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癌研究やエピトープタグの検出に c-Myc 抗体（9E10）

ヒト c-Myc タンパク質／ペプチド、および、c-Myc エピトープタグを含むリコンビナントタンパク質を認識するマウスモノクローナル抗体です。

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背景

c-Myc とは

c-Myc、N-Myc、L-Myc によってコードされるタンパク質は、細胞の増殖、分化、腫瘍性疾患に関与しています。数種類のヒトがん（肺がん、乳がん、大腸がんなど）で、c-Myc 遺伝子の増幅が報告されています。c-Myc のC末端には、ロイシンジッパー、へリックス・ループ・へリックス、塩基性領域の3つの配列モチーフが存在し、塩基配列を特異的に認識して結合することが示されています。塩基性へリックス・ループ・へリックスロイシンジッパー（bHLH-Zip）モチーフをもつ Max タンパク質は、c-Myc、N-Myc、L-Myc タンパク質に特異的に結合します。Myc-Max 複合体は、Max と Myc のいずれも結合していない場合に、配列特異的にDNAに結合します。また、Max タンパク質は、少なくともさらに2つの bHLH-Zip タンパク質 Mad 1 および Mxi1 とヘテロ二量体を形成します。Mad 1-Max 二量体は、mSin3 との相互作用を介して転写を抑制することが示されています。

仕様

適用	ChIP、ELISA、IHC、IP、WB
抗原／標的遺伝子（タンパク質）	c-Myc エピトープタグ
反応性	ヒト
概要	c-Myc は、非常に強力ながん源遺伝子で、様々な種類のがんでアップレギュレートされることが報告されています。c-Myc は、転写因子としての役割を通じて、何百という標的遺伝子（多くはがん遺伝子または腫瘍抑制因子）の発現を変化させます。クローン 9E10 は、c-Myc エピトープタグを組み込んだリコンビナントタンパク質を認識し、αへリックス構造ではなくランダムコイルのヒト c-Myc タンパク質およびペプチドを検出します。
免疫動物	マウス
免疫原	KLHを結合したヒト c-Mycタンパク質 408-439 に対応する合成ペプチド（AEEQKLISEEDLLRKRREQLKHKLEQLRNSCA - 32アミノ酸）
サブクラス	IgG1
使用したミエローマ細胞	Sp2/0Ag.14

製品データ

サンプル調整

DasherGFP プラスミドベクター（ATUM社）に c-Myc タグをC末側に挿入
大腸菌内でタンパク発現し、溶解（Crude sample）
SDS-PAGEで分離し、一部はCBB染色、残りは Western blot に使用

Western blot

1次抗体（anti c-Myc [CAC 品番：XIM-MA001]） 1000倍希釈（1μg/mL）
2次抗体（anti mouse IgG-HRP [BET社品番：A90-216P]）　3000倍希釈
検出：Lumitera [CSR 品番：LUM-100]

結果

CBB染色の結果、c-Myc タグを結合させた蛍光タンパクの方が高分子側に検出された。
Western blot の結果、「蛍光タンパクのみ（c-Mycタグなし）」には検出されていないが、「c-Mycタグあり蛍光タンパク」は検出された。
以上の結果から1次抗体（anti c-Myc [CAC 品番：XIM-MA001]）にて c-Myc タグを問題なく検出できた。

参考文献