GPScreen™は、二倍体の分裂酵母 S. pombeのゲノムワイドなヘテロ型遺伝子破壊株ライブラリを作製し、"薬物誘発性ハプロ不全(DIH, Drug-induced Haploinsufficiency)"を利用することで、創薬ターゲットの同定が可能となります。
DIH遺伝子破壊株は、片方の染色体において特定のタンパク質をコードする遺伝子を欠損させ、タンパク質発現を正常レベルの50%程度に抑えたヘテロ型遺伝子破壊細胞で、特定の標的タンパク質をターゲットとする薬剤に対して高い感受性を持ちます(Fig.1)。そのため、野生型のS.pombe に比べて薬剤感受性が特異的に向上しており、細胞増殖の低下を指標として、薬物または薬物候補化合物の効果をより強く検出することが可能となります (Fig.2)。
 (Fig.2) 遺伝子発現量と薬剤の感受性の相関図 |
 (Fig.3) 野生型およびヘテロ型遺伝子破壊株の薬剤感受性 |
近年、多くの論文で、出芽酵母のS. cerevisiae (Baetz K et al., 2004; Lum et al., 2004)におけるDIHを用いた創薬ターゲットの同定が報告されています。分裂酵母S. pombeは、出芽酵母S. cerevisiaeよりも細胞分裂パターンが哺乳動物細胞に近く(Fig.3)、より哺乳動物細胞に近いモデル細胞として使用されています。

(Fig.3) 出芽酵母
S.cereviaseと分裂酵母
S.pombe、哺乳動物の細胞分裂パターン比較
- ゲノムワイドスクリーニングを用いて網羅的に創薬ターゲットを同定
- 前臨床ステージ前の毒性(オフ)ターゲットの探索
- 4840遺伝子(分裂酵母ゲノムの約98.5%)に対して網羅的にアッセイ可能
- セルベーススクリーニング
- 天然化合物の標的分子探索に有用
- ヒトおよび動物種細胞株より低コスト、短納期
GPScreen™は、薬物候補の分子ターゲットを正確に同定します。

(Fig.5) GPScreen™を使用した創薬ターゲットの同定例
A)サイトカラシンAの構造
B)Act1タンパク質レベルを低下させた
act1ヘテロ欠失変異体は、サイトカラシンA存在下において、特異的に細胞の増殖率が低下した。本GPScreen™スクリーニング結果において、サイトカラシンAはAct1タンパク質の機能を特異的に阻害していることが示された。
GPScreen ™サービスは、ゲノムワイドなスクリーニング(4840全変異株を使用)の他に、必須遺伝子のスクリーニング(1259必須遺伝子変異株使用)も提供しています。
一次試験サービス
野生型S. pombe におけるGrowth-inhibitory Activity (GI50)の決定をします。一次試験は、GPScreen™ の前に、必要な全ての化合物に対して実施します。
二次試験サービス
1) S. pombeゲノムワイド破壊株(4840種類遺伝子)を使用したGPScreen™ サービス
2) S. pombeの必須遺伝子破壊株(1259種類遺伝子)を使用したGPScreen™ サービス