 に特異的なプライマーミックスが含まれています。また、High、Medium、Low HCV コントロールが含まれており、IU/mL の単位でウイルスを定量できます。さらに、抽出コントロールにより、核酸の適切な抽出が可能です。
特長
- HCVのウイルスロード高感度に定量
- 多くの qPCR オープンプラットフォームに対応
- コントロールセットが付属(定量コントロール、内部サンプル抽出コントロール、ネガティブコントロール)
- インプット量が少ないため、残った抽出サンプルを他の試験に使用可能
原理
AMPIPROBE® キットでは、プライマー設計にプローブ検出技術を採用しています。レポーター蛍光色素で標識したプライマーとクエンチャーで標識したプライマーの組み合わせを用いて、従来のPCRと同様にDNAを増幅します。蛍光標識プライマーは、溶液中に遊離した状態の時にシグナルを発します。しかし、プライマーが増幅したDNAに組み込まれると、クエンチャーと蛍光色素が近接し、Forster 共鳴エネルギー転移(FRET)が起こります。FRETにより、DNAの増幅サイクル数に対してシグナルが対数的に減衰します。シグナルが定義された閾値(threshold)に減衰すると、対応するサイクルに対して値(Ct値)が算出されます。このCt値は、サンプル中の標的RNAまたはDNAの量を示します。
図1 AMPIPROBE® HCV アッセイキットの原理
AMPIPROBE® HCV アッセイキット
商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。
※ 表示価格について
- 「AMPIPROBE® HCV アッセイキット」は、下記のカテゴリーに属しています。