免疫学的アッセイとレポーターアッセイは、分子生物学、診断、研究において不可欠なツールであり、生体分子の検出、定量、分析に役立ちます。免疫組織化学染色 (IHC)、ウェスタンブロッティング (WB)、酵素結合免疫吸着測定法 (ELISA) から青白スクリーニングなどの遺伝子レポーターアッセイに至るこれらのアッセイは、抗体-抗原相互作用の特異性とレポーター遺伝子発現の感度を活用しています。
これらのアッセイで使用される基質は、レポーター酵素または標識酵素で触媒され化学反応を起こす化合物であり、この化学反応の結果、測定可能なシグナルを生じます。このシグナルは比色、発色 (IHC 画像を参照)、または発光のいずれかであり、それぞれが特定のアプリケーションに独自の利点をもたらします。基質の選択は、アッセイの感度、ダイナミックレンジ、および全体的な信頼性に直接影響します。
お客様のアッセイに理想的な基質を選択するために、Rockland社では以下のガイドを作成し、最適な結果を得るために最も効果的な基質を選択できるようにしました。アッセイの成功において基質が極めて重要な役割を果たすため、Rockland社が販売するすべての基質は、社内の研究開発プロジェクトにも使用されています。
品名 | 推奨用途 | 検出系 | アプリケーションノート |
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ABTS ELISA Peroxidase Substrate | ELISA | 比色 | ABTS はペルオキシダーゼ (HRP) 標識に適しており、酸化すると 405 〜 410 nm で測定可能な緑色を生成します。ABTS は可溶性の最終生成物を必要とするアプリケーションに適しており、プレートリーダーと分光光度計の両方に互換性があります。 |
BCIP/NBT Membrane Alkaline Phosphatase Substrate | WB, IHC | 発色 | BCIP/NBT は、WB や IHC などのさまざまな用途でアルカリホスファターゼ (AP) の基質として組み合わせて使用されます。反応により、不溶性の暗紫/青色の沈殿物が生成されます。この基質は、感度と解像度が高いため、ブロッティングおよび in situ ハイブリダイゼーションアッセイにおける発色検出に特に役立ちます。 |
BCIP/TNBT Membrane Alkaline Phosphatase Substrate | WB, IHC | 発色 | エンハンサーを含む独自のバッファーです。BCIP/NBT は、WB や IHC などのさまざまな用途でアルカリホスファターゼ (AP) の基質として組み合わせて使用されます。反応により、不溶性の暗紫/青色の沈殿物が生成されます。この基質は、感度と解像度が高いため、ブロッティングおよび in situ ハイブリダイゼーションアッセイにおける発色検出に特に役立ちます。 |
Chemiluminescent FemtoMax™ Super Sensitive HRP Substrate | WB, ELISA | 発光 | 2 成分系 ECL(Enhanced Chemiluminescence)システムです。ペルオキシダーゼ(HRP)によって触媒されるルミノールの酸化が関与しています。HRP と過酸化物の存在下で、ルミノールは酸化され、発光します。発光強度はHRPに結合したターゲットの量に比例するため、タンパク質の定量検出が可能となります。 |
DAB Membrane Peroxidase Substrate (50X) | WB, IHC | 発色 | 50倍濃縮溶液です。DAB はペルオキシダーゼ (HRP) の基質として IHC で広く使用されており、酵素活性部位に茶色の沈殿物を生成します。組織切片中の抗原抗体相互作用を詳細に視覚化でき、高い解像度で染色可能なことと光学顕微鏡との互換性を持つことにより、好まれています。DAB は、HRP 結合二次抗体を検出するために WB で使用することもできます。 |
NPP (1X) ELISA Alkaline Phosphatase Substrate | ELISA | 比色 | NPP は ELISA におけるアルカリホスファターゼ (AP) の基質であり、405 nm で測定可能な黄色を生成します。酵素活性の定量的な読み取りを必要とするアプリケーションに適しています。 |
NPP (50X) ELISA Alkaline Phosphatase Substrate | ELISA | 比色 | 50倍濃縮溶液です。NPP は ELISA におけるアルカリホスファターゼ (AP) の基質であり、405 nm で測定可能な黄色を生成します。酵素活性の定量的な読み取りを必要とするアプリケーションに適しています。 |
Stable DAB/Plus | IHC | 発色 | DAB はペルオキシダーゼ (HRP) の基質として IHC で広く使用されており、酵素活性部位に茶色の沈殿物が生成されます。高い解像度で染色可能なことと光学顕微鏡との互換性を持つことにより、好まれています。 |
TMB ELISA Peroxidase Substrate | ELISA | 比色 | TMB はペルオキシダーゼ (HRP) ベースのイムノアッセイ、特に ELISA の基質であり、青色を生成し、硫酸で反応を停止すると黄色に変化することで知られています。色の変化は 450 nm で定量化できます。 TMB は高感度なので、少量の分析物の検出に最適です。 |
TMB Membrane Peroxidase Substrate - Ready-To-Use | WB, IHC | 発色 | このTMBは、ペルオキシダーゼ(HRP)ベースのイムノアッセイの基質であり、サンプル物質の膜または表面に青緑色を生成します。 |
TMB Prestained Red ELISA Peroxidase Substrate | ELISA | 比色 | 本製品は赤色なので、お客様は製品が均一にアプライされたことを視覚的に確認することができます。TMB はペルオキシダーゼ (HRP) ベースのイムノアッセイ、特に ELISA の基質であり、青色を生成し、硫酸で反応を停止すると黄色に変化することで知られています。色の変化は 370 nm または 655 nm で定量化できます。 |
UniGlow™ - One Component Chemiluminescent Substrate | WB, ELISA | 発光 | 1 成分系 ECLシステムです。ペルオキシダーゼ(HRP)によって触媒されるルミノールの酸化が関与しています。HRP と過酸化物の存在下で、ルミノールは酸化され、発光します。発光強度はHRPに結合したターゲットの量に比例するため、タンパク質の定量検出が可能となります。 |
X-Gal (Beta-Galactosidase Substrate) | Blue-white screening, IHC | 発色 | X-Gal は β-ガラクトシダーゼの基質であり、分子生物学において組換え細菌コロニーの青白スクリーニングやその他のレポーター アッセイに一般的に使用されます。β-ガラクトシダーゼによって加水分解されると、X-Gal は不溶性の青色の沈殿物を生成します。 |