抗原としてタンパク質を使用する場合、立体構造を含むエピトープを認識する抗体が出来る可能性があり特異的で親和性の高い抗体が得られるチャンスがあります。ただ、リコンビナントタンパク質はネイティブのタンパク質の立体構造を再現できていない場合もあるため注意が必要です。また、ポリクローナル抗体では、エピトープの数が多く抗体のバリエーションも増えますので、細かい違いを見分ける抗体は得られ難いことがあります。対してペプチドを抗原とする場合は、小さな分子のためエピトープは限定的で抗体のバリエーションも少なくなるため、アイソフォームや突然変異などの細かな違いを見極める抗体を取得できる期待があります。ただ、立体構造は認識できずリニアな部位を認識する抗体となりますので、類似のタンパク質と交差する場合があります。また、ペプチド抗原に対する抗体は高確率で得られますが、その抗体がターゲットタンパク質に反応しない可能性があります。エピトープがタンパク質の内側に存在していたり、翻訳後修飾されていたりと理由は様々です。しかしこれらの問題のほとんどは適切なエピトープデザインを行うことで防ぐことが可能です。
抗原の種類 | ||
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ペプチド | タンパク質 | |
メリット | ●リン酸化など特定のエピトープのみを認識する抗体を作製可能 ● 配列の一部がわかれば未知のタンパク質でも作製可能 ● 抗原ペプチドが短時間、低コストで準備できる |
● 得られた抗体はターゲットタンパク質に高い確率で反応する ● 立体構造を認識するような特異的な抗体が得られる ● 抗体のバリエーションが多く、親和性の高い抗体が得られる |
デメリット | ●得られた抗体がターゲットタンパク質に反応しない場合がある ● 類似のタンパク質と交差反応する可能性がある |
● 特定のエピトープのみを認識する抗体の作製は難しい ● 抗原とするタンパク質の準備に時間とコストがかかる |

ペプチドもタンパク質もそれぞれメリットとデメリットがあります。プロジェクトの内容に合った抗原をお選びください。合成ペプチドの場合は、もちろんエピトープデザインを行い最適な配列をご提案し合成いたします。
すでに抗原をお持ちのお客様はそちらを免疫にご使用いただくことも可能です。
持ち込み抗原について注意事項
※下記以外の抗原での免疫をご希望の場合はご相談ください。
- 安全性の確認が取れるものに限りお引き受け可能です。
- ヒト由来のタンパク質の場合は、お引き受けが難しい場合があります。
発現タンパク質
必要量( ウサギ1 羽、49 日免疫の場合)
濃度0.4 mg/mL 以上で1.5 mg 程度
溶媒としてUrea や 塩酸グアニジンを使用する場合、高濃度では動物が弱りますので6M 以下で出来るだけ低濃度となるよう調製いただくようお願いします。
菌
必要量( ウサギ1 羽、49 日免疫の場合)
5×109 個/mL
不活化されていない菌体については病原性・感染性の恐れがあるためお引き受けできません。病原性・感染性 を有していない不活化された抗原をご準備ください。
ゲル断片
必要量( ウサギ1 羽、49 日免疫の場合)
2~3 mg 程度
タンパク質を抽出せずにゲルをクラッシュして、そのままアジュバンドと混合します。ゲル断片でのELISA 測定は行っておりません。ELISA 測定をご希望の場合、別途測定用の抗原をご準備ください。
ご質問・ご不明の点は下記までお問い合せください。
FAX: 0134-61-2295
E-mail: peptide-ab@cosmobio.co.jp
商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。
※ 表示価格について