脂肪細胞型脂肪酸結合タンパク質（AFABP）測定ELISAキット

脂肪細胞型脂肪酸結合タンパク質（AFABP）測定ELISAキットは、血清または血漿中のAFABPを定量するサンドイッチ法イムノアッセイです。

AFABPとは？

脂肪細胞型脂肪酸結合タンパク質（AFABP）は、その内腔に脂肪酸や関連物質（胆汁酸やレチノイド）を結合することが知られている、15 kDaの細胞内脂肪酸結合タンパク質ファミリーの一種です。

AFABPは分化に依存して脂肪細胞で発現する、細胞の生体機能調節において重要な遺伝子です。マウスでは、AFABPの標的変異で食事と遺伝の両方による肥満と関連した高インスリン血症とインスリン抵抗性を有意に防止できました。

AFABP欠損マウスの脂肪細胞はin vitroとin vivoで脂肪分解効率を抑制し、全身性脂質異常症を適度に改善しました。最近の研究では、AFABPが分化と活性化するマクロファージにも発現していることが報告されています。また、AFABPが免疫応答とコレステロールエステルの蓄積を調節するため、全身あるいはマクロファージ特異的AFABP欠損ではapoE^-/-マウスにおいて劇的なアテローム性動脈硬化の予防を示します。この結果は、脂肪細胞とマクロファージの個別機能を介したメタボリックシンドロームの主要構成物の発展におけるAFABPの中心機能を示しています。

• 総分析時間は4時間以内
• 血清または血漿（EDTA、クエン酸、ヘパリン処理）中の総AFABPを測定
• 96穴アッセイフォーマット
• 血清による品質管理用サンプル付属
• 組換え体タンパクの標準品付属
• キットの構成品は濃縮か凍結乾燥で、即使用可
• エネルギー代謝と体重の調節、メタボリックシンドローム、2型糖尿病に関する研究に

図1. サンプルマトリクスの影響
10サンプルのAFABPを血清、各々EDTA、クエン酸、ヘパリン処理した血漿で測定した。

本キットでは、標準品、品質管理用サンプル、測定サンプルを、抗AFABPポリクローナル抗体でコートしたプレートに加えインキュベートします。60分後に洗浄し、ビオチン標識抗AFABP抗体を添加して60分インキュベートし、AFABPを捕捉します。さらなる洗浄後、ストレプトアビジン-HRP複合体を添加します。30分間のインキュベートの後に洗浄し、結合している複合体を基質溶液（TMB）と反応させます。酸性溶液の添加により反応を停止し、生じた黄色物質の吸光度を測定します。この吸光度がAFABP濃度に比例します。検量線は標準品の希釈系列により作成し、測定サンプルの濃度を算出します。

操作概要

• 標準品を再構成し、希釈系列を調製。
• 品質管理用サンプルを再構成し、10倍希釈する。測定サンプルも10倍希釈。
• 各サンプルを100 µL添加。
• 室温で1時間、300 rpmでインキュベート。
• プレートを5回洗浄。
• ビオチン標識抗体を100 µL添加。
• 室温で1時間、300 rpmでインキュベート。
• プレートを5回洗浄。
• ストレプトアビジン-HRP複合体を100 µL添加。
• 室温で30分、300 rpmでインキュベート。
• プレートを5回洗浄。
• 基質溶液を100 µL添加。
• 室温で10分間インキュベート。
• 停止液を100 µL添加。
• 吸光度を測定し、計算。

図2. ヒトAFABP ELISA検量線

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