COVID-19およびMIS-CにおけるC1-INH複合体アッセイの臨床的検証
Hycult Biotech 社は、C1s/C1-INH 複合体を介した初期の古典経路(CP)の活性化、およびMASP-1/C1-INH複合体を介した初期のレクチン経路(LP)の活性化をモニターする新しい ELISA キットを開発しました。これらのツールは、補体が介在する疾患における早期補体活性化の研究と解明に有用です。
COVID-19 および MIS-C における C1-INH 複合体と補体活性化は、2つの研究によりC1-INH 複合体アッセイが臨床的に検証されています1, 2。
【参考】補体経路マップはコチラ
- Hurler L. et. al., Distinction of early complement classical and lectin pathway activation via quantification of C1s/C1-INH and MASP-1/C1-INH complexes using novel ELISAs. Front Immunol. 2022 Nov 4;13:1039765. doi: 10.3389/fimmu.2022.1039765. eCollection 2022.
- György S. et. al., Evidence, detailed characterization and clinical context of complement activation in acute multisystem inflammatory syndrome in children. Sci Rep. 2022 Nov 17;12(1):19759. doi: 10.1038/s41598-022-23806-5.
補体介在性疾患における早期補体活性化の研究と解明
補体を介した炎症はさまざまな疾患に関連しています。場合によっては、直接、臨床的な影響が考えられるため、このプロセスに可能な限り早期に介入することが重要です。現在、天然型または組換え型のC1-INH投与は、遺伝性血管性浮腫(HAE)に対する治療として承認されています。
C1-INHまたは、その他の早期補体阻害薬は、より適切な標的療法の確立のために、現在進行中の臨床研究で検討されています。したがって、C1-INH複合体は、進行中の古典経路またはレクチン経路の活性化の間接的マーカーとして用いることができます。
なぜC1-INHとその複合体に注目するのか?
C1-INHの投与は、遺伝性血管性浮腫(HAE)に対して承認された一般的な治療法であり、以下の疾患の臨床試験が実施されています:
- Covid-19感染症
- 腎移植における拒絶反応の予防
- 外傷性脳損傷及び急性虚血性脳卒中
- エンドトキシン血症、敗血症、炎症、多臓器不全
- 末期腎不全、慢性腎臓病への応用